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「抗うつ薬」がどんな薬かご存知ですか? 副作用・種類を薬剤師が解説

 公開日:2024/10/22
安全な薬?

近年、世界中で増え続けている「うつ病」。治療は薬物療法が主になりますが、うつ病治療でよく使われる「抗うつ薬」が具体的にどのような薬かご存知でしょうか。薬剤師の長岡さんに詳しく伺いました。

長岡 志帆

監修薬剤師
長岡 志帆(薬剤師)

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薬剤師、認定スポーツファーマシスト、健康食品管理士。2021年に出産を経験し、現在は子育てをしながら薬剤師として勤務。薬膳が好きで育休中にくらし薬膳アドバイザーも取得。医療や医薬品に関する不安・疑問を解決するよう、わかりやすい情報提供を心掛けて執筆している。

編集部編集部

抗うつ薬とはどんな薬なのでしょうか?

長岡志帆さん長岡さん

抗うつ薬は、脳内伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンのバランスを整えることで、心の辛い症状を治す薬です。一言に抗うつ薬といっても、現在治療で使われる薬はたくさんあります。種類別にすると、
三環系
四環系
SSRI
SNRI
NaSSA
SARI
S-RIM

上記の7つに分類されます。

編集部編集部

たくさんあるのですね。どのような違いがあるのでしょうか?

長岡志帆さん長岡さん

この中で三環系が最も古く、S-RIMが新しい薬です。抗うつ病の症状に関わるセロトニンやノルアドレナリンへの作用機序が違います。新しい薬のほうが、副作用は少ないと言われています。

編集部編集部

薬と聞いて気になるのが副作用ですが、副作用はやはりありますよね。

長岡志帆さん長岡さん

そうですね、抗うつ薬は種類によって程度の違いはあるものの、以下のような副作用があります。

口渇
便秘
排尿障害
眼圧上昇
眠気
吐き気、嘔吐
体重増加
頭痛
性機能障害
セロトニン症候群(※1)
賦活症候群(※2)

軽微な副作用から重篤な副作用があるので、気になる症状があれば無理をせず医師に相談しましょう。

※1.発熱や発汗、頻脈、高血圧、筋緊張、アカシジア、興奮、けいれんなど、セロトニン増加によるもの

※2.イライラ、焦燥、パニック発作、攻撃性、不眠、自殺念慮など、抗うつ薬服用初回や、増量時に稀に発症する

編集部編集部

たくさん薬がある中で新しい方が副作用は少ないと伺いましたが、全員副作用が少ない薬を処方してもらえば良いのではないでしょうか?

長岡志帆さん長岡さん

患者さんが、うつ症状以外に食欲低下や睡眠障害、焦燥感、体重増加などを訴えている場合や、患者さんの年齢によって薬を使い分ける必要があります。患者さんの合併症によっては使えない薬もあります。また、1~2週間使用しても効果が見られない場合には、別の種類に変更します。あえて古い薬を使うこともあります。副作用に対する不安はあるかと思いますが、患者さんの辛い症状を治すため、医師は様々なケースを考えて処方しています。

※この記事はMedical DOCにて【「精神薬を服用すると太る」と言われる理由3選! 原因と対策を薬剤師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修薬剤師

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