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頭痛と鼻づまりは関連するの?副鼻腔炎の可能性と対処法

 更新日:2023/03/27

風邪やインフルエンザにかかってしまうと、鼻づまりや鼻水が出ることが多くあります。風邪やインフルエンザなどが回復しても、鼻づまりなどの症状はそのまま残っていることがあり、そして、場合によっては頭痛も起こることがあります。

ここでは、鼻づまりの原因、鼻づまりと頭痛の関係や、鼻づまりの対処方法などについて、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修医師
鈴木 香奈 (金沢駅前ぐっすりクリニック 院長)

鼻づまりの原因

鼻づまりは種々の原因で起こります。その原因について説明していきます。

副鼻腔炎

副鼻腔が細菌やウィルスに感染している場合(副鼻腔炎)や風邪を引いた場合、鼻水が出てきて鼻づまりが起こることがあります。

これは、細菌やウィルスが副鼻腔にある粘膜に感染して、炎症を起こしたためによるものです。この場合、鼻炎の場合と比較すると、鼻水が粘性をもち、鼻づまりが起こります。

アレルギー性鼻炎

多くの人がかかる花粉症ですが、これはアレルギー性鼻炎を代表するものです。アレルギー性鼻炎の場合は、鼻づまりというよりも、鼻水が大量に出てくる状態です。その鼻水が副鼻腔内に留まって鼻づまりが起こる場合や、鼻水のために鼻が詰まっていると感じる人も多いかと思われます。鼻づまりは主にアレルギー反応において産生・放出されるトロンボキサンA2、プロスタグランジンD2、ロイコトリエンなどの化学伝達物質が鼻粘膜の血管拡張や血管からの血漿成分を流出しを引き起こし鼻粘膜が腫れる事によって起こります。

(生まれつきの)鼻の構造が影響する場合

生まれつきの鼻の構造によって、鼻づまりが起こることもあります。

鼻づまりと頭痛の関係

鼻づまりが起こる原因についてですが、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が主な原因となります。それでは、鼻づまりと頭痛の関係について説明いたします。

頭痛が起こるメカニズム

頭痛を起こす原因は、脳出血などの病気による頭痛以外では、酸素不足と神経へ刺激が加わることにより起こることが多いでしょう。脳はからだの器官・臓器のなかで、最も多くの酸素を必要とする器官といわれているのですが、酸素不足になることで頭痛が起こってしまいます。

また、頭の鼻の奥付近に、三叉神経がかよっています。副鼻腔の腫れや鼻汁の影響によって、その三叉神経が刺激されることにより、頭痛が起こってしまう場合があります。

頭痛と鼻づまりの関係

鼻づまりが起こると鼻呼吸をすることが困難になってしまいます。よって、必然的に口で呼吸することが多くなります。本来、口は呼吸をするための器官ではありませんので、鼻よりも効率よく空気を取り込むことができません。そのために脳が酸素不足になってしまい、頭痛を発症してしまうことがあります。

鼻づまりが関係する頭痛を解消する方法

鼻づまりから起こる頭痛を解消するためには、鼻づまり自体を解消する必要があります。鼻づまりが解消すれば、多くは頭痛も解消するでしょう。そこで、鼻づまりを解消する方法をご紹介いたします。

鼻を温める

鼻自体を温めることによって、鼻づまりを一時的にですが解消することができて呼吸が楽になります。具体的に温める方法としては、入浴や蒸しタオルを鼻の上に置く方法が効果的です。また、洗面器などでお湯の湯気を鼻から吸うことも効果があります。

鼻のうがい

鼻は口と内部でつながっています。鼻うがいとは、鼻から水をいれて口から出すという方法です。鼻を洗浄することで、鼻の奥につまった鼻水を取ることができます。なお、最初は医療機関(耳鼻咽喉科)にて、具体的にどのように行うかの指導を受けるようにしましょう。

ペットボトルによる鼻づまり解消法

50mlのペットボトルを用意して、鼻がつまったときに右の鼻がつまっているなら左の脇に挟みます。左の鼻がつまっている場合は右の脇にはさみます。これは、交換神経を刺激することになり、鼻づまりが解消することがあります。

(子供の場合は)鼻吸い器にて鼻水を吸ってあげる

子供の場合は、親御さんが鼻吸い器で鼻水を吸うようにしてあげましょう。具体的な方法は医療機関(耳鼻咽喉科)を受診して、指導を受けるようにしましょう。

注意事項

鼻水を強くすすると、三叉神経を刺激してしまい、頭痛がひどくなる場合があります。鼻水はすするのではなく、かむことを心がけるようにしましょう。

また、頭痛があるので頭痛薬を使用すればよいのではと思って頭痛薬を服用しがちかもしれません。一時的には、頭痛がおさまりますが、頭痛薬の効果が切れれば、再発する可能性があります。また、頭痛薬を使いすぎると薬物乱用疼痛が起こってしまうことになりかねません。頭痛薬は痛みが我慢できないときに一時的に使用するようにしましょう。

副鼻腔炎の種類と症状、および、治療方法

副鼻腔とは鼻の孔(鼻腔といいます)の周囲にある4つの空洞のことです。副鼻腔の種類を列挙します。それぞれ左右に1対存在します。

  上顎洞(じょうがくどう):鼻の両側
  篩骨洞(しこつどう):両目の間の奥
  前頭洞(ぜんとうどう):眉間の近く
  蝶形骨洞(ちょうけいこつどう):目の奥

それでは、鼻づまりの原因の一つである副鼻腔炎の種類と症状について説明いたします。

急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎

副鼻腔炎には急性と慢性があります。風邪などが回復した後も、鼻水や鼻づまりなどの症状が続く場合は、急性の副鼻腔炎の可能性が高いと思われます。さらにそれらの症状が1ヶ月以上続く場合は、慢性の副鼻腔炎に移行してしまったとも考えられます。

慢性副鼻腔炎の症状

慢性副鼻腔炎の症状は、常時鼻がつまった状態になったり、膿のような鼻汁が溜まったりしてきます。さらに、頭重感や倦怠感、匂いがわからないという嗅覚障害となる場合があります。

急性副鼻腔炎の治療方法

急性副鼻腔炎の治療方法は、1週間程度の抗生物質や炎症抑制剤の投与、鼻腔の洗浄などがあります。

慢性副鼻腔炎の治療方法

慢性の副鼻腔炎の場合は上記の急性の治療方法に加えて、マクロライドという抗生物質を、2~3ヶ月、毎日少量投与する治療法が有効です。

内視鏡下副鼻腔手術

保存的治療では改善しない場合や症状が再発する場合は、手術療法が検討されます。現在ではESSという内視鏡下副鼻腔手術が行われています。従来に比べて術後の痛みが少なくて入院期間も比較的短く、副鼻腔自体の整理機能がある程度保たれます。なお、施術自体は技術的に高度なものが求められます。

鼻づまりが引き起こす頭痛の対処方法

鼻づまりや頭痛について、鼻づまりの原因や対処方法、鼻づまりがひき起こす頭痛などの関係について説明しました。

鼻づまりと頭痛が同時に起こると、仕事や生活に支障をきたすことが考えられます。風邪やインフルエンザの後に、鼻づまりの症状などが長引いている場合は、医療機関(耳鼻咽喉科)を受診しましょう。

また、蓄膿症とも言われる慢性副鼻腔炎も、医療技術・医療機器の進歩により、からだに大きな負担をかけることはなく行うことが可能です。短期間の入院は必要となりますが、副鼻腔の持っているもともとの機能をあまり損なうこともなく対応できるようになってきています。健康な体を維持・改善していくようにしましょう。

鈴木 香奈 医師 金沢駅前ぐっすりクリニック 院長監修ドクターのコメント
アレルギーの原因となるアレルゲンが鼻粘膜に到達するとアレルギー反応が起きて鼻粘膜が腫れてきます。鼻粘膜が腫れてくると鼻閉を感じるようになりますが、鼻とつながっている副鼻腔にも空気が入りにくくなります。これを副鼻腔換気障害といいますが換気障害で副鼻腔内が陰圧になる事で頭痛が発生します。また副鼻腔炎を起こすと三叉神経の刺激症状が発生して頬や額の痛みを感じるようになります。さらに三叉神経関連痛で頭全体的な疼痛や後頭部痛を出現する事があります。長引く頭痛を来す場合は受診された方が良いと思います。

監修ドクター:鈴木 香奈 医師 金沢駅前ぐっすりクリニック 院長

鼻づまりでおすすめの耳鼻咽喉科 中部編

金沢駅前ぐっすりクリニック

出典:http://www.gussuri.jp/kanazawa-index.html

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