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「認知症」行方不明者が1.9万人と過去最多、日常生活で取り組める予防法を医師が解説!

 公開日:2024/07/17

警察庁は、2023年に警察へ届け出があった認知症の行方不明者は1万9039人だったことを発表しました。2022年と比べて330人増えており、統計が始まった2012年以降で最多となりました。このニュースについて勝木医師に伺いました。

勝木 将人

監修医師
勝木 将人(医師)

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2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.

2023年の認知症行方不明者の状況は?

まずは、警察庁が発表した2023年の認知症の行方不明者の状況について教えてください。

勝木 将人先生勝木先生

認知症の行方不明者の統計は、2012年から開始されており、毎年増加しています。2023年の情報は7月4日に発表され、行方不明者は1万9039人となり、統計開始以降で最も多くなりました。年齢別に内訳を紹介すると、最も多いのは80代以上で6割を占めています。次に多いのが70代で3割超え、次いで60代で826人、50代で140人、40代で9人、30代で2人となりました。

行方不明者のうち、99%は届け出が受理されてから3日以内に見つかったこともわかりました。このうち遺体で見つかったのは502人で、発見時の状況を調査項目に取り入れた20年以降で最も多くなりました。また、行方不明になった人の捜索に使われたツールについて、2024年7~12月にドローンで3人、GPS機器によって71人が発見されたこともわかりました。直轄の警察犬が認知症の行方不明者の捜索をした件数は3230件でした。

日本における認知症の現状は?

日本での認知症の現状について教えてください。

勝木 将人先生勝木先生

歳をとるほど認知症になりやすく、日本における65歳以上の認知症患者は2020年時点で約600万人と推計されています。2025年には高齢者の5人に1人にあたる約700万人が認知症になると予測されています。

認知症には脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程で起きる「アルツハイマー型認知症」、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害による「血管性認知症」、歩幅が小刻みになったり、幻視が見えたりして転びやすくなる「レビー小体型認知症」、スムーズに言葉が出てこない・言い間違いが多い、感情の抑制がきかなくなる、社会のルールを守れなくなるといった症状があらわれる「前頭側頭型認知症」などのタイプが存在します。

認知症行方不明者の状況への受け止めは?

高齢化が進む中、認知症の患者数は今後も増加することが予測されています。今回の警察庁が発表した認知症の行方不明者の状況についての受け止めを教えてください。

勝木 将人先生勝木先生

今回の統計結果は非常に憂慮すべき状況を示しています。認知症行方不明者の増加は、高齢化社会において避けられない現象ではあるものの、家族や地域社会のサポート体制を強化する必要性を改めて認識させられます。特に、行方不明になった高齢者が迅速に発見されることが重要であり、ドローンやGPS機器などの新しい技術の導入が効果的である可能性があります。今後もこうしたツールを活用し、警察や地域の協力体制を強化していくことが求められるでしょう。

また、認知症を予防するために、日常生活の中で取り組めることがあります。例えば、定期的な運動やバランスのとれた食事十分な睡眠社会的な交流を保つなどが挙げられます。特に、頭を使う活動や趣味を持つことは、脳の健康維持に効果的です。加えて、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防・管理、禁煙や節酒なども重要です。認知症のリスクを減らすために、健康的な生活習慣を心がけましょう。

まとめ

警察庁は、「2023年に警察へ届け出があった認知症の行方不明者は1万9039人」と発表しました。今後も認知症患者が増えることが予測されており、認知症の行方不明者をどう抑えていくか、対応が求められています。

この記事の監修医師