「パン食」の人に不足しがちな栄養素とは 管理栄養士が勧める一緒に食べるべき食材を紹介
「買ってすぐに食べられる」「手間・時間をかけずに食べられる」という観点から、朝食にパンを選んでいる人も多いでしょう。そんなパン食ですが、「栄養が偏りやすい」「パンだけだとお腹がすいてしまう」などのデメリットもよく耳にします。なので今回は、「朝食にパンを食べている人は、何を一緒に食べると栄養面でよくなるのか」について、管理栄養士の成松さんを取材しました。
※この記事はMedical DOCにて【「朝食はパン派」の人に不足しがちな栄養素とは一緒に食べるといい食材を管理栄養士に聞く】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修管理栄養士:
成松 由佳(管理栄養士)
編集部
「朝食はパン派」の人に不足しがちな栄養素は何ですか?
成松さん
※参照:農林水産省「みんなの食育 ごはんは太るは誤解?」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics3_03.html
※参照:厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r1-houkoku_00002.html
※参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
編集部
これらの栄養素は、何を一緒に食べると補えますか?
成松さん
まず、ビタミンCと食物繊維は野菜や果物から摂取できます。特にビタミンCが多い野菜はピーマンやパプリカ、ブロッコリーなどです。食物繊維はごぼうなどの根菜類、ブロッコリー、オクラに多く含まれます。果物では、キウイフルーツがどちらも多く含まれているのでおすすめですね。
編集部
鉄はどうでしょう?
成松さん
動物性の食品は、吸収率の高いヘム鉄を含んでいます。特に赤身の肉や魚に多く含まれますね。また、植物性の食品の中でも、ほうれん草や小松菜、水菜などには鉄が多く含まれています。食事全体のバランスを整えるためにも、“動物性”と“植物性”どちらの食品も食事に取り入れられると良いですね。
編集部
カルシウムは何で補えますか? やはり牛乳やヨーグルトでしょうか?
成松さん
もちろん、乳製品はカルシウムの手軽な補給源としておすすめです。ただし、パン食の人はご飯食の人に比べて乳類の摂取が多いにもかかわらず、カルシウムが不足しやすい傾向にあります。カルシウムは野菜や大豆製品、魚介類にも含まれていて、パン食ではこれらの摂取量が少なくなりやすいからです。パンにしらすや桜えびを載せる、納豆や豆腐、水菜や小松菜、チンゲン菜などの野菜を合わせて摂るなど、組み合わせを工夫してみましょう。
編集部
反対に、パン食で摂り過ぎに注意したい栄養素はありますか?
成松さん
※参照:農林水産省「脂質による健康影響」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/fat_eikyou.html