目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「乳がんが転移」するとどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師解説】

「乳がんが転移」するとどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師解説】

 公開日:2025/11/18

Medical DOC監修医が乳がんの局所再発・遠隔転移・転移した場合の症状などを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「乳がんが転移」するとどんな症状が現れるかご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

山田 美紀

監修医師
山田 美紀(医師)

プロフィールをもっと見る
慶應義塾大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、総合病院や大学病院にて形成外科、外科、乳腺外科の研鑽を積んできた。医学博士。日本外科学会 外科専門医、日本乳癌学会 乳腺認定医、検診マンモグラフィー読影認定医(A判定)の資格を有する。

「乳がん」とは?

乳がんとは乳腺に発生する悪性腫瘍です。がんの広がりが乳房や周囲のリンパ節のみであれば、手術で目に見えるがんを治療します。さらに、薬物治療や放射線治療によって再発を予防します。初期の段階から微小ながん細胞が身体のどこかに存在していることが乳がんの特徴です。微小ながん細胞が、治療をすり抜けて目に見える形で現れることを再発といいます。

乳がんの局所再発とは?

乳がんの局所再発とは治療後に手術した側の乳房、胸壁や皮膚に乳がんが発生することです。脇の下、鎖骨周囲、胸骨の横などの乳房周囲のリンパ節に乳癌が再発することを領域再発といいます。

乳がんの遠隔転移とは?

乳がんの遠隔転移とは乳房から離れた臓器や組織にがんが現れることです。乳がんは血液やリンパ液の流れに乗って、離れた場所に転移することがあります。乳がんが診断された時点で遠隔転移がある場合はステージ4です。

乳がん局所再発の主な症状

局所再発の症状についてご紹介します。

乳房や皮下のしこり

手術した側の乳房や皮下のしこりに気が付くことがあります。局所再発の可能性があるため、気が付いた場合は早めに乳腺科を受診しましょう。

皮膚の赤み

手術した側の皮膚におできのような赤みがあり、改善しない場合、局所再発の可能性があります。症状がある場合は、早めに乳腺科を受診しましょう。

リンパ節の腫れ

脇の下や鎖骨周囲のリンパ節の腫れに気が付くことがあります。症状がある場合は、早めに乳腺科を受診しましょう。

乳がん遠隔転移の主な症状

転移した場所によって、起こりうる症状はさまざまです。症状の程度も個人差があり、転移があるにもかかわらず、無症状のことがあります。

骨の痛み

骨に転移すると、転移した場所に痛みを感じることがあります。背骨や大腿骨に転移した場合は体重がかかるため、病的骨折を伴いやすく、強い痛みを感じることがあります。痛みが続く場合は、医療機関を受診しましょう。

長引く咳や息苦しさ

肺に転移すると、長引く咳や息苦しさが続くことがあります。症状がよくならない場合は、医療機関を受診しましょう。

お腹の張り

肝臓に転移しても、はじめは自覚症状がないことが多いです。進行すると、右側のお腹の張りを自覚することがあります。腹水がたまるとお腹が全体的に張ることがあります。症状が続く場合は、医療機関を受診しましょう。

頭痛やめまい

脳に転移があると、頭痛やめまいを自覚することがあります。また、嘔吐、麻痺やけいれんなどを伴うことがあります。症状がある場合は、医療機関を受診しましょう。

「乳がんの転移」についてよくある質問

ここまで乳がんの転移について紹介しました。ここでは「乳がんの転移」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

乳がんはどこの部位に転移しやすいですか?

山田 美紀山田 美紀 医師

乳がんは血液やリンパ液の流れに乗って転移します。転移しやすい部位として、リンパ節、骨、肺、肝臓、脳などがあげられます。

乳がんが転移した場合、手術はできないのでしょうか?

山田 美紀山田 美紀 医師

遠隔転移がある場合、基本的に手術はすすめられません。全身にがん細胞が潜んでいる状況のため、全身に効果のある薬物治療がすすめられます。例外として、全身状態が良ければ、転移を診断するための手術や症状を和らげるための手術を行うことがあります。

編集部まとめ

乳がんの再発には局所再発と遠隔転移があり、治療の方針が大きく異なります。局所再発は治癒を目指しますが、遠隔転移は、完治は難しく、がんの進行を抑え、症状を和らながら長期生存を目指します。再発がどうやってわかるのか、どんな治療を行うのか、不安に感じられると思います。気になる症状がある場合は、担当医や医療スタッフに相談しましょう。

「乳がんの転移」と関連する病気

「乳がんの転移」と関連する病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

脳神経科の病気

呼吸器科の病気

  • 肺腫瘍
  • 胸膜播種
  • 癌性胸水
  • 癌性リンパ管症

消化器科の病気

  • 肝腫瘍
  • 癌性腹水

病巣が単発である場合、乳がんの転移なのか、その部位から新たに発生した腫瘍なのかの区別が難しいことがあります。転移した部位の専門家と連携して検査や治療を行います。

「乳がんの転移」と関連する症状

「乳がんの転移」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 乳房や皮下のしこり
  • 皮膚の赤み
  • リンパ節の腫れ
  • 骨の痛み
  • 息苦しさや長引く咳
  • お腹の張り
  • 頭痛やめまい

乳がんが再発や転移した場所によって起きる症状は様々です。症状がなかなか改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師

注目記事