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「膵臓がんの前兆となる5つの初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2024/07/09
「膵臓がんの前兆となる初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

膵臓がんの初期症状とは?Medical DOC監修医が膵臓がんの初期症状・検査法・治療法・早期発見のポイントや何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「膵臓がんの前兆となる初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

飯田 綾子

監修医師
飯田 綾子(医師)

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2009年奈良県立医科大学卒業。大阪市立大学医学部附属病院で初期臨床研修後、大阪市立総合医療センター消化器内科レジデントを経て、大阪市立大学大学医学部附属病院肝胆膵内科で学位を取得。現在は患者さんの不安に寄り添い、何でも相談できるかかりつけ医を目指して、大阪市内のクリニックで高血圧や糖尿病など主に慢性疾患の外来や在宅診療を行っている。消化器病専門医、肝臓専門医、総合内科専門医、認定産業医の資格を有する。

「膵臓がん」とは?

膵臓は胃の後ろにある15cmほどの細長い形をした臓器で、主に、膵液と呼ばれる消化液や血糖値を下げるインスリンというホルモンを作る働きをします。膵液は膵管と呼ばれる管を通って十二指腸に流れていきます。「膵臓がん」は膵臓に発生する悪性の腫瘍で、90%以上が膵管に発生します。最も予後の悪いがんの一つと言われており、日本における膵臓がんの罹患者数、死亡者数は年々増加傾向で、年間3万人以上の方が亡くなっています。中~高齢者に多く、やや男性に多い傾向があります。喫煙、膵臓がんの家族歴、糖尿病や慢性膵炎などとの関連が指摘されています。今回はそんな膵臓がんの初期症状、検査法、治療法、早期発見のポイントをお話させていただきます。

膵臓がんの前兆となる初期症状

「膵臓がんは症状が出てからではもう手遅れ」と認識している方も多いと思います。実際、膵臓はがんが発生しても小さいうちは症状が出にくく、また健診などで行われる腹部超音波検査でも膵臓を細部まで観察することが難しいため、膵臓がんの早期の発見は簡単ではありません。
がんが進行するまで無症状のことも多い一方、「なんとなく胃の具合が悪い」といった腹部症状で、検査を進めていくと膵臓がんだったということもあります。
がんの症状はがんの発生する部位によっても異なります。膵臓がんの80%を占める膵頭部がんでは膵管や胆管の閉塞による腹痛や黄疸を認めますが、体尾部がんでは症状が出るまで時間がかかり、背中の痛みや体重減少などで進行した状態で発見されることもあります。

腹痛

腹痛やお腹の張りが出ることがあります。膵管にできたがんのために膵管が詰まると、膵液が流れず膵管内部の圧が高くなり膵管が拡張します。膵管内部の圧が高くなると膵臓に炎症が起こるため腹痛を起こすと考えられています。腹痛の原因は非常に多岐にわたるため、膵臓がんに特徴的というわけではないのですが、強い腹痛が持続して食事も摂れないようであれば、一度近くの内科を受診することをおすすめします。

黄疸

黄疸はがんにより胆汁の流れが妨げられるために起こります。白目の部分が黄色くなったり、尿の色が濃くなったりします。身体も黄色くなり、痒みも出てきます。膵臓がんのために黄疸が出ている場合は、すぐに胆汁を流れるようにする治療が必要になるので、消化器内科を受診してください。

背部痛

背部痛(背中の痛み)は特に膵体部、尾部のがんで認めることがあります。がんが周囲の神経を巻き込むために激しい痛みを引き起こします。膵臓の痛みは胸膝位といって、膝を曲げて腹ばいや屈みこむ姿勢をとると、痛みが和らぐという特徴があります。もしこのような痛みがあれば、膵臓がんに限らず膵臓が原因の痛みである可能性があるので、一度内科を受診し、血液検査をしてもらってください。

体重減少

がん全般に言えるのですが、がん細胞が作るサイトカインによって筋肉や脂肪が消耗されて体重減少をきたします。このような病態を悪液質と呼びます。また、膵臓のまわりには胃や十二指腸、大腸といった消化管があり、膵臓がんがまわりの消化管を圧迫するために食事がとれず体重減少を起こすこともあります。さらに、がんのために膵液がうまく流れなくなり、食べたものをうまく消化吸収することができないことも体重減少の原因となります。特にダイエットをしている訳ではないのに半年で体重が5%以上減少する場合は、一度内科を受診することをおすすめします。

糖尿病

急に糖尿病を発症したり、もともとあった糖尿病が急に悪くなったりすることがあります。膵臓は血糖値を下げるインスリンというホルモンを分泌しています。膵臓がんにより膵臓の機能が落ちると、インスリンの分泌量が低下し、糖尿病の悪化を引き起こします。糖尿病の症状としては多飲多尿、口渇、体重減少などがあります。このような症状が続く方は早めに内科を受診してください。

「膵臓がんの初期症状」についてよくある質問

ここまで膵臓がんの初期症状を紹介しました。ここでは「膵臓がんの初期症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

膵臓がんを疑う初期症状が現れた場合、背中のどの辺りが痛みますか?

飯田 綾子飯田 綾子 医師

膵臓は胃の後ろから身体の左側に伸びる臓器です。膵臓がんの痛みは腰の上あたりから、正中左側にみられます。

膵臓がんを発症すると尿にどんな特徴が現れますか?

飯田 綾子飯田 綾子 医師

膵頭部がんで胆汁の流れが妨げられた場合、尿の色は濃くなります。

編集部まとめ

膵臓がんは、初期症状の出にくい病気です。だからこそ、自分のリスクを把握して、少しでも早期発見できるように定期的な健診や診察をうけることが大切です。
また、日常生活で、持続する腹痛やお腹の張り、黄疸、背中の強い痛み、体重減少、急な口渇などの症状を認めた場合は、まずは近くの内科を受診することをおすすめします。血液検査である程度分かることがあります。気になる症状を放って置かないようにしましょう。

「膵臓がんの初期症状」と関連する病気

「膵臓がんの初期症状」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

泌尿器科の病気

「膵臓がんの初期症状」と同様の症状が出た場合、上記の病気の可能性もあります。原因により治療法も変わってくるので、症状が出た場合は早めに内科を受診してください

「膵臓がんの初期症状」と関連する症状

「膵臓がんの初期症状」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

上記の症状がある場合、膵臓がんが隠れている可能性があります。症状が複数見られたり、長引く場合は内科を受診してください。

この記事の監修医師