「胃がん検診」は何歳から受けるのがベストタイミング? 40歳以上は定期的に受けるべき理由
胃がんの早期発見に役立つ「胃がん検診」は、何歳から受けるのがいいのかご存じですか? 今回は、胃がん検診を受けるベストなタイミングや胃がんの早期発見の重要性について、「臨床検査技師」の吉元さんに解説していただきました。
監修臨床検査技師:
吉元 彩香(臨床検査技師)
編集部
胃がん検診は何歳から受けた方がいいのでしょうか?
吉元さん
厚生労働省のガイドラインによると、胃バリウム検査は40歳以上、胃カメラは50歳以上が対象となっており、胃バリウム検査なら年に1回、胃カメラ検査なら2年に1回の検査が推奨されています。がんは40歳を超えると、急激に発症率が高くなります。胃がんの好発年齢は50歳以上ですが、早期発見、早期治療が大切ですので、40歳を超えたら定期的に胃がん検診を受けることをおすすめします。
編集部
40歳未満ならまだ検査しなくて大丈夫でしょうか?
吉元さん
胃がんの中でも、スキルス胃がんは比較的若い20~30代の女性が発症しやすいがんですので、40歳未満だからがん発症のリスクが全くないというわけではありません。また、ピロリ菌は胃がんのリスクを高めることがわかっています。胃カメラ検査を受けてピロリ菌が発見された場合は、除菌治療を受けて将来の胃がんリスクを抑制するなどの対策もとれるため、40歳前に自発的に検査を受けておくといいでしょう。
編集部
胃がん検診はどこで受けられますか?
吉元さん
胃がん検診は、人間ドックや健康診断などで受けることができます。また、胃がん検診の対象である40歳以上の人は、自治体が実施している検診を受けることも可能です。実施時期や費用負担の有無などは自治体によって異なるため、自治体のホームページなどで確認しておくことをおすすめします。
編集部
あらためて、どのように胃がんと向き合えばいいですか?
吉元さん
厚生労働省が示す2020年の人口動態統計によると、胃がんは、男性は肺がんについで2番目、女性は大腸がん、肺がん、すい臓がん、乳がんについで5番目に死亡数が多いという結果になっています。自覚症状がある時点で、かなり進行している可能性が高いのが胃がんです。しかし、早期発見であれば完治する可能性も高いといわれています。早期発見、早期治療のために、40歳を超えたら胃がん検診を受けることをおすすめします。