目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「悪性リンパ腫の初期症状」はご存知ですか?医師が解説!

「悪性リンパ腫の初期症状」はご存知ですか?医師が解説!

 公開日:2025/12/08

悪性リンパ腫の初期症状とは?メディカルドック監修医が解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はメディカルドックにて『「悪性リンパ腫の症状」はご存知ですか?初期症状・末期症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修

「悪性リンパ腫」とは?

悪性リンパ腫は白血球ががん化することにより生じる血液がんの一種で、具体的にはリンパ球というタイプの白血球が異常増殖する病気です。このがんは、リンパ節だけでなく、脾臓(ひぞう)や骨髄、さらには他の臓器にも影響を及ぼす可能性があります。悪性リンパ腫は、100種類以上の病型(病気のタイプ)があると言われており、その中でも特に一般的なのが非ホジキンリンパ腫で、日本人患者の90%以上がこのタイプです。非ホジキンリンパ腫の中でさらにさまざまな亜種が存在し、それぞれに独自の特徴と治療法があります。

悪性リンパ腫の初期症状

リンパ節の腫れ

悪性リンパ腫ではがん化したリンパ球がリンパ節内で異常に増殖することでリンパ節が腫れます。この症状は首、脇の下、鼠径部(太ももの付け根)などのリンパ節が大きく腫れることが特徴で、触ると痛みはなく硬いものが触れます。リンパ節腫脹は悪性リンパ腫の典型的な初期症状であり、画像診断の際にも重要な情報となります。この腫脹したリンパ節を丸ごと、もしくは一部を取り出して、その組織の種類から確定診断を行います。
リンパ節腫脹に対する治療は化学療法や放射線療法など悪性リンパ腫そのものの治療です。リンパ節のサイズが小さくなることが治療が効いているかの参考となります。

全身倦怠感

悪性リンパ腫では全身倦怠感が発生することがあります。発熱やリンパ節の腫れに気づかない場合は、なんとなくだるさがずっと抜けないことで病院を受診し、悪性リンパ腫だと判明するケースもあります。
この倦怠感は、がん細胞が正常な細胞の機能を阻害することや、がん細胞によってエネルギー消費が増加することで生じると考えられています。加えて、悪性リンパ腫は赤血球の産生を妨げることがあり、これが貧血を引き起こし、貧血の症状としての倦怠感や疲労感、めまい、立ちくらみを起こします。
全身倦怠感に対する特定の治療はありません。むしろ、悪性リンパ腫に対する抗がん剤治療によって全身倦怠感が増悪することもあるため、しんどい時には安静にする他ありません。

「悪性リンパ腫の症状」についてよくある質問

ここまで悪性リンパ腫の症状などを紹介しました。ここでは「悪性リンパ腫の症状」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

悪性リンパ腫を発症すると皮膚や首にどんな症状が現れますか?

今村 英利今村 英利 医師

悪性リンパ腫を発症すると皮膚に赤みを帯びた発疹や小さなしこり(皮膚リンパ腫)が現れることがあります。また、首のリンパ節が腫脹し、しこりとして感じることがあります。これらのしこりは痛みを伴わないことが一般的ですが、皮膚がかゆくなったり、触ると痛みを感じたりすることもあります。

眼内悪性リンパ腫を疑う目の症状を教えてください。

今村 英利今村 英利 医師

眼内悪性リンパ腫は視力低下、目の痛み、充血、硝子体混濁による目のかすみなどの症状が現れることがあります。これらの症状は、がん細胞が眼内に侵入し、眼の構造に影響を及ぼしている場合に起こり得ます。
眼内悪性リンパ腫は脳へ容易に転移するため、眼の病気の中でも最も生命予後の悪い病気とされています。これらの症状が現れた場合、早急に眼科医の診察を受けることが重要です。

編集部まとめ

悪性リンパ腫に関連する症状は多岐にわたります。もし上述のような症状が見られる場合、それは悪性リンパ腫の可能性を示唆しているかもしれません。しかし、これら一つ一つの症状は他の疾患でも見られるため、まずはかかりつけの内科を受診し相談してみましょう。一般的な検査ではよく分からないものの症状が良くならない場合は血液内科への受診も検討してみてください。

「悪性リンパ腫の症状」と関連する病気

「悪性リンパ腫の症状」と関連する病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

感染症科の病気

  • 風邪(一般的なウィルス感染)
  • HIV/AIDS
  • 結核
  • サイトメガロウイルス感染症

腫瘍性疾患の病気

その他の病気

発熱やリンパ節の腫れは風邪でも起こりうる一般的な症状です。発熱を繰り返す場合や、リンパ節の腫れが長期に渡って続く、もしくは悪くなる場合には、悪性リンパ腫の可能性があります。

「悪性リンパ腫の症状」と関連する症状

「悪性リンパ腫の症状」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • リンパ節の腫脹(首、脇の下、鼠径部など)
  • 夜間の寝汗
  • 体重減少
  • 息切れ
  • 腹部の膨満感(脾腫や肝腫による)
  • 食欲不振

これらの症状は悪性リンパ腫や白血病、EBウィルス感染などで生じる可能性があります。B症状と呼ばれる発熱、体重減少、大量の寝汗がある場合はただちに血液内科を受診してください。

この記事の監修