「朝食にコーンフレーク」は太る? 痩せる? ダイエットにコーンフレークは適しているのか管理栄養士に聞く
手軽に食べられてとても便利な「コーンフレーク」。最近では、たくさんの種類が店頭に並んでいて、購入するのに迷ってしまうくらいです。朝からたくさん食べることができない時や、調理時間がほとんどかからないことから忙しい朝に重宝しますよね。そんなコーンフレーク、健康に良いというイメージからダイエットのために食べる人も多いのではないでしょうか。実際、コーンフレークを食べると、痩せることができるのでしょうか? 管理栄養士の森さんに詳しく伺いました。
監修管理栄養士:
森 浩子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
コーンフレークは太る? 痩せる? 真相と原因、対策を解説
編集部
ずばり、コーンフレークを食べると太りますか? それとも痩せることができますか?
森さん
コーンフレークに限った話ではありませんが、実際のところ太るのか・痩せるのかについては、食べ方次第となりますね。
編集部
それではどのような食べ方をしたら太ってしまうのでしょうか?
森さん
・美味しいからといって食べすぎてしまう
・チョコやストロベリー味など、甘いコーンフレークを食べている
・牛乳をたくさんかけて食べている
・コーンフレーク以外の食事でカロリーを摂りすぎている
食べ方や選び方を間違えると、反対に太ってしまう原因になります。サクサクと口当たりもよく食べやすいので気を付けないといけませんね。
編集部
コーンフレークを食べても太らないためにはどのようなことを意識するといいのでしょうか?
森さん
まず、コーンフレークそのもののカロリーを確認してみましょう。一口にコーンフレークといっても、チョコ味やストロベリー味など様々です。たくさんの種類があるので、毎日食べても飽きないのはメリットかもしれませんが、食事というよりもお菓子に近いような甘い商品には注意が必要です。シンプルなものと甘味を付けたものでは、100kcal近くエネルギーに差があります。
編集部
ほかにもポイントがありましたら教えてください。
森さん
牛乳をたっぷりかけて食べる人も多いと思いますが、牛乳をたくさんかけて食べるとその分カロリーが増えてしまいます。このような食べ方をする場合は、ほかの食事でもカロリーに気を付けたり運動したりして、消費エネルギーを増やしていかなくては太ってしまうことになります。牛乳を低脂肪のものにしたりプレーンヨーグルトにしたりしてカロリーオフすることも効果がありますね。豆乳は牛乳よりもカロリーが低く腹持ちがよいので、こちらもおすすめです。
コーンフレークの健康効果は? どのような栄養素が含まれている?
編集部
そもそもコーンフレークとはどんな食材ですか?
森さん
コーンフレークとはトウモロコシが原料となったシリアルの一種です。粗く砕いたトウモロコシを加熱して、焼き上げたもので味のついていないものや、製造の途中で砂糖などを使って味をつけたものなどがあります。
編集部
コーンフレークにはどのような栄養素が含まれているか教えてください。
森さん
コーンフレークに含まれている主な栄養成分は、糖質、食物繊維、ナトリウムなどになります。これに牛乳を加えて食べることで、カルシウムやタンパク質も効率よく同時に摂取できます。
編集部
コーンフレークを食べることで得られる健康効果にはどのようなものがありますか?
森さん
糖質は体にとって大切なエネルギー源です。ダイエットの敵のように扱われがちですが、私たちが健康的に生きていくためには必要不可欠な存在です。糖質が不足すると疲労感を覚えたり集中力が低下したりするので朝食では必ず摂りたい栄養素です。また、食物繊維は食後血糖値の上昇を防ぐので、糖尿病予防に効果があります。腸内のビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌の割合を増やすので、腸内環境を整え、便秘の解消などにも効果があります。そして、ナトリウムは体内の水分の調整や神経や筋肉を正常に動かすのに効果を発揮し、私たちの生命維持に欠かせない物質の一つです。
コーンフレークでダイエットはできる? ポイント・併せて食べたい食材を解説
編集部
コーンフレークを食べてダイエット効果を出すためにはどうしたらよいでしょうか?
森さん
基本的なことですが、まずは食べ過ぎないことですね。そして、なるべく味付けがシンプルなコーンフレークを選びましょう。最近では、低糖質なものや食物繊維を豊富に含んだものなど、ダイエット向きのコーンフレークも販売されています。ドライフルーツが入ったものは、噛み応えも出てくるので、咀嚼による満腹感も得られるのでおすすめです。ダイエット中のおやつに食べることの多いナッツ類が入ったものも見かけます。砂糖などが添加されたものではなく、このような商品を選ぶとダイエット効果が出やすくなりますので、ぜひお店で探してみてください。
編集部
1回に食べる量の目安はありますか?
森さん
パッケージには1食40gと記載されていることが多いのでこの分量が標準的だと言えるのではないでしょうか。ここに、牛乳を200gかけることで280kcal前後のエネルギーになります。ちなみに、白いごはんですと茶碗1杯でカロリーは250kclとなります。一見カロリーが低く感じられますが、ここにおかずや汁物などを付けると更にカロリーが高くなります。また、朝食の定番であるトーストだと6枚切り食パンに10gのバターを塗った場合1枚あたり240kcalとなります。
編集部
さらに栄養バランスが取れるような食べ方がありますか?
森さん
ビタミンはコーンフレークに牛乳をかけるだけでは摂取できないので、おすすめなのはフルーツを加えてビタミン摂取を心掛けることです。バナナやキウイ、イチゴなどを添えて食べると良いですね。簡単なサラダを添えたり鉄分摂取のためにレーズンやプルーンなどを一緒に食べたりすることで栄養のバランスが更に良くなりますね。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
森さん
調理の手間もかからず、購入も簡単、そして保存もきいて手軽に食べることができるコーンフレークは世代を問わず人気の食べ物です。先ほど、1食40gが標準的な量とお話しましたが、実際きちんと40gを測ってみると思っているよりも少ないことに気が付きます。もともと小食な方や子どもにはちょうどよい量かもしれませんが、一度きちんと測ってみましょう。食べ過ぎていることに気が付くかもしれません。ダイエットで一番大切なことは栄養のバランスを上手にとることです。カロリーだけを制限すれば良いと思われるかもしれませんが、急激なカロリー制限は栄養不良やリバウンドを引き起こしやすくなります。パッケージの裏面をよく読んで、メーカーが推奨している規定量を守りながら、不足しがちな栄養素を補って自分にあったコーンフレークの食べ方になるように工夫してみましょう。
編集部まとめ
今回は、朝食にコーンフレークを食べると太るのか痩せるのかについて詳しく説明していただきました。コーンフレークの種類や食べ方、生活習慣によっては太ってしまうということでしたね。また、コーンフレークには糖質、食物繊維、ナトリウムといった我々が健康に生きていくだめに必要な栄養素が含まれていることも教えていただきました。コーンフレークは効率よくカロリー摂取できるのも魅力の一つですが、色々な種類のものが販売されており、ダイエットや健康のために選んでいるつもりでも、つい食べ過ぎてしまうと不健康になったり太ってしまったりします。もし、何気なく商品を選んでおられるとしたら、これを機会にパッケージの確認をして自分に合ったものを選んでいただきたいと思います。