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「親の介護」をするときのの“3つ”の住まい方とは それぞれのメリット・デメリットを解説

 公開日:2024/10/01
近距離・中距離・遠距離

親の介護をする際、「同居するのか」「近くに住んで通うのか」迷うこともあると思います。実際、どのようなメリット・デメリットがあるのか具体的にイメージがしにくいでしょう。そこで今回は、介護福祉士の林さんにそれぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか解説していただきました。

林 修造

監修介護福祉士
林 修造(介護福祉士)

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現役の大学教員として社会福祉士・介護福祉士の養成教育に携わる。福祉人材の教育は約20年のキャリアがあり、医療・介護・福祉だけでなく、年金や健康保険などの社会保障にも精通している。大学で教鞭を取る傍ら、福祉系専門学校の非常勤講師を務め、福祉系の国家試験応援ブログで情報を発信するなど、多方面で活躍中。

編集部編集部

そもそも親の介護は何歳から始まりますか?

林 修造さん林さん

一律に「○歳から介護が始まる」とは言えません。なぜなら、年齢や健康状態、病気の有無など、人によって介護を必要とする状態(以下、要介護状態)になる時期が異なるからです。厚生労働省の「介護給付費実態統計の概況」によれば、65~69歳で介護が必要になるのは約2%、75~79歳の場合は約8%、80~84歳は約18%という結果でした。よって、親の年齢が70代前半頃から介護に備えるべきでしょう。

※厚生労働省「介護給付費実態統計の概況(令和3年5月審査分~令和4年4月審査分)」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/21/index.html

編集部編集部

親の介護をしないとどうなるのでしょう?

林 修造さん林さん

親子は民法上で互いに扶養義務があり、親が要介護状態になった場合には、特別な事情のある場合を除き、子には扶養する義務が生じます。ここでいう「扶養」とは、身上の面倒をみるだけでなく、経済的な支援をすることも含まれます。扶養の義務を負っている子が、特別な事情なく親の面倒をしない場合は、刑事罰の対象となることもあります。よって、親の介護問題は、決して一人で抱え込まずに公的介護保険サービスを利用するとともに、兄弟姉妹等がいれば協力・分担することが大切です。

編集部編集部

親の介護が必要になった際、どのような住まい方が良いのでしょうか?

林 修造さん林さん

「遠距離」「近距離」「同居」のそれぞれでメリット・デメリットがありますので、各々紹介していきます。まず「遠距離」ですが、これは都心部に住む子どもが、週末を使って地方に住む親の元を訪ねて介護するケースですね。親が要介護状態になったとしても、お互いの生活を尊重できるメリットがある一方で、介護が長期化すると、身体的・精神的・経済的な負担が重くのしかかるデメリットがあります。よって、介護を要する期間が長期化する場合には、「近距離」「同居」を検討するのが良いでしょう。

編集部編集部

近距離で親を介護する「近距離介護」の特徴を教えて下さい。

林 修造さん林さん

例えば、親が住む家の近くに子どもが引っ越すケースですね。お互いの距離が近ければ、頻繁に行き来することができるため面倒をみることがメリットです。しかし、認知症の進行など、心身状態が悪化して一人暮らしが困難になると、常時介護が必要な状態になり、近距離でも別居での介護が困難になることが考えられます。

編集部編集部

同居で親を介護する「同居介護」はいかがでしょう?

林 修造さん林さん

これまでは別々に住んでいたけれども、親の要介護状態が悪化してしまったことをきっかけにして、同じ世帯に住むようになるケースですね。親の住む実家に子が引っ越すケースもあれば、都心部に住む子が親を引き取ることもあります。同居することによって親の健康状態を把握することができる一方で、同居自体がお互いのストレスとなったり、子が介護費用の負担をしなければならなかったりする場合があります。また、環境の著しい変化によって親が認知症を発症する恐れがあります。その他、家屋が高齢者にとって住みやすい環境ではない場合があるため、段差解消スロープの設置や、屋内に手すりを設置するなど、住宅改修が必要となります。

※この記事はMedical DOCにて【親の介護はどこでする? 遠距離・近距離・同居のメリット・デメリットを介護福祉士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修介護福祉士

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