ワインを飲むことで“病気を予防”することはできるのか ポリフェノールの効果を管理栄養士に聞く
健康に良いお酒の代表として知られるワイン。実際にどのような病気の予防に効果的なのかご存知でしょうか。今回は管理栄養士の森さんに具体的な効果とともに解説していただきました。
監修管理栄養士:
森 浩子(管理栄養士)
編集部
それでは、ワインを飲むことでどのような病気を予防することができるのでしょうか?
森さん
ポリフェノールの働きによってHDL(善玉)コレステロールの数を増やすことからLDL(悪玉)コレステロールの活性化をおさえ、動脈硬化のリスクを軽減します。また、コレステロール値が下がることによって、高血圧を防ぎ、心臓発作といった心臓病のリスクも軽減させることができます。加えて、抗酸化作用があることから、がん予防、脳卒中のリスク低下にも効果があると言われています。この抗酸化作用には、老化を防止する働きもあります、誰しも老いには勝てないものですが、このような有効成分を体に取り入れることによって、老化現象を遅らせることも可能になってきます。
編集部
ワインには赤ワイン・白ワインとありますが、効果は同じですか?
森さん
赤ワインのほうがポリフェノールの含有量が多いため、健康には赤ワインというイメージが強いのですが、白ワインに含まれているポリフェノールは分子が小さく体に吸収されやすいという利点があります。また、赤ワインに比べると強い殺菌力があることから、サルモネラ菌や大腸菌など食中毒を引き起こす菌に有効に働きます。赤ワイン・白ワインと効果はそれぞれですので、違いを知り目的に合わせたものを飲み分けて楽しむと良いのではないでしょうか。
編集部
認知症や気分が滅入った時などにも良いと聞きますが、どうなのでしょうか?
森さん
ブドウの果肉に含まれるペプチドには、脳神経ホルモンの働きを助ける効果があるので、脳神経を保護・改善することから、認知症やアルツハイマー病の発症リスクを軽減すると言われています。また、適量のワインを飲むとメンタルヘルスの向上に繋がるという研究結果も報告されています。
※この記事はMedical DOCにて【「ワインは健康にいい」と聞くけど実際どうなの? どのような健康効果があるか管理栄養士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。