「玄米」と「白米」の栄養価の違いを管理栄養士が解説 どちらが健康に良いのか
多くの方が毎日食べている「白米」。健康を気にしている方なら、白米を「玄米」に変えている方もいらっしゃるでしょう。しかし、具体的に「白米と玄米で栄養価はどのように違うのか」ご存知でしょうか。今回は管理栄養士の片村さんに、それぞれの栄養価・健康効果を伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【玄米の健康効果を管理栄養士が解説 おすすめの食べ方は?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修管理栄養士:
片村 優美(管理栄養士)
編集部
玄米と白米の違いはどのような部分でしょうか? 栄養面から比較して教えてください。
片村さん
玄米の栄養価は白米と比較すると高いものが多くなっています。玄米が含む栄養素で白米と比べて大きく違いが見られるのは、食物繊維やビタミンB群、ミネラル類です。特にビタミンB1は白米の8倍、鉄は6倍、食物繊維は5倍近くも多くなっています。
編集部
なぜ玄米は白米に比べて栄養価が高くなっているのでしょうか?
片村さん
白米は玄米から糠層や胚芽を除いたものであり、基本は同じ稲からできています。歴史を辿ると、昔の日本では玄米が食べられていました。かつて白米は身分の高い人しか食べることができなかった高級品ですが、時代が進むにつれて精米技術が上がり、一般家庭に馴染むまでになったのです。玄米の糠層や胚芽には栄養成分が多く含まれており、白米はこの部分を取り除いてしまうため栄養価が下がってしまうのです。
編集部
当たり前のように白米が食べられるようになったのはなぜでしょうか?
片村さん
もちろん精米技術が上がったことも理由ですが、単純に嗜好的な理由が大きいと思います。昔は贅沢品であっただけに、美味しいと感じる人が多いのかもしれません。ご飯を指す「銀シャリ」という言葉は、キラキラして光り輝いている様子からきているものです。今はおかずからも栄養を摂ることができますが、昔は栄養面を玄米に頼っていました。再び注目を集めるようになったのは、健康意識の高まりや不安を感じる人が増えたことが背景として考えられます。