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うっ血肝の症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27
うっ血肝

うっ血肝とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントを交えつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

うっ血肝とは

うっ血肝とは、何かが原因で肝臓内に血液が停滞し、一時的に肝臓の機能が低下することを指します。また、血液の停滞をうっ血というため、うっ血肝といわれます。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

うっ血肝は、肝臓そのものの病気ではなく、他の原因により肝臓内の血液の流れが停滞した結果、起きる病態です。

肝臓内に新鮮な血液が入らず低酸素状態になるため、虚血性の肝細胞壊死が起こっていると考えられています。

うっ血肝の症状

うっ血肝の症状は、一時的な肝機能低下として表れます。
軽症の場合は、血液検査でASTやALTという肝障害の指標になる値や、ビリルビンなどが上昇する程度です。
重症度が上がるにつれて、皮膚や眼の白目の部分が黄色くなる黄疸という症状や、肝臓に血液が多量にたまって肝腫大(肝臓が腫れる)となり痛みを生じたり、腹水が貯留したりします。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

うっ血肝の背景には心不全が存在することが多いため、うっ血肝の症状は、心不全の症状の一つであるとも捉えることができます。
また、他の心不全の症状として、下肢のむくみ、息切れなどもみられることがあります。

うっ血肝の原因

うっ血肝の原因の多くは心不全です。
血液は心臓を介して動脈から全身に送られ、また静脈から心臓に戻ります。
肝臓は下大静脈(=下半身の血液を心臓に送るための太い静脈)につながっており、心不全のために心臓がうまく血液を循環させることができなくなると、下大静脈の圧が高まり、それにつながる肝静脈の圧も高まり、血液がうっ滞します。
これがうっ血肝の起きる原因です。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

心不全以外にもうっ血肝は起こることがあります。
例えば、バッドキアリ症候群という、肝静脈が血栓などで閉塞しうっ血が起きる病気が挙げられます。
どんな病気でも肝血流のうっ滞が起きれば、うっ血肝が起こります。

うっ血肝の検査法

うっ血肝に特徴的な検査方法はなく、一般的な血液検査や腹部超音波検査、CT検査などで評価します。
血液検査で肝障害・肝機能低下を認め、腹部超音波やCT検査で肝静脈や下大静脈の拡張など拡張があればうっ血肝を疑う指標になります。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説
うっ血肝を疑う症状があれば、引き続きその根本原因を検索する必要があります。
そのため、心不全の評価として、心臓超音波検査なども行います。

うっ血肝の治療方法

うっ血肝は、心不全などによる肝臓のうっ血により起こる病態であるため、その根本原因の治療を行います。
心臓弁膜症などが心不全の原因ならばその治療を行い、うっ滞している余分な水分を外に出すために利尿薬を服用し、これ以上の増悪を防ぐために塩分制限食を指導するなどを行います。

うっ血肝の予防法

うっ血肝の予防は、心不全などが増悪しないようにすることです。
定期的な通院・服薬による管理や、運動習慣の確立・塩分や飲酒を控えるなどの食事療法が大切です。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

うっ血肝は適切な治療を行えば肝機能は回復します。
しかし、頻回に繰り返されると、徐々に慢性肝炎から肝硬変になります。
繰り返さないように予防することがとても大切です。

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