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その激痛は痛風のサイン?痛風の原因について徹底解説!

 更新日:2023/03/27

俗に「風が吹いても痛い」などとも言われる、激痛をともなう痛風という病気。

古くは紀元前8世紀、古代ローマ時代の記録にも痛風と思われる病気についての記述があり、神聖ローマ皇帝カール5世もその激痛に苦しめられたと言われています。

日本においても食の欧風化や肉食の増加にともない患者数が増加しており、痛風患者およそ96万人・痛風予備軍にいたってはなんと500万人とも言われているほどに蔓延している大変身近な病気なのです。

この痛風は食事や飲酒などの生活習慣が原因であることは一般的にも認知されていることとは思いますが、実際のところはあまり詳しくご存じで無い方も多いかと思います。

そこで今回は痛風についての基礎知識や、その原因となるメカニズムと発症へとつながる要因についてMedical DOC編集部がお届けいたします。

この記事の監修医師
古賀 昭義 (市谷八幡クリニック 院長)

痛風についての基礎知識

痛風の原因や要因について探っていくまえに、まずは痛風の基礎知識についてしっかり確認しておきましょう。

痛風とは?

痛風とは、主に20歳以降の成人男性に多くみられる病気であり、その症状は足の親ゆびなどの末端の関節が赤く腫れ耐えがたいほどの激しい痛みを伴います。

なんらかの原因によって血液中の尿酸値が高い状態である『高尿酸血症』が続き、これを放置してしまうことで体の中にたまった尿酸が結晶化してしまい激しい関節の痛みである『痛風発作』を伴う痛風へと重症化してしまいます。

突発的な痛風発作自体はたいていの場合では1週間~10日程度で鎮静化し症状が無くなりますが、ほとんどのケースでは1年以内に痛風発作が再発してします。

痛風治療や対応をおこたり痛風発作と無症状期を繰り返しているうちに徐々に発作の間隔が短くなり、関節の周囲をはじめとした身体に結節ができてしまうようになります。 さらに、最悪の場合には腎臓病や尿路結石などの病気へと重症化し、最終的には慢性痛風へと至ってしまう恐れがあるため適切な治療が必要となる恐ろしい病気なのです。

また痛風へとつながる高尿酸血症の患者は、心血管障害や脳血管障害などの動脈硬化リスクが増加することもわかっており、重篤な成人病へとつながる恐ろしいリスクがあるため適切な対応が重要となる病気なのです。

痛風の治療方法

痛風の治療では、痛風発作の原因となる『痛風関節炎』の治療と、痛風そのものの原因となる『高尿酸血症』の治療を同時におこなう必要があります。

痛風関節炎に対しては、非ステロイド抗炎症薬を中心とした投薬治療によって関節炎の治療をおこないます。

高尿酸血症に対しては継続的に血清尿酸値を低下させる必要があり、その重症度によって生活習慣の改善から薬物治療といった治療がおこなわれます。

痛風の原因とは?

痛風についての基礎知識を確認したところで、ここからは痛風の原因について探ってまいりたいと思います。 激しい痛みを引き起こす痛風は、一体どのような原因によって引き起こされてしまうのでしょうか?

痛風の原因物質

激しい痛風発作を伴う痛風。その原因は前項からもわかるように『尿酸』という物質にあります。

健康な人の身体の中にも一定量は存在しているこの尿酸は、通常の場合は血液などの体液中に溶けて状態で循環しており最終的には尿として排出されます。

しかし、何らかの原因によって血液中の尿酸濃度が高まり飽和濃度を越えてしまうと、血液中に溶けることが出来なかった尿酸が尿酸塩となり結晶化してします。 さらに血液中の尿酸濃度が高い状態が続いてしまうと、この尿酸塩の結晶が関節の内面に溜まってしまいます。

この尿酸塩を異物として排除しようとする白血球の働きによって、激しい痛みを伴う痛風発作が起きるのです。

尿酸濃度が上昇する原因

尿酸濃度をあらわす血清尿酸値を上昇してしまう要因には、『遺伝的要因』と『環境要因』のふたつがあることがわかっています。

ここからは、痛風リスクへとつながる血清尿酸値の上昇を引き起こしてしまうふたつの要因について探ってまいりたいと思います。

遺伝的要因

痛風の原因となる尿酸値上昇の要因について、従来までは食生活などの生活習慣によるものだと考えられてきましたが、近年の研究によって『痛風遺伝子』とも言える痛風発症リスクを増加させる5つの遺伝子が発見されました。

この痛風遺伝子は、痛風発症リスクを増加させるというネガティブな側面がありながらも、発症した痛風のタイプを判別することを可能とするなど痛風治療の現場において非常に大きな進歩をもたらしました。

さらにこの痛風遺伝子によって痛風予防の可能性や、現在はまだ根治が難しい痛風に対する医療の進歩へとつながる可能性が秘められていると言われています。

環境要因

痛風へとつながる尿酸値上昇の要因について、従来から広く知られている環境要因として食習慣をはじめとした生活習慣などいくつかの要因が挙げられます。

以下では、この環境要因について詳しく解説してまいりたいと思います。

尿酸値上昇をまねく環境要因

食習慣

痛風にとっての大敵と言われている『プリン体』という名前を耳にしたことがある方も多いかと思います。このプリン体、実は尿酸の原料となる物質なのです。したがって、プリン体を摂取しすぎると尿酸値が高くなり、結果として痛風リスクの増加へとつながると考えられます。

一般的には、肉類や魚介類にはプリン体が多く含まれていると考えられていますが、種類や部位によってはその限りではありません。 レバー類・白子・イワシ干物などは、100gあたり200㎎以上とプリン体の含有量が多い食材として知られています。

食材の数には限りが無いのでここでは割愛しますが、食事におけるプリン体摂取量の把握と管理は痛風リスクの軽減において極めて重要であると言えるでしょう。 1日のプリン体の摂取目安量とされている400mg以下に留めることを心がけるとよいでしょう。

またプリン体以外にも、果糖の摂取量が多くなると尿酸値が上昇することもわかっています。加えて、肥満は痛風の代表的な合併症となります。 甘いものの食べ過ぎや肥満も痛風の要因となることをおさえておきましょう。

飲酒

アルコールが体内で分解されると尿酸が作られることがわかっています。 さらに、分解の際にできる乳酸には尿酸を体内にとどめる作用があることもわかっています。 このことが原因となって尿酸値が増加することで痛風リスクが増加してしまいます。

さらに、ビールには尿酸値上昇の要因となるプリン体が多く含まれていることから痛風にとっての大敵であることが知られています。

このように、アルコール自体の作用やアルコール飲料に含まれるプリン体によって、飲酒による痛風リスクの増加が生じることとなります。

ストレス・行動パターン

過度なストレスによって尿酸値が増加することがわかっています。

また、スポーツなどの激しい運動は尿酸値の一時的な増加を招くこともわかっており、加えて発汗などによる脱水状態も尿酸値上昇の原因となります。

他の病気や薬の影響

腎機能の低下や血液の状態などによって尿酸値が増加するケースがあります。 また、悪性腫瘍が尿酸値上昇の原因となるケースがあります。

さらに、利尿薬や喘息治療薬など薬剤の中には尿酸値を増加させる作用があるものもあります。 医師や薬剤師との適切な連携は痛風リスクの軽減において極めて重要となります。

加えて、サプリメントなどの健康食品のなかにも増加させる作用があるものもありますので、適切な摂取を心がける必要があります。

生活習慣の改善で痛風リスクの軽減を

いかがでしたでしょうか?

今回は、激しい痛みをともなう『痛風発作』のみならず、重篤な成人病リスクへとつながる痛風について、その基礎知識や原因について解説してまいりました。

偏った食事や飲酒などの生活習慣が主な原因となり尿酸値が増加することによって痛風リスクの増加をまねいてしまうことがおわかりいただけたかと思います。 生活習慣の改善や薬剤の適切な使用を心がけることで痛風リスクの軽減を心がけるとよいでしょう。

またストレスの適切な発散や、スポーツなどによる発汗の際の水分補給なども痛風リスクの軽減をもたらすこともあわせて踏まえておきましょう。

さらに、これらの適切な生活習慣は痛風のみならずさまざまな成人病リスクの軽減へとつながります。 健康的な生活習慣を心がけることは、痛風などの生活習慣病に脅かされることのない健全な日常生活をもたらすと言えるでしょう。

監修ドクターコメント

古賀先生

痛風は外来診療で多く遭遇する疾患です。
また、健康診断で尿酸値が高いと診断される方も多くいらっしゃると思います。
痛風の原因には、2つのタイプあります。
尿酸の合成が多くなっているか尿酸の尿中への排泄が低下しているかです。
生活習慣や採血、採尿検査でどちらかのタイプかを診断してから生活指導、投薬治療を行います。
また、痛風発作は足の親指付け根しか出ないと思っている方もおられます。
実際は、アキレス腱の付着部や膝関節などにも痛みが出ることがあります。
また、高齢者では痛風発作に似た『偽痛風(ぎつうふう)』という激痛が膝なのに出ることがあります。
痛風は早期に治療すればコントロールできる病気です。
外傷がないのに、関節が赤く腫れて激痛を感じたらまず内科か整形外科を標榜している診療所を受診してください。

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