「喉頭がん」の治療で”声”は残せる?3つの方法と早期発見の検査を医師が解説!

喉頭がんの治療法や診断方法はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が喉頭がんの治療法と診断について解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はメディカルドックにて『「喉頭がんの原因」はご存知ですか?症状や治療法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
渡邊 雄介(医師)
国際医療福祉大学 教授
山王メディカルセンター副院長
東京ボイスセンターセンター長
目次 -INDEX-
喉頭がんとは?
喉頭がんとは喉頭(こうとう)に発生するがんです。頭頸部がんの1つで、発生するがんの種類のほとんどは扁平上皮がんです。
発生する場所で声門がん・声門上部がん・声門下部がんの3つに分けられます。
声門がんは3つのがんの中で発症率が高く、全体の約70%を占めています。次が声門上部がんの25%、声門下部がんの5%です。
声門がんは頭頸部の他の部位のがんと比べると、転移する確率は低いです。
しかし声門上部がん・声門下部がんはリンパ節に転移しやすいという特徴があります。周辺にあるリンパ液の流れが豊富なためです。
喉頭がんの治療法
声帯は発声や嚥下といった重要な役割を持っているため、治療法は極力声帯を温存する形がとられます。
しかしがんの進行度・大きさ・位置などによっては、放射線治療や化学療法では対応できない場合があります。そうした場合は手術を行い、がんを切除する治療が必要です。
喉頭機能を温存させる治療
喉頭がんは声帯の周辺に発生するがんです。声帯は発声のために必要であることに加えて、嚥下の際に肺にものが入らないよう気道をふさぐ役割も持っています。
そのため、がんを治療すると同時に喉頭の機能を維持することが治療の理想となります。そのため、可能であれば、声帯への影響を最小限に抑えられる放射線治療や薬物治療で寛解を目指すのが理想です。
手術
放射線治療や薬物治療で充分な効果が見込めない場合は、手術で声帯を切除する喉頭部切術や喉頭全摘術で治療を行います。早期がんの場合は主に喉頭部切術を行います。
喉頭部切術は声帯の一部のみを切除する手術で、声の質は変わりますが発声機能そのものは残すことが可能です。
頭全摘術は喉頭部切術で対応できない大きさのがんや、進行したがんに対して行われます。声帯を含め喉頭の大部分を切除するため、発声機能が失われます。
放射線治療
早期がんの場合、声帯を温存するために基本的には放射線治療が選択されます。
I期の場合は30〜33回、II期以上の場合は35回、いずれも1日1回の治療を6〜7週間にわたって受けることでがんを治療します。治療強度変調放射線治療(IMRT)という方法をとることもあり、これは正常な細胞への照射を最低限にして副作用を軽減することが可能です。
また、放射線治療と並行して薬物治療が行われることもあります。
いずれも声帯を残すことが可能ですが、体に負担のかかる治療法ですので、医師と相談し体調に合った治療を行うことが重要です。
喉頭がんの診断はどのように行われる?
これまで喉頭がんの症状・治療法について解説してきました。ここからは喉頭がんの診察がどのように行われるかについて解説していきます。
喉頭がんは声帯周辺に発生し、発声部位によっては発見が遅くなりやすいといえます。そのため自覚症状が現れた場合はできるだけ早く検査を受け、治療を行いましょう。
内視鏡検査(喉頭ファイバースコープ検査)
喉頭がんが疑われる場合、まず行われることが多いのが内視鏡検査(喉頭ファイバースコープ検査)です。腫瘍の大きさ・声帯の動き・気道狭窄の有無などを確認します。
喉頭がんは別の部位に重複がんが発生することの多いがんのため、同時に胃カメラで胃や食道にがんの発生がないかを調べることもあります。
内視鏡検査(喉頭ファイバースコープ検査)は医院によっては即日検査も可能なため、内視鏡検査(喉頭ファイバースコープ検査)を行っている医院に確認してみましょう。
病変を採取し病理検査
内視鏡検査で腫瘍が認められた場合、生検を行います。内視鏡などで確認しながらがんの一部を採取し、病理検査を行うのです。
採取の際には可能であれば局所麻酔を用いますが、難しい場合は全身麻酔が行われます。病理検査は病理専門の医師が顕微鏡で観察し、診断を行います。がんの種類を詳しく特定することで、その後の治療を効果的に進めることが可能です。
CTやMRIを行ない詳しく調べる
がんが認められた場合は、CTやMRIを用いてさらに詳しい検査を行います。CT・MRIはどちらも体の断面を撮影できる機器です。
CTはX線を用いて撮影を行い、造影剤を併用することでがんの広がりや浸潤などをより正確に確認できます。MRIでは強力な磁石と電波を使って撮影することで、CTよりもがん組織と正常組織の違いをわかりやすく確認することが可能です。
いずれの方法も、がんの深さ・広がり・リンパ節や他の臓器への転移を確認することができ、効果的な治療に役立ちます。
喉頭がんについてよくある質問
ここまで喉頭がんの原因を紹介しました。ここでは「喉頭がん」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
咽頭がんとの違いはなんですか?
渡邊 雄介(医師)
喉頭を全摘出した後にできることは?
渡邊 雄介(医師)
食べ物が気管に入りにくくなるため、誤嚥の心配が少なくなります。また筆談や食道発声の訓練を行えば、周りとコミュニケーションができるでしょう。
編集部まとめ
今回は喉頭がんについて解説してきました。発生個所によって初期症状が異なり、治療方針にも違いがあります。
喉頭部は、発声や食事など、日常生活において重要なさまざまな機能が備わっている部分です。なるべく外科治療による影響を与えないことが、治療において重要となってきます。
そのためには、早期発見が非常に重要です。
声や喉の不調が長く続く場合は、耳鼻咽喉科などで検査を受けることが早期発見のポイントです。声の調子がおかしい・喉の違和感や痛みが長く続くなどの異常を感じたら、検査を受けることを検討してみましょう。
喉頭がんと関連する病気
「喉頭がん」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
喉頭がんは重複がんが発生しやすく、アルコール・喫煙習慣が発症リスクを高めると考えられています。過度なアルコールの摂取・喫煙は注意が必要です。
喉頭がんと関連する症状
「喉頭がん」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 喘鳴
- 血痰
- 嗄声
- 嚥下時痛
- 呼吸困難
喉頭がんは発生個所によってさまざまな症状を引き起こします。そのため症状だけでは喉頭がんと結びつかないことも珍しくありません。
違和感を覚えたときは速やかに検査を受け、早期発見に努めましょう。




