「くも膜下出血の前兆」となる症状を予防する方法はご存知ですか医師が解説!
くも膜下出血の前兆となる症状とは?Medical DOC監修医がくも膜下出血の前兆となる症状・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「くも膜下出血の前兆」となる5つの症状はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)
目次 -INDEX-
「くも膜下出血」とは?
くも膜下出血とは、脳の表面の血管が破れて出血してしまい、くも膜下腔というスペースに出血が拡がった病気です。発症の原因のほとんどは脳の動脈にできた瘤(こぶ):脳動脈瘤の破裂です。脳動脈瘤が存在するだけでは何も症状はありません。しかし一度破裂すると、出血によって髄膜が刺激され、経験したことのない頭痛や嘔吐、脳が圧迫されることによる意識障害、麻痺などの神経障害を引き起こします。
くも膜下出血は、発症した人の1/3は死亡し、1/3は何らかの後遺症が残り、残る1/3だけが社会復帰できるという、非常に重篤な病気です。
受診すべき診療科は脳神経外科です。原因となっている血管の位置によって、開頭手術やカテーテル手術などが適応になります。
くも膜下出血の前兆となる症状を予防する方法
脳ドック、生活習慣の見直し
くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤破裂によるものです。今回は脳動脈瘤破裂をどうすれば予防できるかと言う点について説明します。
まず、脳動脈瘤がご自身にあるかどうか、またその動脈瘤は破裂リスクが高いのか、という点を調べる必要があります。脳動脈瘤そのものには自覚症状はありませんので、検査で探しに行く必要があります。おすすめは脳ドックです。MRI検査で首から頭の先まで検査して主に頚部から脳への血管を調べます。
もし脳動脈瘤が指摘され、手術ではなく様子を見るという方針になった場合は、破裂リスクを抑えることが重要です。破裂リスクは高血圧や喫煙、アルコール過剰摂取などが報告されています。
禁煙やお酒の量を控えることは有効な予防法になります。
また普段から血圧を記録するようにして、基準値より高い値が続くようであれば内服薬で治療しましょう。
食事では、バランスの良い食事を心がけるのは当然ですが、特に塩分量に注目してください。日本人の平均的な和食を食べると、基本的に塩分は過剰になっており高血圧につながります。普段より薄味を心がけましょう。
「くも膜下出血の前兆」についてよくある質問
ここまでくも膜下出血の前兆となる症状・予防法などを紹介しました。ここでは「くも膜下出血の前兆」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
くも膜下出血の前兆となる症状を発症しやすい季節はありますか?
中川 龍太郎(医師)
冬の寒い季節は、くも膜下出血は起こりやすいとされています。体の熱を逃さないように、血管は「しまる」傾向になります。その結果、血圧は上がりやすくなり、くも膜下出血を含めた脳卒中全体が多い季節となります。
くも膜下出血の前兆となる頭痛にはどんな痛みの特徴がありますか?
中川 龍太郎(医師)
突然出現した頭痛というのが特徴です。突然と言うのは、何をしていた時か明確にわかる、というものです。痛みの性質自体(どんな痛みか)や持続時間は非常に多彩で、断定はできません。
くも膜下出血の前兆となる症状と血圧に相関関係はありますか?
中川 龍太郎(医師)
血圧も相関します。やはり高血圧が続くと、くも膜下出血とその前の少量の出血は起こりやすくなります。また前兆症状として、血圧の乱高下も特徴的です。
編集部まとめ
くも膜下出血の前兆となる症状や原因、予防法についてまとめました。最後にお伝えしたいことは、とにかく疑ったら早く受診することです。非常に重篤な疾患ですので、これまで紹介した前兆となる症状が突然出現した際は、ためらわず救急要請してください。
「くも膜下出血の前兆」で考えられる病気と特徴
「くも膜下出血の前兆」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
くも膜下出血は重篤な病気なので、症状がなくても数年に一度は脳ドックなどで脳動脈瘤の有無を確認することをお勧めします。
「くも膜下出血の前兆」と関連する症状
「くも膜下出血の前兆」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 突然のめまい
- 頭がズキズキと痛い
- ものが二重に見える