何を摂り過ぎると「びまん型胃がん」になりやすい?4つの原因を医師が解説!

びまん性胃がんの原因となりやすい人の特徴とは?メディカルドック監修医が、遺伝子変異の関与や、飲酒、喫煙、塩分摂取といった生活習慣のリスクについて詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「びまん型胃がん」の症状や原因・胃がんとの違いはご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)
目次 -INDEX-
「びまん型胃がん」とは?
びまん性胃がんとは、「スキルス胃がん」とも呼ばれている胃がんです。胃の壁にしみこむように広がっていくタイプのがんであり、進行が早く悪性度が高いと言われています。内視鏡で発見しづらい場合もあり、症状も出づらいことから気がついたときにはすでに進行して転移や腹膜播種をきたしていることも多いです。
2021年の統計では、胃がんの罹患数は男性で4位、女性で4位と日本人で比較的多いがんと言えます。この胃がんの中でびまん性胃がんの頻度は10~15%程度と言われています。前述したように、びまん性胃がんは発見された時には進行していることが多く、決して予後の良いがんとは言えません。しかし、早期で発見できれば生存率も高いと言われています。
びまん性胃がん(スキルス胃がん)について詳しい知識を得ることで、早期発見・治療につながる可能性があります。
びまん型胃がんの主な原因
びまん性胃がんの原因については、未だにはっきりと解明されていません。しかし、現在までの報告で考えられる原因について解説いたします。
遺伝子の変異
びまん性胃がんが発症する原因の一つとして、遺伝子変異が関与していると報告されています。この中の一つで、家族性にびまん性胃がんが多く発症する遺伝性びまん性胃がんと呼ばれる病気は、CDH1(E-カドヘリン)遺伝子の変異が原因となり、常染色体優性の遺伝形式で遺伝することが分かっています。
遺伝性びまん性胃がんは、30歳代後半~40歳代前半の比較的若年で胃がんを発症し、80歳までの胃がんになる可能性は男女ともに80%程度と推定されています。この家族性のCDH1変異は欧米に多く、日本では少ないとされています。しかし、2020年に日本人におけるCDH1遺伝子の病的バリアントがある遺伝性びまん性胃がんの家系の症例報告がされており 、今後の解明が待たれます。①びまん性胃がんと診断され、一度の近親者または、二度の近親者で50歳以前にびまん性胃がんと診断された人が2人以上いる。②一度の近親者(両親、兄弟、子供)または二度の近親者(祖父母、叔父、叔母、おい、めい、孫)において、びまん性胃がんと診断された人が3人以上いる。このうちいずれかの場合、遺伝性びまん性胃がんと診断されます。
飲酒
胃がん全体での危険因子としてアルコールの多飲が挙げられます。男性において、1日1合以上の飲酒(エタノール摂取量で23g/日以上)の場合、1合未満の人と比較して有意に胃がんの発症率が上がるとされています。びまん性胃がんに限っての報告ではありませんが、適量の飲酒でとどめましょう。
喫煙
喫煙は胃がん全体での危険因子です。喫煙者は非喫煙者と比較して胃がんのリスクが男性で1.8倍、女性で1.2倍上昇したと報告されています。これは、胃がん全体での報告ですが、びまん性胃がんであっても同様に気をつけましょう。
塩蔵食品
日本人では塩分の摂取量が多いです。塩蔵食品と言われる漬物、魚の干物、たらこなどの魚卵の摂取量が多いと、胃がんのリスクとなると報告されています。胃がん全体での危険因子ではありますが、びまん性胃がんにおいても塩蔵食品については控えめにしましょう。
びまん型胃がんなりやすい人の特徴
家族歴
びまん性胃がんは、遺伝子変異の関与が考えられています。家族の中にびまん性胃がんと診断された方がいる場合、気を付けて胃がん検診などを若いうちから早めに受診することが重要です。また、胃がんの方が多く遺伝の関与が強く考えられる場合には、消化器内科で相談をしてみましょう。
大酒家
アルコール多飲はびまん性胃がんに限らず、胃がんの危険因子となります。一日平均日本酒1合未満(女性では半量)での適量でのアルコール摂取を心がけましょう。
喫煙者
喫煙は、胃がんのリスクとなっています。びまん性胃がんでもリスクであるかは、はっきりしていません。しかし、胃がんに限らず、さまざまながんの危険因子であり禁煙が勧められます。
「びまん型胃がん」についてよくある質問
ここまでびまん型胃がんを紹介しました。ここでは「びまん型胃がん」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
びまん性胃がん(スキルス胃がん)と遺伝性びまん性胃がんの違いについて教えてください。
和田 蔵人 医師
びまん性胃がん(スキルス胃がん)の中で、CDH1遺伝子の変異があり、常染色体優性遺伝され高率にびまん性胃がんを発症するものが遺伝性びまん性胃がんです。日本では少ないと考えられていますが、常染色体優性遺伝であるため、親がこの遺伝子を持つ場合、半数で発症するため注意が必要です。遺伝性びまん性胃がんでは、家族歴が非常に重要で、一度近親者(両親、兄弟、子供)または、二度近親者(祖父母、叔父・叔母、おい、めい、孫)にびまん性胃がんと診断された方が多くいる場合に疑われます。強く疑われる場合には遺伝学的検査を行いますが、まずは心配であれば消化器内科で相談をしましょう。
編集部まとめ びまん性胃がんは早期発見が大切。消化器内科で相談を
びまん性胃がんは、なかなか早期で診断されにくい病気です。家族歴などあり心配であれば、若いうちから検診を行ったり、消化器内科で相談をしてみることが大切です。早期での発見では予後は良いと言われていますが、なかなか早期での発見に至らないことが問題となっています。症状などから気になる事があれば消化器内科で相談しましょう。
「びまん型胃がん」と関連する病気
「びまん型胃がん」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
「びまん型胃がん」と関連する症状
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各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
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