「トランス脂肪酸を避けるための食事」を管理栄養士が解説 どのようなことに注意すればいいのか
健康に良くないと言われる「トランス脂肪酸」。できるだけ摂取しないような食事をしたいと思っても何から手をつければいいかわからないという人もいると思います。そこで今回は、トランス脂肪酸を避けるための食事について、管理栄養士の片村さんに伺いました。
監修管理栄養士:
片村 優美(管理栄養士)
編集部
トランス脂肪酸の摂りすぎにならないためにはどのような食事が理想なのでしょうか?
片村さん
トランス脂肪酸は脂質の一種ですので、まずは脂質を摂りすぎないように気を付けることが前提です。揚げ物や炒め物など油を多く使う料理や、肉類に偏りすぎないように注意しましょう。おすすめの調理法は茹でたり蒸したりする湿式加熱と呼ばれる調理法です。自然と油の量を抑えられるので脂質の摂取量を抑えることができます。
編集部
脂質の摂取以外に気を付けることはありませんか?
片村さん
マーガリンやショートニングは、菓子やスナック類に原料として使われている場合がありますので、間食の摂り方にも気をつける必要があります。例えば、ケーキやドーナツなどの洋菓子やビスケット、コーン系のスナックにはトランス脂肪酸が含まれる場合もあります。間食はトランス脂肪酸だけではなく、全体的にエネルギーが高く糖質や脂質を多く含む傾向にあります。生活習慣病予防の観点から見ても、摂取量を減らすことが望ましいと言えるでしょう。
編集部
海外ではどのような取り組みがされていますか?
片村さん
脂質の摂取量が問題視されている国では、トランス脂肪酸だけではなく脂質の摂取量について注意喚起がされています。また、国が企業に対してトランス脂肪酸の表示を義務付けたり、減らすように呼びかけをおこなっていたりと、社会的な取り組みをおこなうことで国民の摂取量減少を実現できた例もあります。日本のようにトランス脂肪酸の摂取量が低い国では規制はしなくとも、企業に対して脂肪酸の量を減らすよう自主的に努力するよう求めている国もあるようです。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
片村さん
今の日本人の食生活では、トランス脂肪酸についてはそこまで慎重に考える必要がないと言えるでしょう。しかし、日本では海外の食事や文化が広がってきていますので、今後どうなるかはわかりません。私たちが普段の生活のなかでできることは、まずは脂質の摂取量に気をつけて、バランスが良く健やかな食生活を送ることだと思います。トランス脂肪酸だけを意識するのではなく、全体を見ながら食事を組み立てていきましょう。
※この記事はMedical DOCにて【トランス脂肪酸は身体に悪いもの? どんな食品に含まれているの? 管理栄養士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。