「抗がん剤投与期間」が長くなりやすい病気はご存知ですか?【医師解説】

抗がん剤投与期間が長くなりやすい病気とは?メディカルドック監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「抗がん剤のクール」とは?抗がん剤投与が長くなりやすい病気も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
横田 小百合(医師)
都内の大学病院・がんセンターにてがん治療と緩和ケア診療に従事。現在はがん専門病院にて緩和ケア診療を行っている。
保有資格:医師、がん治療認定医、総合内科専門医、日本緩和医療学会認定医
目次 -INDEX-
「抗がん剤」とは?
抗がん剤は、がん細胞の増殖・進行を防いで死滅に導くための薬剤です。抗がん剤を使用した治療は化学療法とも呼ばれ、外科手術・放射線治療と並ぶがんの主な治療法のひとつです。また、がん治療はこれらの治療を組み合わせることが多いです。
抗がん剤のみで完治を目指す場合もありますが、手術前に病巣を小さくする目的で抗がん剤を使用したり、術後の転移・再発を防ぐ目的で抗がん剤を使用したりするなど、補助的な役割で用いられることも多くあります。
抗がん剤投与期間が長くなりやすい病気・疾患
乳がん
乳がんは進行がゆっくりであることも多く、抗がん剤の投与期間が長くなる場合があります。
ホルモン受容体陽性のタイプは、術後の補助療法が10年間推奨されています。
前立腺がん
前立腺がんでは、抗がん剤の投与期間が長くなることも多いです。
前立腺がんは、進行がゆっくりであることが多く、経過観察やホルモン療法などを数十年続けることがあります。
肺がん
肺がんの種類によっては抗がん剤の治療期間が長期になります。
肺がんの中でも分子標的薬治療が効果的なタイプは、副作用がほかの抗がん剤と比べて少なめなこともあり、何年も続けることがあります。
血液がん
血液がんでは、抗がん剤の治療期間が長期になる事が少なくありません。
濾胞性リンパ腫(FL)や慢性リンパ性白血病(CLL)など急性経過でない血液がんは、無治療経過観察期間が年単位であることが多く、治療開始となっても病状を長く安定させることを目的とした治療が長く続くことがあります。
「抗がん剤のクール」についてよくある質問
ここまで抗がん剤のクールについてなどを紹介しました。ここでは「抗がん剤のクール」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
抗がん剤投与は何クール目が身体面で苦しいのでしょうか?
横田 小百合 医師
レジメンごとの違いや副作用の出かたに個人差があるため、一概には言えません。新しいレジメンを開始して投与のたびにダメージがどんどん蓄積してきますので、初回よりも3~5クール目ごろからは感染症にかかって高熱が出たり、貧血が進んでだるさがふえたりと、副作用も重くなってきがちといえるでしょう。苦しい症状が出てしまったら、次のクールから抗がん剤の投与量を減らすなども考慮されます。クール数を重ねるごとに本人が治療の体調の変化に慣れてきて、日常生活が送りやすく感じる方もいて感じ方は様々です。
まとめ 抗がん剤についての疑問は、そのままにせず担当医へ相談しよう
抗がん剤治療は決まったレジメンに沿って行われます。レジメンのクール数はがんの種類や拡がりによって決まります。がんを抑えることが目的ですが、1クールごとに抗がん剤投与と休薬を繰り返すごとに副作用が目立ってくることもあります。つらい症状は我慢せずに医療スタッフに相談してください。支持療法の追加や抗がん剤の減量でつらさを軽減できるかもしれません。また、つらい症状を我慢しながら治療を続けることがベストとも限らないので、どのように過ごしていきたいのかを考えながら、それを叶えるための適切な治療方法を家族や医療従事者と相談しながら決めていきましょう。
「抗がん剤」と関連する病気
「抗がん剤」と関連する病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
循環器の病気
- 心毒性
呼吸器の病気
- 間質性肺炎
血液の病気
- 骨髄抑制
- 貧血
- 白血球減少
- 血小板減少
消化器の病気
- 肝機能障害
腎泌尿器の病気
- 腎機能障害
その他の病気
- アレルギー
- 化学療法誘発性末梢神経障害
抗がん剤治療中に現れる上記の疾患は、抗がん剤の副作用である可能性があります。
もしも上記の疾患の受診先とがん治療の病院が違う場合には、必ず抗がん剤治療中であることを医師に伝えてください。
「抗がん剤」と関連する症状
「抗がん剤」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
抗がん剤治療中に現れる上記の症状は、抗がん剤の副作用である可能性があります。症状が強い場合は、早めに主治医に報告し、治療計画を相談しましょう。
参考文献