「爪の形」がどのように変化したら「肺がん」を疑った方がいい?3つの特徴を医師が解説!

肺がんを発症すると爪の形はどのように変化する?メディカルドック監修医が解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
※この記事はメディカルドックにて『「肺がん」を発症すると「爪の形」はどのように変化する?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
羽田 裕司(医師)
名古屋市立大学医学部卒業。聖隷三方原病院呼吸器センター外科医長、名古屋市立大学呼吸器外科講師などを歴任し、2019年より現職。肺がんを始めとした呼吸器疾患に対する外科治療だけでなく、肺がんの術前術後の抗がん剤治療など全身化学療法も行う。医学博士。外科学会指導医/専門医、呼吸器外科学会専門医、呼吸器内視鏡学会指導医/専門医、呼吸器学会専門医。
目次 -INDEX-
「肺がん」とは?
肺がんとは、肺の細胞から発生する悪性腫瘍、つまりがんのことです。
肺がんは早期の段階では症状がない場合も多いですが、咳や痰、血痰、胸の痛みといった症状が知られています。また、肺がんの方では爪の形が変形するといった、胸以外の症状が現れる場合もあります。
肺がんを発症すると爪の形はどのように変化する?
肺がんになると、爪の形に変化が現れることがあります。これは「ばち状指」といい、指先がぷっくりと丸く膨らんで、爪が指先を包むように丸く反り返るように変化することです。血液の酸素が不足したときに起こる変化で、肺がんをはじめとする呼吸器や心臓の病気と関係があるといわれています。
ばち状指は肺がん患者の約5〜15%に見られるとされており、肺がん患者の全てに起こるわけではありません。
ここでは、ばち状指になると爪の形にどのような変化がみられるのか解説します。
指の先が太くなる
ばち状指では、指の先端が丸く膨らみ、爪が大きくなることが特徴です。指の先端がぷっくりとした見た目になり、通常の爪とは異なった形になります。
爪が反り返る
爪の根元からカーブが強くなり、ドーム状に盛り上がるようになります。そのため、爪を横から見ると、逆さまにしたスプーンのような外観になります。
シャムロスサイン(Schamroth’s sign)という兆候がみられる
ばち状指の特徴的なサインとして、「シャムロスサイン」があります。これは、両手の爪同士を向かい合わせたときに、通常見られるダイヤモンド型の隙間がなくなる現象のことです。ばち状指が進行すると、指と爪が密着し、隙間が完全になくなってしまいます。
爪の形が変化したら肺がんのステージ分類はいくつ?
肺がんは、他のがんと同様に、がんの大きさやリンパ節や他の臓器への転移の程度によってステージIからIVまで分類されています。
一方、ばち状指は、慢性的な低酸素血症によって起こるのではないかと考えられています。
そのため、ばち状指が見られる際には、肺がんのステージがIIIやIVに進行している可能性があります。
ばち状指があるからといって、必ず進行肺がんというわけではありません。ただし、進行がんで低酸素状態が持続するとばち状指が出現しやすくなるため、肺がんの進行の一つの指標になると言えるでしょう。
しかし、ばち状指は慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD)や特発性肺線維症などの肺疾患や、チアノーゼ性先天性心疾患、感染性心内膜炎などの心血管疾患でも生じることがあります。
「肺がんの爪の形」についてよくある質問
ここまで肺がんの爪の形などを紹介しました。ここでは「肺がんの爪の形」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
爪の状態で呼吸器系疾患を患っているかわかるのでしょうか?
羽田 裕司 医師
ばち状指があるからといって、必ず肺がんとは限りません。
例えば、肺膿瘍、気管支拡張症、嚢胞性線維症、特発性肺線維症、石綿肺などでもばち状指になることがあります。呼吸器系疾患以外にも、心臓や肝臓の病気などでばち状指が起こることもあります。
編集部まとめ
今回の記事では、肺がんによる爪の変化として、ばち状指というものについて解説しました。ばち状指は肺がん以外の疾患でもさまざまな病気で起こりえます。
爪の変化に気づいた際には、何らかの病気が隠れていることもあります。気になる症状がある場合には、医療機関の受診をおすすめします。
「肺がん」と関連する病気
「肺がん」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
肺がんと関連する病気には、これらのようなものがあります。咳や痰などの症状が続く場合には、医療機関を受診しましょう。
「肺がん」と関連する症状
「肺がん」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 咳
- 血が混じる咳
- 胸、背中、肩の痛み
- 突然起こる息切れ
- 声枯れまたは喘鳴
- 飲み込みにくくなる、または飲み込むときに痛みがある
- ばち状指(指先が丸く平たく変形すること)
- 原因不明の体重減少
- 疲労感や脱力感
- 食欲不振
肺がんと関連する症状には、上記のようなものがあります。呼吸器の症状以外にも、体の他に症状が現れることがあります。気になる症状がある場合には、医療機関を受診しましょう。