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【闘病】「ただの風邪」と見過ごされた異変が難病だった《SLE・シェーグレン症候群》

 公開日:2025/03/24
【体験談】頭痛・肩こり・微熱は難病のせいだった《SLE・シェーグレン症候群》

2000年、看護学生だったTomoさん(仮称)の身体に異変が現れました。頬の発疹や倦怠感、微熱が続くも最初に受診した皮膚科では「虫刺され」や「風邪」と診断されるだけでした。症状は悪化し続け、不安が募る中、看護学校の先生の勧めで別のクリニックを受診。そこで血液検査を受けた結果「全身性エリテマトーデス(SLE)」が疑われ、大学病院での精密検査へと進みます。確定診断を受けたときの心境、そして病気と共に生きる現在の生活とは…。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年2月取材。

Tomoさん

体験者プロフィール
Tomoさん(仮称)

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茨城県在住。1980年生まれ。結婚し、1児(中学生)の母。診断時は看護学校の2年生。2000年、学校の夏休みに友人とプールへ行き、数日後に発症。約2か月間、皮膚科を数カ所受診するものの、原因不明で症状も改善せずに不安な日々を過ごす。10月、看護学校の先生が紹介してくれた病院を受診。全身性エリテマトーデスが疑われすぐに大学病院へ。検査の結果、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群合併と診断され、ステロイド内服治療開始。現在は、1か月に1回大学病院へ通院しながらクリニックで看護師をしている。

なかなか原因がわからない不安な日々

なかなか原因がわからない不安な日々

編集部編集部

全身性エリテマトーデスと診断されたときの経緯について教えてください。

TomoさんTomoさん

私が看護学生だった2000年、初めに受診した皮膚科では、頬の発疹に対して問診と触診だけで、虫さされや蕁麻疹などと言われ、ステロイド軟膏の処方のみでした。熱や倦怠感は「風邪では?」と、言われただけでした。症状は、どんどん悪くなる一方だったのでとても不安でしたね。

編集部編集部

どのような症状があったのでしょうか?

TomoさんTomoさん

数か月微熱が続き、頭痛、肩こり、強い倦怠感と疲労感、頬に赤い発疹、朝に手の関節のこわばりなどもありました。

編集部編集部

その後、看護学校の先生に別のクリニックを紹介されたそうですね。

TomoさんTomoさん

はい。そこでは問診のほか、触診に加え血液検査や尿検査を受けました。血液検査の結果から全身性エリテマトーデス(SLE)が疑われ、大学病院を紹介してもらいました。大学病院では、より詳しい検査を受け、そのすべてのデータより全身性エリテマトーデスとシェーグレン症候群の合併と診断確定されました。

編集部編集部

大学病院ではどのような検査をしましたか?

TomoさんTomoさん

血液検査、尿検査、心機能·肺機能検査、骨密度測定、頬の紅斑の生検などを受けました。すると、抗dsDNA抗体の値が高かったと説明を受けました。

編集部編集部

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

TomoさんTomoさん

発症当時はステロイドの内服治療をしていくと説明がありました。症状や検査値が改善していけば、ステロイドを減量して、その状態を維持していくと言われました。

病気を理解し、生活をコントロールしている

病気を理解し、生活をコントロールしている

編集部編集部

病気が判明したときの心境について教えてください。

TomoさんTomoさん

全身性エリテマトーデスが疑われるとわかったときは、目の前が真っ暗になり涙が止まりませんでした。でも、医師が「独りで泣かなくていい。僕達医師が一緒に治していくから。僕達の仕事だからね」と、言ってくださいました。その言葉がとても心強かったです。確定診断はとてもショックでしたが、これで治療ができるという思いもあり、受診を勧めてくださった看護学校の先生方には感謝しかありません。

編集部編集部

発症してから生活面ではどのような変化がありましたか?

TomoさんTomoさん

発症から21年経ちましたが、毎日忘れずに薬を飲むこと。これが一番大変であり、一番大事なことです。それから疲労しやすいため、無理なスケジュールは立てないことと睡眠を十分にとることを守っています。また、免疫抑制剤を内服しているため、風邪などをひきやすいこともあり、感染予防に努めています。日光過敏なので、紫外線にあたらない生活(海水浴、プール、スキーなどに行かない)、普段から日焼け止めや帽子、日傘を使うようにして、日光浴をしないようにしていますね。病気が悪化しないように自分の身体と相談しながらの生活になりました。

副島 裕太郎

記事監修医師
副島 裕太郎(横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

※この記事はメディカルドックにて『【体験談】頭痛・肩こり・微熱は難病のせいだった《SLE・シェーグレン症候群》』と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師