【闘病】ほくろかと思ったら「基底細胞がん」だった…顔の形が変わるほどの危機
気になっていたほくろを除去してもらったら「基底細胞がん」が見つかったというMegさん。さらに、その数年後には「関節リウマチ」を発症したそうです。2つの病気が発覚するまでの経緯や治療、その後の生活についてMegさんに語っていただきました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年11月取材。
体験者プロフィール:
Megさん(仮称)
夫と2人で暮らす40代の女性。2012年8月、顔にできたほくろが徐々に大きくなっているように感じ、買い物途中に美容整形クリニックで除去してもらった。その後、総合病院にてほくろを検査してもらったところ、基底細胞がんが判明した。また、2016年2月に左手人差し指の痛みと違和感があり、整形外科を受診したところ、関節リウマチとの診断を受けた。現在は紫外線対策や疲労に注意しながら、ヨガ・ピラティスインストラクターとして活動している。
記事監修医師:
副島 裕太郎(横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
記事監修医師:
森田 知世(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
たまたま取ってもらったほくろが基底細胞がんと判明
編集部
Megさんが罹患した「基底細胞がん」は、一般的にはあまり聞かない病名ですが、どのような経緯で発覚しましたか?
Megさん
基底細胞がんは皮膚がんの一種で、日本人に発生する皮膚がんの中でも最も多いそうです。私の場合は、目と目の間にあるほくろが徐々に大きくなっている気がしたのが最初のきっかけです。たまたま買い物途中に見かけた美容整形外科へ飛び込み、治療してもらってから発覚しました。
編集部
美容整形外科で除去してもらい、すぐに判明したのでしょうか?
Megさん
いえ、美容整形外科で除去してもらったときはそのまま帰宅しました。ですが、担当した先生が「もしかして」と思い、検査に出してくれたそうです。そして後日、美容整形外科の先生から呼び出されて「基底細胞がん」と告知を受けました。それから大きな病院にも紹介していただき、改めて入院と手術を行いました。
編集部
入院した病院の医師からはどのような説明がありましたか?
Megさん
先生は「もっと奥まで届いていたら、顔の形が変わっていた。美容整形の先生はよく発見してくれた。がん自体は転移の可能性が極めて低い種類だから、手術で取り除けば大丈夫」とのことでした。抗がん剤治療もなしと説明されました。
編集部
最初に聞いた時はどんなお気持ちでしたか?
Megさん
まず最初に考えたことは母に迷惑をかけてしまうということ、次に抗がん剤治療のことです。皮膚がんとはいえ「がん」ですので、自分は死ぬのだろうかという不安でした。
編集部
目と目の間にできたとのことですが、外見上の変化はどうでしたか?
Megさん
確かに見た目にはわかりにくいものの、手術の影響で目と目の間は1mmほど近くなっており、横から見るとわずかにくぼんでいます。ですが、先生がおでこ周辺から丁寧に皮膚移植をしてくれたおかげで、言われなければわからないくらいになっています。どうすれば綺麗にできるか、1週間考えてくださいました。
編集部
では、手術後はどのように過ごしましたか?
Megさん
入院中から退院後まで、ずっと母が一緒にいてくれたおかげで、怖いものや困ることはありませんでした。ただ、手術後は交通事故に遭ったのかと思うほど顔が腫れあがっていたので、すれ違う人から目を逸らされることはありました。
触れただけで飛び起きるほどの痛みに関節リウマチを疑う
編集部
「基底細胞がん」と告知を受けた数年後、関節リウマチも発症されたそうですが、経緯を教えてください。
Megさん
2016年2月頃、左手の人差し指に痛みを感じて接骨院に通いました。しかし、痛みは日増しに強くなってとうとう寝ている時に触れただけで飛び起きるほどの激痛がありました。さすがにおかしいと思ってネットで調べると関節リウマチの症状が当てはまったため、整形外科を受診して血液検査をしてもらい、判明しました。
編集部
医師からはどのような説明がありましたか?
Megさん
最初の病院の先生とは合わなかったこともあり、別の病院を受診しました。そこでは先生がとても丁寧で、薬の副作用のこと、仕事のこと、体を動かすことが良いことなど色々と教えてくださいました。私はヨガ・ピラティスのインストラクターをしているのですが、先生から「関節リウマチに効く、良い仕事をしていますね」という言葉をもらい、とても前向きな気持ちになれました。
編集部
では、どのような治療をしましたか?
Megさん
先生からは、「リウマトレックス」という内服薬を週に1度飲んでほしいと説明されました。ただ、私は当時どうにかして薬を飲まずに治したいと無理をしてしまい、結局ひどくなってしまいました。先生からは「そろそろ限界です」と言われ、リウマトレックス5錠の内服を開始、その数カ月後に自己注射の生物学的製剤を週1回のペースで始めて今も継続しています。
編集部
通院や検査はどのくらいの頻度なのでしょうか?
Megさん
通院は2・3カ月に一度で、半年に一度の血液検査、1年に一度は副作用の確認と肺のCT検査、変形の兆候を確認するためのレントゲン撮影、必要に応じてエコー検査による炎症の確認をしています。また、関節リウマチの合併症に肺炎があるのですが、なっていても気付きにくいそうです。そのため、定期的な検査で体調を確認するのはとても大事だと感じています。
編集部
先生との相性が良いと聞きました。
Megさん
はい。検査結果の説明もそうですが、先生は毎回全身に触れながら可動域チェックを行ってくれます。大学病院のような大きな病院ではそれほど時間を取るのは難しいと思いますので、今の個人病院の先生に出会えて本当に良かったと思います。
※この記事はMedical DOCにて<【闘病】ほくろと思ったら「基底細胞がん」その数年後に「リウマチ」を発症…2つの病気で得た価値観とは>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。