糖尿病患者が自分で血圧や体重を測定するときの注意点 数値が悪くても…
生活習慣の改善や運動療法に取り組む際には、測定方法や記録の工夫が成功の鍵となります。血圧や体重、血糖値は1日の中で大きく変動するため、測定のタイミングや条件を統一することが重要です。また、頑張りすぎず、自分に合ったペースで取り組むことが継続のポイントです。この記事では、正しい測定方法や医療従事者との連携方法を理学療法士の相澤さんが解説します。
監修理学療法士:
相澤 郁也(理学療法士)
編集部
日常的な生活習慣の改善に取り組むにあたって、気をつけた方がいいことはありますか?
相澤さん
生活習慣の改善に取り組むにあたって注意したいのが、「測定方法」です。血糖や血圧、体重といった指標は1日の中でも大きく変わる指標です。そのため、生活習慣は改善されていても測定の方法次第では、測定値が正確ではない場合もあります。それを知らずに測定をして悪い結果が出たときに、「せっかく頑張ったのに、意味がないんじゃないか……」と落ち込まないよう注意が必要です。
編集部
血圧を測る際のポイントはありますか?
相澤さん
血圧は起床時と就寝時に測定して、朝は起床後1時間以内に排尿を済ませ、座ってから1~2分後の食前に2回測定、夜は就寝前に座ってから1~2分後に2回測定することが勧められています。
編集部
体重を測る際のポイントはありますか?
相澤さん
体重も体の中のもの(食事や便など)に左右される指標のため、「起床してトイレに行き、食事をする前」や「布団に入る前」など、測定のタイミングを決めておきましょう。また、血糖値は食事・服薬・運動によって左右されるため、結果を比較するときには比較的近い条件の結果で比較してください。例えば、昼食後2時間後の結果を比べたい場合には、数日前の昼食後2時間で同じような食事のメニューのときと比べましょう。
編集部
運動療法と同時に生活習慣改善に取り組む際、注意すべきことはありますか?
相澤さん
運動療法と生活習慣の改善は、どちらも継続することが最も重要です。そのため、頑張りすぎないことも大切だと考えます。頑張りすぎて息切れしてしまわないよう、どちらも少しずつ自分のできることから実践していくのがいいでしょう。
編集部
医療従事者との連携は、どのようにおこなうといいのでしょうか?
相澤さん
自宅での測定結果(血糖・血圧・体重など)を日頃から記録しておいて、診察などの際に医療従事者に見せるようにすると、ご自身に合わせた治療を受けられます。記録の方法はご自身の続けやすい方法で問題ありませんが、例として日本糖尿病協会が発行している「自己管理ノート」というものがあります。これは血糖値に加えて、血圧、体重、歩数が記録できるようになっているので、記録や医療従事者と連携する際に便利です。自己管理ノートは医療機関で入手可能なので、かかりつけの医療機関に問合わせて、ぜひ活用してください。
※この記事はMedical DOCにて【「糖尿病の運動療法で重要なのはトレーニングより日常的な生活習慣の改善」そのワケを理学療法士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。