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「認知症発症」のリスクを上げやすい「食べ物」はご存知ですか?【医師解説】

 公開日:2025/03/01

Medical DOC監修医が認知症発症のリスクを上げやすい食べ物などを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「認知症を予防」する可能性の高い「食べ物・飲み物」はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

村上 友太

監修医師
村上 友太(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医。日本認知症学会、日本内科学会などの各会員。

「認知症」とは?

認知症とは記憶力や判断力、思考能力、情報処理能力などが低下して、日常生活に支障が出ている状態を指す病名です。認知症には原因や症状により、記憶力の低下が主体となるアルツハイマー型認知症、幻視があり認知機能の変動が目立つレビー小体型認知症、性格が変わり非常識な行動をとりやすくなる前頭側頭型認知症、脳梗塞を原因で発症する血管性認知症などに分類されます。
年齢を重ねると、誰しもが若い時と比べて記憶力が低下しますが、その程度は人によってまちまちで高齢になっても大きな支障なく、自立した生活ができている方も少なくありません。ここでは認知機能低下の予防という点に注目して解説をいたします。

認知症発症のリスクを上げやすい食べ物

前項では認知症になりにくいのではないかと考えられている食べ物について解説しましたが、逆に認知症になりやすいのではと考えられている食べ物もあります。食事はバランスよく摂取することが大事であり、完全に除去する必要はありませんが、以下のものについては摂取を控えるとよいでしょう。

ラード、肉の脂身

牛や豚などの肉の脂身にはトランス脂肪酸が多く含まれ、血中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増加させて動脈硬化を引き起こす原因となります。動脈硬化は動脈狭窄などによる脳血流の低下や脳梗塞を引き起こし、認知機能を悪化させる原因となります。

バターやマーガリン

ラードや肉の脂身ほどではありませんが、バターやマーガリンにもトランス脂肪酸は多く含まれます。パンを食べる時など日常的に使用することも多い食品であり、摂取量が多くならないように注意が必要です。

菓子パン

菓子パンも製造過程でバターやマーガリンなどを使用しており、トランス脂肪酸が多く含まれます。塩分も多く、高血圧のリスクにもなるため注意が必要です。また、パンを含む穀物の過剰摂取は認知症のリスクを高めるとの報告があります。穀物を過剰摂取している方は副菜をあまり食べておらず、その他の栄養素が不足していることが影響しているとも言われていますが、穀物の過剰摂取にも注意した方がよいでしょう。

「認知症の予防」についてよくある質問

ここまで認知症の予防などを紹介しました。ここでは「認知症の予防」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

コーヒーの摂取で認知症発症のリスクを軽減することはできるのでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

はっきりとした結論は得られていませんが、コーヒーを日常的に摂取することは認知症の発症リスクを下げる可能性があると注目されています。ただ、カフェインが多く含まれており、飲用する時間や量によっては不眠などにより健康に悪影響が出てしまう可能性があります。無理に飲用することはせず、食後や人との社交時に取り入れるのがよいと思われます。

認知症予防に効果的なゲームについて教えてください。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

クロスワードや数独などの知的活動は認知症予防に有用と考えられています。「考える」「思い出す」などの行為を継続的に行えるものであれば、将棋や囲碁、クイズ、カラオケ、戦略ゲームなどさまざまなゲームが有用であるため、本人が楽しんで継続できるものを見つけるとよいでしょう。一方でパチンコやメダルゲームなどの「考える」「思い出す」などの知的活動をあまり必要せず、刺激を楽しむことが中心のものは避けましょう。

認知症予防に効果的な趣味はありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

認知症の予防には日常的に考えたり、行動したりすること、周囲の人とコミュニケーションをとることが重要です。読書などの個人的に楽しむことができる趣味も非常によいですが、将棋や囲碁、卓球など複数名で楽しめる趣味を持ち、一緒に楽しむことができる仲間を見つけられるとさらに良いでしょう。

編集部まとめ

認知症に関してはまだわかっていないことも多く、認知症の発症を十分に予防することは困難ですが、認知機能低下のリスクを下げる方法に関しては少しずつ研究が進んでいます。正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫による認知症などの一部の認知症は外科手術などの治療で認知機能が改善しますが、ほとんどの認知症は認知機能が改善しないことが多いため、とにかく認知機能を悪化させないことが重要です。食事に気をつける、適度な運動をする、節度のある飲酒をする、積極的に人と交流するなど普段の生活の中で取り組めることも多いため、今回の記事を参考にして認知症の予防に取り組んでいただければ幸いです。

「認知症の予防」と関連する病気

「認知症の予防」と関連する病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

内科の病気

脳神経内科・脳神経外科の病気

認知症の5−10%は正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫、ビタミン欠乏などによる認知症であり、適切な治療によって認知機能が改善する可能性があります。しかし、多くの認知症は認知機能が改善しないままとなってしまいます。
日頃の生活習慣や社会活動などで認知症予防対策につながるものを取り入れて過ごしていただければと思います。

「認知症の予防」と関連する症状

「認知症の予防」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

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