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【闘病】歯茎の腫れ、止まらぬ咳が「指定難病」の衝撃診断。“完治しない病”の現実

 公開日:2025/03/18
【闘病体験】歯ぐきの出血や手荒れに始まった異変は難病「皮膚筋炎」だった

2015年8月、歯ぐきの腫れや手荒れが続き、違和感を覚えたyumiyumidietさん(仮称)。歯医者やクリニックを受診するも原因は不明。さらに口内炎、関節痛、咳と症状は増え、ついに総合病院で精密検査を受けることに。そして、2016年1月「無筋症性皮膚筋炎」との確定診断が下されます。自己免疫疾患による難病と向き合い、間質性肺炎を合併しつつも、前向きに治療を続ける彼女の闘病生活とは…。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2021年11月取材。

yumiyumidietさん

体験者プロフィール
yumiyumidietさん(仮称)

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1979年生まれ、兵庫県在住。大きな病気をすることなく生きてきたが、2015年に無筋症性皮膚筋炎と診断される。発症から6年経ったが今のところ再燃はなく、寛解状態が継続中。

自分の免疫が自分の皮膚を攻撃する

自分の免疫が自分の皮膚を攻撃する

編集部編集部

最初に不調や違和感を感じたのはいつですか? どういった状況だったのでしょうか?

yumiyumidietさんyumiyumidietさん

2015年8月ごろから歯ぐきが腫れて、歯磨きの時に血が出るようになりました。まずは歯医者を受診したのですが、歯肉炎などの異常はなく、ほかに、なかなか治らない手荒れなどの症状もあったため、近くのクリニックにも行きました。そこで血液検査をしましたが異常は見つからず、いずれも様子を見ることになりました。

編集部編集部

診断に至るまでの経緯を教えてください。

yumiyumidietさんyumiyumidietさん

翌月、皮膚科に行き、手荒れにステロイドの塗り薬を処方されたのですが、いっこうに改善せず、口内炎も沢山できるようになっていました。それに加えて関節痛が出始めたり、咳がなかなか止まらなかったりして、再度、近所のクリニックで血液検査を受けたのです。やはり、異常はないと言われましたが、念の為、市立病院への紹介状を書いてもらいました。

編集部編集部

詳しく調べないとわからなかったのですね。

yumiyumidietさんyumiyumidietさん

市立病院で血液検査レントゲン皮膚生検骨シンチ筋シンチMRIなどの検査を受け、12月に「確定診断はできないが、皮膚筋炎の疑い」ということで、入院して投薬治療をすることになりました。年が明けた2016年1月に、無筋症性皮膚筋炎の確定診断が出ました。

編集部編集部

「無筋症性皮膚筋炎」は、どんな病気なのでしょうか?

yumiyumidietさんyumiyumidietさん

自己免疫疾患といって、免疫細胞が自分の皮膚や筋肉に炎症を起こしてしまう病気です。私の場合は筋肉の症状はなかったため「無筋症性皮膚筋炎」という診断名となります。完治はしない病気で、指定難病とされています。

編集部編集部

間質性肺炎は、どのようにして判明したのですか?

yumiyumidietさんyumiyumidietさん

皮膚筋炎の関節痛が出始めた頃から咳も出るようになり、しばらくすると大きく息を吸うと、せき込んで苦しくなってきました。皮膚筋炎の検査と並行して胸のレントゲンなどの検査も受けていて、その結果、間質性肺炎との診断がありました。肺の外側にある「間質」という組織が硬くなるため、肺が伸び縮みしにくくなる病気で、皮膚筋炎に合併することも多いそうです。

編集部編集部

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

yumiyumidietさんyumiyumidietさん

3週間程入院して、ステロイドと免疫抑制剤の投薬治療が必要となり、ステロイドは40mgからスタートし、様子を見ながら少しずつ減薬するとのことでした。

職場の人の声かけがあったから

職場の人の声かけがあったから

編集部編集部

病気がわかったときの心境について教えてください

yumiyumidietさんyumiyumidietさん

職場の同僚の奥さまが同じ病気を抱えており、ステロイドによって症状がかなり楽になったと聞いていたので、同じ投薬治療がスタートすると聞いてほっとしました。関節痛が強くてあまり動けず、皮膚症状もひどかったので、薬の副作用の怖さよりも、症状が改善する嬉しさが優っていました。

編集部編集部

実際の治療はどのように進められましたか?

yumiyumidietさんyumiyumidietさん

ほぼ最初の説明通り、ステロイドと免疫抑制剤の投薬治療でした。ステロイドは40mgからスタートし、始めは2週間毎に血液検査などで状況を確認しながら10%ずつ減薬し、その後、ペースを徐々に伸ばしながら3年程で1mgまで減薬しました。

編集部編集部

入院生活はどうでしたか?

yumiyumidietさんyumiyumidietさん

症状が軽くなっていくのが自分でもわかると嬉しかったです。入院して2週間くらいで、ほかの入院患者さんから「とても元気そうだけど、どこが悪いの?」と聞かれるぐらいに元気になっていました。関節痛が出始めたころ、自分では大丈夫と思っていたのですが、職場の同僚に勧められて念のために受診したことで、早くに治療開始できたことが良かったと思っています。

編集部編集部

病気の前後で変化したことを教えてください。

yumiyumidietさんyumiyumidietさん

ステロイドの副作用でコレステロール値が上がったので、食生活に気をつけるようになりました。また、医師から筋肉が落ちやすくなると言われたので毎日軽い筋トレをするようになり、肩こりや生理痛などが改善されました。

副島 裕太郎

記事監修医師
副島 裕太郎(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

※この記事はメディカルドックにて『【闘病体験】歯ぐきの出血や手荒れに始まった異変は難病「皮膚筋炎」だった』と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師

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