何がある人が「肺がんになりやすい人」かご存知ですか?【医師解説】

Medical DOC監修医が肺がんになりやすい人の特徴などを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「肺がんを疑う肩こりの特徴」はご存知ですか?初期症状も医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
後藤 秀人(後藤内科医院)
日本内科学会 総合内科専門医、日本呼吸器学会 専門医・指導医、日本アレルギー学会 専門医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医、インフェクションコントロールドクター(ICD)などの資格を有する。
目次 -INDEX-
「肺がん」とは?
肺は体に酸素を取り入れ、過剰となった二酸化炭素を外に出す役割を担っています。肺の気管支や肺胞ががん化したものが肺がんです。肺がんは初期では症状がみられないことも多いです。よく見られる症状としては、咳や痰、血痰、胸痛、息苦しさ、倦怠感などですが、肺がんは進行に伴い発生する部位によっていろいろな症状を認めることもあります。
肺がんになりやすい人の特徴
ここでは、肺がんの原因から肺がんになりやすい特徴についてまとめて解説をいたします。この特徴に当てはまる場合には、特に注意が必要です。初期では症状が出にくいため、健康診断などで定期的に肺がんが発生していないかをチェックすることが大切です。
タバコを吸う人、周囲に喫煙者がいる人
喫煙は最大の危険因子です。先に述べたように喫煙者、受動喫煙者共に肺がんのリスクが増えることが分かっています。タバコを吸う人はなるべく早めに禁煙することが自分にとっても、周囲の人にとっても肺がんの危険性を減らすことにつながります。
年齢
肺がんは、40代ごろより増えはじめ、50代以降で急激に罹患数が増加します。10万人当たり40代前半で男性は7.7人、女性は6.2人であったものが、50代後半で男性72.4人、女性37.6人まで増加します。年を取ることも、リスクの1つです。年を取ることは避けられません。初期では症状はないことも多く、40代以降では肺がん検診や健康診断で定期的なチェックをすることがとても大切です。
家族歴
肺がんの家族歴がある人では、家族歴がない人と比較して肺がんのなるリスクが2倍程度高くなることが分かっています。また、この傾向は女性の方がより顕著です。男性では1.7倍、女性では2.7倍のリスクの増加でした。肺がんの家族歴がある人、特に女性では注意が必要です。家族歴がある場合には、肺がん検診などでの定期的なチェックをすることをお勧めします。
「肺がんを疑う肩こりの特徴」についてよくある質問
ここまで肺がんを疑う肩こりの特徴などを紹介しました。ここでは「肺がんを疑う肩こりの特徴」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
肺がん以外で肩こりが出る場合、その他にどんな病気が考えられますか?
後藤 秀人 医師
むしろ肺がんで肩こりが出る場合の方が少数であると思います。通常は、無理な姿勢が続くことで、肩周囲の筋肉がこわばって硬くなり、血行不良が起こることで肩こりは起こります。最近は、長時間のデスクワークやパソコン、スマホの使い過ぎで肩や首に大きな負担がかかり、肩こりに悩んでいる方が多いです。肩こりもひどくなると、頭痛や吐き気などが起こることもあります。一番多いものはこのような肩周囲の筋肉の血行不良によるものです。しかし、このほかに、狭心症や心筋梗塞などで肩の辺りへの放散痛が起こり、これを肩の痛みと勘違いする方もいます。強い痛みが急に現れたり、マッサージなどでも改善しないような痛みが出たりする場合には、一度医療機関を受診することをお勧めします。
編集部まとめ
肺がんの症状はさまざまであり、なかなか決まった症状が起こるわけではありません。肺がんの症状として多いものは、咳、痰、血痰や胸痛などですが、そのほかの症状が起こることもあります。肩こりがなかなか治らない時、これが肺がんの症状であることも考えられます。たかが肩こりと思わず、肩こりが持続する場合やマッサージなどでなかなか改善がない、湿布や痛み止めが効かないような場合には、一度整形外科や内科を受診することをお勧めします。肩こりが肺がん発見のきっかけとなることもあります。是非、症状が持続する場合には、放置せずに相談をしてみましょう。
「肺がん」と関連する病気
「肺がん」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
呼吸器科の病気
- 閉塞性肺疾患
- 間質性肺炎
整形外科の病気
- 肩こり
- 肩関節周囲炎
肺がんで起こる症状に咳や痰、血痰、胸痛などがあります。また、肩に近い場合には肩の痛みの症状が起こることもあります。このように肺がんの症状は多彩であり、なかなか症状のみで区別をすることができません。症状が持続する場合や、強い症状がある場合には一度医療機関にかかり、相談をしましょう。
「肺がん」と関連する症状
「肺がん」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
肺がんの症状は上記の様に多彩です。また、他の病気でも同じような症状が起こるため、症状のみでは区別がつきません。気になる症状が持続する場合には、医療機関で相談をしてみましょう。