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【闘病】「絶望しかなかった…」 治療法ない“脳の難病”で将来『歩けなくなる』ことに!?

 公開日:2025/11/25
【闘病】「脊髄小脳変性症」 絶望することになった「進行性の治らない病」

20年前から字がうまく書けないといった症状があった佐藤さん。歩行のふらつきが顕著になり、病院でMRI検査を受けた結果、小脳が委縮していく指定難病「脊髄小脳変性症」と診断されました。根治法はなく、病状はゆっくり進行し最終的には車椅子になるという説明に、佐藤さんは絶望。夫に離婚を切り出すほどの衝撃を受けました。しかし夫の言葉に支えられ、難病と向き合いながら前向きに歩み続ける佐藤さんの軌跡を紹介します。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年5月取材。

佐藤寿子さん

体験者プロフィール
佐藤 寿子

プロフィールをもっと見る

1981年生まれ、福島県在住。夫と4歳の娘と暮らしている。21歳で上京した際、ストレスにより突然字が書けなくなり神経内科を受診。社会不安障害と診断され、投薬を続ける。様々な病院で検査を受けるものの異常なしと診断される。正式に遺伝性の脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)と診断されたときは、専業主婦で子育て中(子どもが1歳のときに診断された)。現在は服薬と食事や生活習慣などを見直しながら生活している。ブログ

村上 友太

記事監修医師
村上 友太(東京予防クリニック)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

突然字が書けなくなり病院を受診

突然字が書けなくなり病院を受診

編集部編集部

まず初めに、脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く。以下同)とはどのような病気なのでしょうか?

佐藤寿子さん佐藤さん

平衡感覚を司る小脳が委縮してしまう病気です。症状としては人によって様々なのですが、私の場合「歩くとふらつく」「階段の上り下りに手すりが必要」「まっすぐ立つのが困難(小刻みにふるえる)」といったものが主な症状です。

編集部編集部

それらの症状はどのくらい前から表れていたのでしょうか?

佐藤寿子さん佐藤さん

字をうまく書けなくなったのは、20年ぐらい前からです。歩くときにふらついたり、階段の上り下りに手すりが必要となったりしたのは、ここ3年くらいのことです(取材時)。それまでは、普通にジョギングを楽しむこともできていました。いま思うと進行性というのを実感しますが、いろいろな方の話を聞く限り、私の進行のスピードはかなり遅いようで、「もしかするとこれ以上進まないのかもしれないと思うほど遅い」と言われたこともあります。

編集部編集部

脊髄小脳変性症が判明した経緯について教えてください。

佐藤寿子さん佐藤さん

字が書きにくい状態が続いていたのと、歩行に違和感があったので、最初は幼いころからのかかりつけの接骨院の先生に相談しました。すると「もしかするとね、小脳かもしれないから」と、今通院している病院を紹介してもらい、その病院にてMRIを撮って判明しました。それまでに他院で何度もMRIを撮っても分からなかったのは、画像の切り方によるものだったそうです。

編集部編集部

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

佐藤寿子さん佐藤さん

今は根治方法が見つかっていないそうで、病状はゆっくり進行していき、最終的には車いすになる。薬でその進行を遅らせるしかないと言われました。

治療法がないと言われ絶望感に襲われた

治療法がないと言われ絶望感に襲われた

編集部編集部

病気が判明したときの心境について教えてください。

佐藤寿子さん佐藤さん

絶望しかありませんでした。子どものこと、夫のこと、歩けなくなるかもしれないこと……。将来を考えて、夫には離婚を切り出しました。歩けなくなる可能性が高いし、迷惑をかけたくなかったので。でも、すぐに否定されました。「俺より年上だし、介護が少し早まるだけでしょ」と言ってくれました。

編集部編集部

発症後、生活にどのような変化がありましたか?

佐藤寿子さん佐藤さん

やはり歩くのが少し困難な部分もあるので、その部分ですかね。でも「ものすごく不自由」とは感じていません。ただ、病気を知らない人の前で歩くときは、やはり少し緊張しますね。

≪↓ 後編へ続く ↓≫

※この記事はメディカルドックにて『【闘病】「脊髄小脳変性症」 絶望することになった「進行性の治らない病」』と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

  →(後編)【闘病】家族の理解が心の支えに

この記事の監修医師