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「びまん型胃がん」は内視鏡で見えにくい?”3つの検査法”と治療法を医師が解説!

 公開日:2026/04/20
「びまん型胃がん」は内視鏡で見えにくい?”3つの検査法”と治療法を医師が解説!

びまん性胃がんの検査と治療法とは?メディカルドック監修医が、内視鏡やバリウム検査、CT等の診断方法、外科的手術、薬物療法、緩和ケアの重要性を詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「びまん型胃がん」の症状や原因・胃がんとの違いはご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

和田 蔵人

監修医師
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)

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佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。

「びまん型胃がん」とは?

びまん性胃がんとは、「スキルス胃がん」とも呼ばれている胃がんです。胃の壁にしみこむように広がっていくタイプのがんであり、進行が早く悪性度が高いと言われています。内視鏡で発見しづらい場合もあり、症状も出づらいことから気がついたときにはすでに進行して転移や腹膜播種をきたしていることも多いです。
2021年の統計では、胃がんの罹患数は男性で4位、女性で4位と日本人で比較的多いがんと言えます。この胃がんの中でびまん性胃がんの頻度は10~15%程度と言われています。前述したように、びまん性胃がんは発見された時には進行していることが多く、決して予後の良いがんとは言えません。しかし、早期で発見できれば生存率も高いと言われています。
びまん性胃がん(スキルス胃がん)について詳しい知識を得ることで、早期発見・治療につながる可能性があります。

びまん型胃がんの検査法

上部消化管内視鏡検査

口や鼻から内視鏡を入れ、胃の内部を直接観察する検査です。胃の粘膜を直接観察し、胃がんなどの病変の場所や形状を確認します。また、病変の一部を採取し(生検し)、病理検査を行うことで胃がんの診断をすることができます。しかし、びまん性胃がんにおいては、胃粘膜の下でがんの病変が進行するためわかりづらいことも多いです。

バリウム検査

まず初めに発泡剤を飲み、その後にバリウムを飲んでレントゲン撮影を行います。体位を変えながら、バリウムを胃の粘膜に広げ撮影します。バリウム検査では、内視鏡検査と同様に胃の病変を見つけることが可能です。また、びまん性胃がんでは胃の拡張が悪くなることが多く、バリウム検査で胃の拡張の悪さからびまん性胃がんが発見される場合もあります。

画像検査(CT、MRI、PET)

胃の周囲へのがんの進展や遠隔転移を調べるために、有効な検査です。CT検査ではX線を用い、MRIでは磁気を用いて体の断面を撮影して画像にします。造影剤を使用することにより、より詳細が分かることも多いです。
また、PET検査では放射性フッ素を付加したブドウ糖を注射し、がん細胞がこのブドウ糖を取り込むことを利用してブドウ糖の分布を調べる検査です。CT、MRIではっきりしなかった転移などの病変を詳しく調べることができます。

びまん型胃がんの治療法

胃がん同様に、びまん性胃がんの初期であれば外科的治療を行います。しかし、びまん性胃がんは進行がんで発見されることが多いため、薬物療法を行う場合が多いです。

外科的手術

転移がなく、病変の範囲が手術で取りきれる場合には、手術により病変を取りきります。びまん性胃がんでは初期で発見されることが少ないですが、手術で取りきれる場合の予後は良好です。手術では、がんと胃の一部または、胃すべてを取り除きます。
また、家族歴や遺伝子検査などから遺伝性びまん性胃がんであると診断された場合には、将来的に胃がんの発症のリスクが高いため、予防的に胃全摘術を選択することもあります。

薬物療法

遠隔転移があったり、手術で胃がんの病変を取りきることが難しい場合には、薬物療法が選択されます。薬物療法のみでがんを完全に取り除くことは難しいです。しかし、薬物療法を行うことでがんの進行を抑いたり、症状を緩和させる効果がある事が分かっています。薬物療法がおこなえるかどうかは、患者さんの状態や、がんの状況などにより決定されます。ご自身の治療については、主治医に確認をしてみましょう。

緩和ケア・支持療法

緩和ケアとは、がんに伴う体の痛みや不安などの精神的なつらさを和らげるための治療です。支持療法は、がんそのものによるつらい症状や治療に伴ってみられるつらい副作用を軽減するための治療を指します。がんの治療をする際には、さまざまな体のつらさや不安が起こることがあります。このつらさを一人で抱え込まずに、周囲の人や医療スタッフに相談をしてみましょう。

「びまん型胃がん」についてよくある質問

ここまでびまん型胃がんを紹介しました。ここでは「びまん型胃がん」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

びまん性胃がん(スキルス胃がん)と遺伝性びまん性胃がんの違いについて教えてください。

和田 蔵人和田 蔵人 医師

びまん性胃がん(スキルス胃がん)の中で、CDH1遺伝子の変異があり、常染色体優性遺伝され高率にびまん性胃がんを発症するものが遺伝性びまん性胃がんです。日本では少ないと考えられていますが、常染色体優性遺伝であるため、親がこの遺伝子を持つ場合、半数で発症するため注意が必要です。遺伝性びまん性胃がんでは、家族歴が非常に重要で、一度近親者(両親、兄弟、子供)または、二度近親者(祖父母、叔父・叔母、おい、めい、孫)にびまん性胃がんと診断された方が多くいる場合に疑われます。強く疑われる場合には遺伝学的検査を行いますが、まずは心配であれば消化器内科で相談をしましょう。

編集部まとめ びまん性胃がんは早期発見が大切。消化器内科で相談を

びまん性胃がんは、なかなか早期で診断されにくい病気です。家族歴などあり心配であれば、若いうちから検診を行ったり、消化器内科で相談をしてみることが大切です。早期での発見では予後は良いと言われていますが、なかなか早期での発見に至らないことが問題となっています。症状などから気になる事があれば消化器内科で相談しましょう。

「びまん型胃がん」と関連する病気

「びまん型胃がん」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

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「びまん型胃がん」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

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