なかなか寝付けない… 更年期の睡眠障害の種類や特徴とは?【看護師解説】
更年期を迎える女性の中には、寝つきが悪くなったり、途中で目が覚めたりする睡眠の問題に悩む方が多いようです。これらは「不眠症」の特徴とされ、ホルモンバランスの変化が関与している可能性があります。更年期と睡眠障害の関係について看護師の安倍さんに解説していただきました。
監修看護師:
安部 直子(看護師)
編集部
更年期を迎えるとなかなか寝つけないということを聞きますが、これは不眠症でしょうか?
安部さん
・入眠困難:寝つきが悪い
・中途覚醒:途中で何度も目が覚める
・早朝覚醒:早朝に目覚める
なお、以前は「熟眠障害」も含まれていましたが、主観的で評価が難しいため、最新の分類には入っていません。
編集部
睡眠障害をおこすと体に影響がありますか?
安部さん
頭痛や肩こりなどのほかに、食欲が増すこともあります。睡眠不足は食欲を抑えるホルモンのレプチンを減少させ、食欲を高めるホルモンのグレリンの分泌を亢進させます。慢性的な寝不足状態になると糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病にもなりやすいことが明らかになっています。
編集部
更年期で注意した方がいい睡眠障害はありますか?
安部さん
閉経前後の10年を更年期といい、この期間は女性ホルモンの分泌が低下します。女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンは鎮静作用や呼吸促進作用があり、欠乏すると不眠障害や睡眠時無呼吸症候群になるリスクを高めます。「睡眠時無呼吸症候群」は肥満気味の中年男性に多いイメージがありますが、更年期の女性も注意した方がよいでしょう。
※この記事はメディカルドックにて【「なかなか寝付けない..」更年期の睡眠障害、どうすればいい? 看護師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。