「アルツハイマー型認知症の初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!
アルツハイマー型認知症の前兆となる初期症状とは?Medical DOC監修医がアルツハイマー型認知症の初期症状・原因・なりやすい人の特徴・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「アルツハイマー型認知症の初期症状」はご存知ですか?原因についても医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
上田 雅道(あたまと内科のうえだクリニック)
目次 -INDEX-
「アルツハイマー型認知症」とは?
アルツハイマー型認知症は認知症の中でもっとも多く、およそ65%をしめます。高齢者に多く、年齢とともに増えていきます。
アルツハイマー型認知症の前兆となる初期症状
アルツハイマー型認知症では、新しいことを覚えられない、同じことを何度も聞き返す、年月日や曜日の感覚が不正確、意欲が低下する、といったことが初期にみられることがあります。
記憶障害
新しいことを覚えられず、同じことを何度も聞き返すといった症状がみられます。新しい情報をすぐに忘れてしまうため、5分後にも同じことを聞くといったことがあります。
このような症状が続く時は、かかりつけの内科や脳神経内科を受診し、いつごろから症状が目立つようになったのか、または具体的なエピソードがあれば医師に伝えてください。
時間の見当識
年、月、日、曜日についての感覚が不確かになります。
きょうが何日かわからない、曜日をまちがえる、といったことがあればかかりつけの内科や脳神経内科を受診してください。
遂行機能障害
料理の準備やスーパーでの買い物でまちがえることが多くなります。以前はできていた料理の手順がわからなくなったり、失敗することがあります。スーパーに買い物に行っても必要な食材がわからなくなったり、不必要な食材を理由もなく買ってしまうことがあります。計画的な行動ができなくなってしまいます。
このようなことがあれば、かかりつけの内科や脳神経内科を受診してください。
意欲の低下
自分から出かけようとしなくなったり、ぼうっとして過ごしてしまうこともあります。
一見すると、「うつ」と似ており、うつ病は高齢者にも多くみられる病気なので注意が必要です。うつ病であれば治療法が異なるので、しっかりと診察を受ける必要があります。精神科、かかりつけの内科や脳神経内科を受診してください。
構成障害
複雑な図形を書き写すができなくなります。ふだんは図形の模写をすることはあまりないかも知れませんが、もの忘れの症状がみられた時は、図形の模写がどのくらいできるか確かめてみてもいいでしょう。思ったように図形を書くことができないときは、かかりつけの内科や脳神経内科を受診してください。
「アルツハイマー型認知症の初期症状」についてよくある質問
ここまでアルツハイマー型認知症の初期症状などを紹介しました。ここでは「アルツハイマー型認知症の初期症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
軽度のアルツハイマー型認知症の症状について教えてください。
上田 雅道 医師
軽度のアルツハイマー型認知症では、新しいことを覚えられない、同じことを何度も聞き返す、年月日の感覚が不確か、日常的な買い物や料理で失敗する、意欲が低下する、といった症状がみられやすいです。
アルツハイマー型認知症で一番多い症状はどんな症状ですか?
上田 雅道 医師
アルツハイマー型認知症の症状でもっとも多く、目立つ症状は新しいことを覚えられない、という症状です。
アルツハイマー型認知症の初期症状が現れるのは発症から何年後でしょうか?
上田 雅道 医師
アルツハイマー型認知症は、初期症状がみられるようになった時期を発症と考えるといいと思います。脳の中では、症状がみられる10年あるいは20年も前から変化が始まっていると考えられていますが、症状がない段階ではあまり気にしなくていいと思います。
編集部まとめ
アルツハイマー型認知症は新しいことを覚えられないといった記憶障害で発症することが多く、年齢とともに患者さんの数も増えていきます。症状の進行はゆっくりですが、完治させることはむつかしく、進行とともに生活に困難もみられるようになります。やがて家族の協力や社会福祉サービスの利用、介護や看護も必要になります。
アルツハイマー型認知症を発症してもはじめのうちは症状は軽く、進行もゆっくりなため病院を受診してするきっかけをつかみにくいこともあります。気になる症状がみられたら、早めに病院を受診しましょう。薬を使った治療で進行を遅らせることもあります。
「アルツハイマー型認知症」と関連する病気
「アルツハイマー型認知症」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
脳神経科の病気
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
- 血管性認知症
認知症の症状を示す病気はたくさんありますが、アルツハイマー型認知症が最も多いと言われており、それに次ぐ病気として上記が挙げられます。
「アルツハイマー型認知症」と関連する症状
「アルツハイマー型認知症」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 記憶障害
- 意欲低下
- うつ
年齢問わず忘れてしまうことはありますが、同じことを何度も聞き返すことをはじめ、上記のような症状がある場合には、早めに医療機関で相談することをお勧めします。
参考文献