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「くも膜下出血の主な5つの原因」はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2024/08/27
「くも膜下出血の原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!

くも膜下出血の原因とは?Medical DOC監修医がくも膜下出血の原因・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「くも膜下出血の原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中川 龍太郎

監修医師
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)

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奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。

「くも膜下出血」とは?

くも膜下出血とは、脳出血の一種で、脳の表面の血管が破れて出血してしまい、くも膜下腔というスペースに出血が拡がった病気です。
くも膜下出血は、発症した人の1/3は死亡し、1/3は何らかの後遺症が残り、残る1/3だけが社会復帰できるという、非常に重篤な病気です。発症してから治療するのではなく、できるだけ発症しないようにする予防策が重要になります。
今回の解説で、くも膜下出血に至る原因を知り、適切に予防しましょう。

くも膜下出血の主な原因

脳動脈瘤

くも膜下出血の原因のほとんどは脳の動脈にできた瘤(こぶ):脳動脈瘤の破裂です。この脳動脈瘤は、存在するだけでは何も症状はありません。しかし一度破裂すると、くも膜下出血に至ります。出血によって髄膜が刺激され、経験したことのない頭痛や嘔吐、脳が圧迫されることによる意識障害、麻痺などの神経障害を引き起こします。
経験したことのない激しい頭痛を突然感じた際は、すぐに救急要請することを勧めます。またご自身や身の回りの方がそのような状況になった際は、救急要請をした後、できるだけ安静にするようにしてください、具体的にはタオルなどで目を覆う、大きな音が入らないようにするなど、余計な光刺激や音による刺激がないようにしましょう。
受診すべき診療科は脳神経外科です。原因となっている血管の位置によって、開頭手術やカテーテル手術などが適応になります。

高血圧

くも膜下出血の原因として、高血圧も挙げられます。高血圧は血管に過剰な圧力がかかった状態で、あまりにも高くなると血管が破れてしまい、破裂させることがあります。また先に述べた脳動脈瘤と合わさって、さらにくも膜下出血のリスクを高めます。
高血圧自体も自覚症状はほとんどありません。それゆえに皆さん気付きにくく、健診などで指摘されても、「特に症状はないから」と放置してしまいがちです。しかし、出血のリスクは高い状態が続いていますので、確実な対応が求められます。
高血圧だけでは緊急性はありませんので、近隣の内科などかかりつけ医を受診して、普段から適切な血圧になるように治療しましょう。

頭部外傷

くも膜下出血の原因として、頭部外傷も挙げられます。頭部外傷とは、その名の通り頭に何らかの力が加わって、外傷をおってしまった状態です。頭部外傷にも軽症から重症まで程度があり、ちょっとしたたんこぶができる程度のものから、頭蓋内に出血を起こすものまでさまざまです。
どれくらいの怪我だったか、どれくらいの外からのエネルギーが加わったかといった外傷の程度も重要になりますが、本人の年齢や持病、内服薬なども考慮すべき要因です。
例えば、高齢で抗血栓薬(血をサラサラにする薬)を内服している方であれば、同じ怪我をおったとしても、より重症になる可能性は高いと言えます。
頭部外傷によって怪我した部分だけでなく、頭蓋内でも出血が起こっている場合(くも膜下出血)、頭痛や吐き気・嘔吐、麻痺やけいれんなどの症状が出ることがあります。
このような症状が頭部に怪我をしてから時間が経って出現した場合は、緊急性が高いため早急に医療機関を受診しましょう。受診すべき診療科は脳神経外科です。

抗血栓薬内服

くも膜下出血のリスクを高める要因として、抗血栓薬を内服していることも挙げられます。抗血栓薬とは、血栓ができないようにする薬、ざっくり言えば「血をサラサラにする薬」です。通常、血液には出血が起きた際に血を止めるための、止血機能が備わっています。抗血栓薬はこの止血機能に作用して、血が固まりにくい状態にする薬です。脳梗塞を過去に発症したことがある方や、心房細動という不整脈を患っている方は、血栓ができやすい状態なので、血が固まりにくい状態にして脳梗塞、心筋梗塞といった病気を予防する必要があります。
しかし、この薬にはリスクもあります。血栓ができにくくなる、血をサラサラにする、というと聞こえはいいですが、実際は何も内服していない状態よりは出血しやすい傾向になります。当然このお薬は、将来的に出血しやすくなるリスクと、血栓症(脳梗塞や心筋梗塞など)になるリスクを天秤にかけて、後者の方が大きいと判断された場合に開始されます。
重要なことは、この薬を飲んでいるから危険だ、というわけではなく、「飲んでいない人よりは出血のリスクがあること」を理解し、仮に出血性の病気が疑われた際は、医療機関側に正しく伝えることです。
これまでご紹介したように、くも膜下出血を疑われるような状況になった際は、的確に飲んでいる薬を伝えるようにしましょう。何を飲んでいるかでその後の治療方針が変わる可能性があるためです。
繰り返しになりますが、抗血栓薬を飲んでいるから危険!というわけではないことは覚えておいてください。

血管異常

くも膜下出血の原因として、血管異常も挙げられます。特に脳動静脈奇形(AVM: Arteriovenous Malformation)という病気が代表的です。この病気は、本来直接つながることのない脳内の動脈と静脈が、血管異常として直接つながっているものです。通常、動脈から静脈への血流は毛細血管を通るため、血圧は自然にゆっくり下がります。しかしAVMの場合ではこの緩衝システムが無いために、血液が異常に高速かつ高圧力で静脈に流れ込みます。
これによって血管壁に過度の負担をかけ、血管が破れ出血する(くも膜下出血)原因になります。
AVMは先天的な要因によるものが多いのですが、その存在が明らかになるのは出血やその他の症状(けいれんや手足の麻痺)が現れたとき、あるいは偶然検査で見つかるケースが多いです。
AVMが発見された場合は、脳神経外科という専門科での診断と治療が必要になります。治療の選択肢として経過観察、手術、カテーテル治療などがありますが、その適応基準は患者さんごとの背景によってさまざまですので、まずは専門医を受診しましょう。

「くも膜下出血の原因」についてよくある質問

ここまでくも膜下出血の原因・予防法などを紹介しました。ここでは「くも膜下出血の原因」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

くも膜下出血の原因となる可能性の高い食べ物を教えてください。

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

特定の食べ物がくも膜下出血のリスクを上げるというものはありませんが、一般的に塩分量の多い食事をすると高血圧につながります。間接的にはくも膜下出血のリスク増大にも関わっていると言えるでしょう。

くも膜下出血の原因にストレスは関係ありますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

過剰なストレスは日常的な高血圧につながりますので、くも膜下出血の原因に関係しています。

女性でくも膜下出血を発症した場合、どんな原因が考えられますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

女性のくも膜下出血の原因として考えられるものは、男性と比較して大きく変わるわけではありませんが、特に妊娠中では妊娠高血圧であったり出産時の陣痛やいきみなどから、くも膜下出血を発症する可能性は0ではありません。

過労が原因でくも膜下出血を発症しますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

過労が原因でくも膜下出血を発症することも、原因として否定はできません。これまでご紹介したように、過剰なストレスは高血圧につながるためです。

編集部まとめ

今回はくも膜下出血の原因とその予防策について解説しました。脳ドッグで原因となる血管異常の有無を確認して、その上で適切な生活習慣を心がけることが重要です。ぜひ取り組んでみてください。

「くも膜下出血の原因」と関連する病気

「くも膜下出血の原因」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経科の病気

内科の病気

くも膜下出血の原因と関連する病気は上記が考えられます。特に血管異常(脳動脈瘤や脳動静脈奇形など)の存在を検診で確認しておくことが重要です。ぜひ一度、脳ドックを受診してください。

「くも膜下出血の原因」と関連する症状

「くも膜下出血の原因」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

くも膜下出血の症状と考えられるものは上記が挙げられます。くも膜下出血は非常に重篤な病気です。何かおかしいと感じ、これらの症状に当てはまる場合は、早急に救急要請してください。

この記事の監修医師