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【歯科医に聞く】親知らずの抜いた方がいい・抜かない方がいい問題に答えはあるの?

 公開日:2024/05/22
抜かないメリットだってある

「親知らずが真っ直ぐに生えていない場合」「親知らずがむし歯や歯周病になっていたり、痛みや腫れがあったりする場合」は抜歯した方が良いそうです。それらがどのようなトラブルにつながるかを、医療法人きしもと歯科医院の岸本博人先生に教えてもらいました。

※この記事はMedical DOCにて『【歯科医師に聞く】親知らずの抜歯は必要? 手術の流れとは』と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

岸本 博人

監修歯科医師
岸本 博人(医療法人 きしもと歯科医院)

プロフィールをもっと見る
1993年大阪大学歯学部卒業、1997年大阪大学大学院歯学研究科歯学臨床系修了(歯学博士)。岡山大学歯学部中央研究施設などを経て2001年大阪府高槻市に「きしもと歯科医院」を開業。日本口腔インプラント学会代議員、日本障害者歯科学会会員、大阪口腔インプラント研究会理事。一般歯科全般だけでなく、口腔外科、予防歯科、ホワイトニングなど高品質の医療を提供。「誰でもなんでも気軽に相談できる歯医者さん」として、地域医療に貢献している。

編集部編集部

親知らずが生えてきたら、抜いた方がいいのでしょうか?

岸本博人医師岸本先生

歯科医師によって考え方は異なるかもしれませんが、私は、真っ直ぐに生えていてほかの歯に悪い影響を与えず、しっかり歯磨きが行き届いている場合、噛み合う歯があり、食事をする際に食べ物をすりつぶす役割に参加している場合、あえて抜歯する必要はないと思います。

編集部編集部

それではどのような場合、親知らずは抜いた方が良いのでしょか?

岸本博人医師岸本先生

まず、親知らずが真っ直ぐに生えていない場合。横に傾いて生えてきた場合は歯ブラシが届きにくく、むし歯になりやすいので、抜歯をした方が良いでしょう。また歯ぐきのなかに埋まっている場合は、隣の歯を圧迫しやすいので、これも抜いた方が良いでしょう。

編集部編集部

ほかには、どのような場合に抜歯したほうがいいのでしょうか?

岸本博人医師岸本先生

親知らずがむし歯や歯周病になっていたり、痛みや腫れがあったりする場合も抜いた方がいいでしょう。痛みや腫れを放置しておくと、歯肉炎や歯周炎の原因になります。また、「上の親知らずだけあって下の歯がない」など、噛み合わせの対となる親知らずがない場合も、噛み合わせの悪さにつながるので、抜いた方がいいでしょう。

編集部編集部

親知らずが口のなかでトラブルの原因となりそうな場合は、抜いたほうが良いということですね。

岸本博人医師岸本先生

そうです。それから、親知らずは隣接する歯に影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。たとえば親知らずがむし歯になると、隣の歯にも菌がうつり、場合によっては神経の治療が必要なほど、大きなむし歯になることがあります。また、隣の歯との間に深いポケットができ、歯周病が進行するケースもあります。

編集部編集部

そのように、親知らずが周囲に悪影響を及ばさない場合は、抜かなくてもいいのですね?

岸本博人医師岸本先生

はい、親知らずが真っ直ぐに生えていて、かつ、上下の親知らずと噛み合っている場合は、あえて抜く必要はありません。万が一、ほかの奥歯を抜かなければならなくなった場合は、親知らずを移植して補填できる可能性もあります。

この記事の監修歯科医師

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