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「大腸ポリープができやすい人」の3つの特徴はご存知ですか?【医師解説】

 公開日:2025/11/05
大腸ポリープができやすい人の特徴とは?メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「大腸ポリープができやすい人」の特徴や食生活はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

飯田 綾子

監修医師
飯田 綾子(医師)

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2009年奈良県立医科大学卒業。大阪市立大学医学部附属病院で初期臨床研修後、大阪市立総合医療センター消化器内科レジデントを経て、大阪市立大学大学医学部附属病院肝胆膵内科で学位を取得。現在は患者さんの不安に寄り添い、何でも相談できるかかりつけ医を目指して、大阪市内のクリニックで高血圧や糖尿病など主に慢性疾患の外来や在宅診療を行っている。消化器病専門医、肝臓専門医、総合内科専門医、認定産業医の資格を有する。

「大腸ポリープ」とは?

大腸ポリープという言葉を聞いたことがある方は多いかと思います。では大腸ポリープは実際どういったものか、またその背景について詳しく解説いたします。

大腸ポリープの種類

大腸ポリープの定義は、「大腸の内腔に向かって限局性に隆起する病変で、組織学的に良性悪性は問わない」とされています。簡単にいうと、良性悪性関係なく、大腸の内側に向かって盛り上がったもの、ということになります。 その上でこれから紹介するように、腫瘍性ポリープ・非腫瘍性ポリープという分類に分かれていきます。

腫瘍性ポリープ

腫瘍性ポリープには、大腸がんや大腸腺腫が含まれます。悪性のものが大腸がん、良性のものが大腸腺腫になります。大腸がんはもちろん早期の治療が必要ですが、大腸腺腫は良性と言っても、大腸がんの前癌病変であり、大きくなるにつれてがん化する確率が上がってくるため、早期の治療が必要です。 無症状であることが多く、健康診断などの便潜血検査で指摘された方が下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)をした際に見つかることが多いです。

非腫瘍性ポリープ

非腫瘍性ポリープは、正常細胞の過剰増殖、炎症反応や加齢などによって生じたものが含まれます。 分類としては過誤腫性ポリープ、炎症性ポリープ、過形成性ポリープに分かれます。 過誤腫性ポリープにはさらに若年性ポリープ、Peutz-Jeghers 型ポリープという分類があります。前者は幼少期〜成人に見られ、後者はPeutz-Jeghers 症候群でみられるポリープと 同様のポリープが見られるもの、とされています。 炎症性ポリープは、潰瘍性大腸炎やクローン病、腸結核などの炎症性腸疾患に伴ってみられるものになります。過形成性ポリープは上皮の過剰増殖によって起こります。 非腫瘍性ポリープはいずれも、がん化の可能性は腫瘍性ポリープに比べて低く、基本的には経過観察で良いとされていますが、出血や腸重積などの症状が出現する場合は治療対象となります。

大腸ポリープができやすい人の特徴

大腸ポリープは遺伝子の異常が原因となって引き起こされるものですが、その過程でさまざまな要因が関わっています。 大腸ポリープの中でも、とりわけ大腸がんに関しては研究が進んでおり、現時点で判明しているリスク因子について解説いたします。

年齢

大腸がんの危険因子として、まず一つ目に年齢が挙げられます。大腸がんの罹患率は40歳以上から年齢を重ねるにつれて、上昇傾向になります。 また男性の方が女性より罹患率、死亡率ともに2倍ほど高いことがわかっています。 ガイドライン上では50歳以上がリスク因子となっていますが、わが国の年齢階級別の罹患率調査では40歳からすでに増加していることから、40歳以上の方に年に1回の大腸がん検診が推奨されています。

喫煙

大腸がんの危険因子として、喫煙もあげられます。喫煙者はそうでない人に比べて大腸がんの発生率が1.4倍高いという結果が出ています。また、禁煙した人でも、そもそも吸っていない人に比べて1.3倍高いという結果でした。 大腸ポリープの予防という観点では、そもそもタバコを吸わない、吸っているなら禁煙することをお勧めいたします。

家族歴

家族歴があるかどうか、というのもリスク因子の一つです。家族歴とは、血のつながった両親や兄妹、親族にどのような病気があるか、というものです。 大腸ポリープのうち、大腸がんは家族歴がリスク因子とされています。 また大腸がん以外でも、家族性の病気として、家族性大腸腺腫症、Peutz-Jeghers病、Cowden病、multiple lymphomatous polyposis、lipomatosisなどがあります。 ご自身の親類縁者で同様のポリープの指摘をされている場合は、注意が必要です。

「大腸ポリープができやすい人」についてよくある質問

ここまで大腸ポリープができやすい人の特徴などを紹介しました。ここでは「大腸ポリープができやすい人」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

大腸ポリープができるのは体質と関係ありますか?

飯田 綾子飯田 綾子 医師

生まれながら家族性に大腸ポリープができやすい人はおられます。親類縁者にそういった方がおられるかどうかが重要です。

女性で大腸ポリープができやすい人の特徴を教えてください。

飯田 綾子飯田 綾子 医師

大腸ポリープ、特に大腸がんは男性の方が多いとされていますが、女性でもなり得る病気です。(女性のがん死亡原因の1位は大腸がんです。) 女性で大腸ポリープができやすい人となるとこれまでご紹介した生活習慣に該当する方です。すなわち喫煙者、高齢(50歳以上)、家族歴がある、赤身肉・加工肉の過剰摂取、アルコールの大量摂取などが該当します。

編集部まとめ

今回は大腸ポリープができやすい人というテーマで解説いたしました。早期発見には定期的な検査が重要ですが、そもそもの予防として生活習慣から取り組めることも数多くあります。 日頃から意識して、大腸ポリープの予防に努めましょう。

「大腸ポリープができやすい人」と関連する病気

「大腸ポリープができやすい人」と関連する病気は10個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

大腸ポリープと関連する病気は上記が挙げられます。いずれも大腸ポリープが出現する病気です。どれも症状から診断することはできず、下部消化管内視鏡検査で調べる必要があります。便潜血検査で引っかかったり、50歳以上と年齢を重ねてきた場合は、一度検査を検討してください。

「大腸ポリープができやすい人」と関連する症状

「大腸ポリープができやすい人」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 便に血が混じる
  • 腹が張ったように感じる
大腸ポリープは無症状でなかなか気づかないことが特徴的ですが、巨大なポリープや出血を起こしている場合は上記の症状が出現することがあります。 複数認めたり、症状が長引く場合は、一度医療機関を受診しましょう。

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