30歳以上の日本人が歯を失う最大の原因はご存じ? 脳梗塞を引き起こすことも
「日本で30歳以上の人が歯を失う最大の原因はむし歯ではなく、歯周病」だと両国デンタルクリニックの野田先生は言います。歯周病を放置するとどうなるのかについても聞きます。
※この記事はMedical DOCにて【「歯周病」になりやすい人の特徴を歯科医が解説、当てはまったら要注意!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修歯科医師:
野田 昌宏(両国デンタルクリニック)
編集部
まず、歯周病について教えてください。
野田先生
簡単に言うと、歯周病菌という細菌に感染したことによって起こる炎症です。歯周病をそのまま放置すると、歯を支える骨が溶けるといったように重症化することもあります。
編集部
なぜ、歯周病にかかるのですか?
野田先生
多くの場合、歯と歯肉の境目の清掃が行き届かないでいることが原因で歯周病は発症します。その隙間に磨き残しがあると細菌が溜まりやすくなり、繁殖してしまうのです。
編集部
歯周病は放置するとどうなるのですか?
野田先生
そのまま放置すると、重症化して歯を抜かなければならなくなることもあります。実際、日本で30歳以上の人が歯を失う最大の原因はむし歯ではなく、歯周病です。それだけでなく、歯周病菌は毒素や炎症性物質を大量に放出し、これらが血流にのって全身に運ばれることにより、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの血管障害を起こしたり、糖尿病を悪化させたりすることもあります。
編集部
歯科医院では、どのように歯周病の治療をおこなうのですか?
野田先生
軽度の場合は、歯石を取ることで改善します。しかし、すでに症状が進んで重症化している場合には、歯ぐきを切開して歯周病菌を取り除いたり、歯を支えている骨を再生したりと、外科的な処置が必要になることもあります。