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「認知症になりやすい人」の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2025/03/10

認知症になりやすい人の特徴とは?Medical DOC監修医が認知症になりやすい人の特徴などを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「認知症になりやすい人」の特徴はご存知ですか?なりやすい性格も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

前田 佳宏

監修医師
前田 佳宏(医師)

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島根大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科に入局後、東京警察病院、国立精神神経医療研究センター、都内クリニックにて薬物依存症、トラウマ、児童精神科の専門外来を経験。現在は和クリニック院長。愛着障害やトラウマケアを専門に講座や情報発信に努める。診療科目は精神神経科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経内科。 精神保健指定医、認定産業医の資格を有する。

「認知症」とは?

認知症とは、さまざまな原因で脳の働きが低下し、日常生活に支障をきたすようになった状態を指します。物忘れがひどくなる、同じことを何度も言ったり聞いたりする、日にちや場所がわからなくなる、これまでできていたことができなくなるなどの症状が現れます。

認知症には、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など、さまざまなタイプがあります。一次性認知症と呼ばれるこれらの認知症は、脳の神経細胞の変性や脱落によって引き起こされます。一方、二次性認知症は、感染症、頭部外傷、内分泌疾患などの他の疾患が原因で発症します。

認知症になりやすい人の特徴

まずは、認知症になりやすい人の特徴を解説します。

加齢

認知症の最大の危険因子は加齢です。65歳以上の高齢者では、認知症の有病率が高くなります。ただし、年齢を重ねるだけでは認知機能が低下するわけではありません。家族に認知症の人がいる場合、遺伝的な要因により認知症のリスクが高まる可能性もあります。

生活習慣病

糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病も、認知症の危険因子となります。特に中年期からは生活習慣病になりやすいので注意が必要です。生活習慣病は、認知症だけでなく脳梗塞などの脳血管障害などの危険性も高くなります。

運動不足

運動不足も認知症の危険因子の一つです。定期的な運動習慣がある人は、運動習慣がない人と比べて認知症のリスクが低いことが報告されています。

肥満

肥満や体重減少にも注意が必要です。中年期では、肥満の人ほど認知症になりやすいことが報告されています。一方、高齢期では、痩せや体重減少が認知症のリスクを高めます。

喫煙

喫煙も認知症のリスクを高める要因の一つです。喫煙量が多く、 期間が長いほど、言葉の流暢性(りゅうちょうせい:なめらかさのこと)や記憶などの認知機能が低下する可能性がありま す。

飲酒

過度の飲酒も認知症のリスクを高める可能性があります。週に276g以上(500ml缶、約10本)のアル コールを摂取すると、認知症を発症する危険性が高くなることが報告されています。

「認知症になりやすい人」についてよくある質問

ここまで認知症になりやすい人などを紹介しました。ここでは「認知症になりやすい人」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

認知症になりやすい人の行動や生活習慣について教えてください。

前田 佳宏医師前田 佳宏(医師)

認知症になりやすい人の行動や生活習慣としては、運動不足、偏った食生活、喫煙や過度の飲酒、社会参加の少なさなどが挙げられます。一人で家に閉じこもりがちで、他者とのコミュニケーションが少ない生活も認知症のリスクを高めます。規則正しい生活リズムを保ち、バランスの取れた食事と適度な運動、社会参加を心がけることが認知症予防につながります。

認知症の可能性がある職業はありますか?

前田 佳宏医師前田 佳宏(医師)

特定の職業が認知症のリスクを高めるというエビデンスは乏しいです。しかし、ストレスの多い仕事や、有害物質を扱う職業では注意が必要かもしれません。一方、仕事を通じて社会とのつながりを持ち、知的な刺激を受けられる職業は、認知症予防の観点からはプラスに働く可能性があります。ただし、職業よりも、仕事以外の生活習慣や性格傾向が認知症のリスクにより大きな影響を与えると考えられます。

編集部まとめ

認知症の予防と早期発見・早期治療には、正しい知識と理解が不可欠です。認知症に関する最新の情報を学び、日々の生活の中で予防策を取り入れていくことが大切です。また、認知症は本人だけでなく家族や周囲の人々にも大きな影響を与えます。認知症の人やその家族を地域全体で支えていくことが、これからの超高齢社会には求められています。一人ひとりが認知症について正しく理解し、支え合う社会の実現を目指していきましょう。

「認知症になりやすい人」と関連する病気

「認知症になりやすい人」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳・神経科の病気

内分泌・代謝科の病気

これらの病気は、脳の血流障害や神経細胞の障害を引き起こし、認知症の原因となる可能性があります。基礎疾患として認知症のリスクを高めるため、適切な治療とコントロールが重要です。

「認知症になりやすい人」と関連する症状

「認知症になりやすい人」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • もの忘れがひどい
  • 同じことを何度も言ったり聞いたりする
  • 日付や場所がわからなくなる
  • 今までできていたことができなくなる
  • 性格が変わる(怒りっぽくなる、無気力になるなど)

これらの症状は、認知症の初期に現れることが多いです。もの忘れの程度が日常生活に支障をきたすようであれば、認知症の可能性を疑い、早めに専門医に相談することが大切です。

この記事の監修医師

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