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「肺がん」が1ヶ月進行すると”どこに転移”しやすい?転移後の症状も医師が解説!

 公開日:2026/04/25
「肺がん」が1ヶ月進行すると"どこに転移"しやすい?転移後の症状も医師が解説!

肺がんが1ヶ月進行するとどこに転移しやすいのでしょうか。メディカルドック監修医が肺がんの転移しやすい部位などを解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「肺がんが1ヶ月進行」するとどんな症状が現れる?転移しやすい部位も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

羽田 裕司

監修医師
羽田 裕司(医師)

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(名古屋市立大学医学部附属西部医療センター 呼吸器外科 部長/教授(診療担当))

名古屋市立大学医学部卒業。聖隷三方原病院呼吸器センター外科医長、名古屋市立大学呼吸器外科講師などを歴任し、2019年より現職。肺がんを始めとした呼吸器疾患に対する外科治療だけでなく、肺がんの術前術後の抗がん剤治療など全身化学療法も行う。医学博士。外科学会指導医/専門医、呼吸器外科学会専門医、呼吸器内視鏡学会指導医/専門医、呼吸器学会専門医。

「肺がん」とは?

肺がんは、肺を構成している肺胞(はいほう)や肺胞まで空気を送り届けるための道である気管支などから生じる悪性の腫瘍(できもの)のことです。
肺がんにはいくつかの種類があり、小細胞肺がんと、腺がんや扁平上皮癌といった非小細胞肺がんに大きく分けられます。
肺がんは、初期の段階ではほとんど症状が現れない場合もあります。しかし、進行するにしたがって咳や痰、血痰などの症状がみられるようになります。

そもそも肺がんの進行速度は早いの?

肺がんの進行速度は、がんの種類や発見された時点でのステージ、患者さんの状態などによっても異なります。
がんの種類に着目すると、小細胞肺がん、扁平上皮がん、腺がんの順で、肺がんの増殖スピードが速い傾向がみられるとされています。
傾向をみるにあたって、原発性肺がんの患者さん約2,300人を対象にした研究の結果を紹介します。この研究では、肺がんが2倍の体積になるまでの時間の中央値は139〜357日であり、平均では213日だったと報告されています。つまり、肺がん全体として、半年程度で2倍の大きさになることが多い、ともいえるでしょう。

肺がんが1ヶ月進行するとどこに転移しやすい?

肺がんが進行すると、リンパの流れに乗って、あるいは血液の流れによって他の部分にも転移しやすくなります。
リンパ節への転移の場合、まずは肺がん病変に近い、肺門のリンパ節や縦隔のリンパ節から、そして反対側のリンパ節にまで広がります。
以下では、リンパ節以外での、肺がんが転移しやすい臓器について解説します。

脳は、肺がんの転移部位として多くみられる臓器です。
肺がんのなかでも、特に小細胞肺がんでは脳転移などの中枢神経系への転移が多いです。
患者さんの約10%は診断された際にすでに脳転移を有し、3分の1以上の方は肺がんの経過中に脳転移を発症するとされています。
脳のなかで大きくなった肺がんの転移巣が、頭蓋内圧を高め、頭痛や吐き気、視覚や精神状態の変化をもたらします。また、脳卒中でみられるような手足の麻痺やろれつ困難などの症状が現れる場合もあります。けいれん発作を起こす方もいます。
肺がんの脳転移に対する治療には、薬物療法や手術、放射線治療などがあります。
肺がんと診断されている場合でも、そうでない場合でも、これらのような症状があるときには一度脳神経内科を受診するようにしましょう。

肺がんは血液の流れを介し、全身の骨に転移することがあります。扁平上皮がんや腺がんなどの非小細胞肺がんでは、患者さんの30〜40%の方で骨転移を発症するという報告もあります。
肺がんの骨転移は、脊椎や肋骨、骨盤、四肢の骨など多彩な部位に生じえます。
骨転移が起こると、それ自体の痛みや骨関連事象(Skeletal Related Events;SRE)が引き起こされるケースがあります。SREは、骨転移によって発生する、骨折や麻痺、高カルシウム血症などを指します。
症状がある骨転移に対しては、放射線治療が選択されます。病的な骨折の危険性が高いと考えられる骨転移や、脊椎への転移によって脊髄が圧迫される可能性がある場合には、外科的な治療が考慮されます。また、SREの抑制のために、骨修飾薬による治療も推奨されています。

肝臓

肺がんは肝臓にも転移する場合があります。すると、肝機能が悪化することや、身体の白目や皮膚が黄色くなるような黄疸などの症状が現れます。
肺がんが肝臓に転移した際の治療としては、全身化学療法が一般的と考えられます。局所症状の緩和目的で、放射線治療が選択されるケースもあります

「肺がんの1ヶ月の進行速度」についてよくある質問

ここまで肺がんの1ヶ月の進行速度などを紹介しました。ここでは「肺がんの1ヶ月の進行速度」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

肺がんは一年でどれくらい進行しますか?

羽田 裕司羽田 裕司 医師

肺がんが2倍の体積になるまでの時間の中央値は400日以下であったという報告もあります。しかし、肺がんが1年でどれくらい進行するのかは、肺がんのタイプやステージ、患者さんの状態によっても違いがあります。

まとめ

今回の記事では、肺がんがどれくらいのスピードで進行するのか、どの部位に転移しやすいのかなどについて解説しました。
肺がんの増殖の速さは一概にはいえませんが、現時点では1年に1回の肺がん検診を受けることで早期発見につながると考えられています。

肺がんの大きなリスク要因の一つに喫煙があります。まずはタバコを吸わない、またはやめて、定期的ながん検診を受けるようにしましょう。
そして、気になる症状があれば、医療機関を受診するようにしましょう。

「肺がん」と関連する病気

「肺がん」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

呼吸器系

肺がんと関連する病気には、これらのようなものがあります。咳や痰などの症状が続く場合には、医療機関を受診しましょう。

「肺がん」と関連する症状

「肺がん」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 血が混じる咳
  • 胸、背中、肩の痛み
  • 突然起こる息切れ
  • 声枯れまたは喘鳴
  • 飲み込みにくくなる、または飲み込むときに痛みがある
  • ばち状指(指先が丸く平たく変形すること)
  • 原因不明の体重減少
  • 疲労感や脱力感
  • 食欲不振

肺がんと関連する症状には、上記のようなものがあります。呼吸器の症状以外にも、体の他に症状が現れることがあります。気になる症状がある場合には、医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師

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