専門家が語る「タトゥーが入っているとMRI検査は受けられない」説のウソ・ホント
タトゥーがあるとMRI検査が受けられないという説がありますが、これは本当なのでしょうか? 実際にタトゥーのある人が検査を受けるポイントについても、「診療放射線技師」の隅田さんに解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【タトゥーがはいっているとMRI検査を受けられないってウソ? 本当?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修放射線技師:
隅田 吉政(放射線技師)
編集部
実際のところ、タトゥーが入っていてもMRI検査は受けられるのでしょうか?
隅田さん
この判断は病院や医師によって異なるため、意見が一致していないのが現状です。ただ、MRI製造業者は、タトゥーやアートメイクがある症例へのMRI検査は推奨していません。しかし、検査を行うメリットが大きいと判断されれば、十分なインフォームドコンセントを行い、検査を実施する場合があります。
編集部
タトゥーが入っている人へのMRI検査の流れを教えて下さい。
隅田さん
まずはMRI検査を行うことによる火傷のリスクについて医師から説明を受け、同意をする必要があります。診療放射線技師は撮影する条件の設定を調整し、可能なら低磁場の装置を用いることで、少しでも火傷の可能性を低くするという方法をとります。また、冷却の準備や十分な観察をして、異常があればすぐに対処してくれます。さらに検査が終了した後も、違和感がないか低温火傷がないかなどを確認します。
編集部
一人ひとり、対応は違うということでしょうか?
隅田さん
その通りです。日本診療放射線技師会によると、タトゥーが入っている場合のMRI検査の判断は、医師や歯科医師が個々の状況や疾患、また経済的な状況に応じて行うもので、一律ではないという見解を示しています。個別のケースとして、判断されるということになります。そのため、タトゥーが入っている人はMRI検査を受けられるかどうか、事前に問い合わせてみることをお勧めします。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
隅田さん
タトゥーが入っている人は、絶対にMRI検査を受けられないというわけではありません。また、タトゥーの着色顔料に酸化鉄が含まれていても、必ず火傷が発生するとも限りません。まずは主治医にタトゥーのことを申告し、検査を担当する診療放射線技師にご相談下さい。