アレルギー性接触皮膚炎の症状や原因、治療方法とは?
アレルギー性接触皮膚炎(読み方:あれるぎーせいせっしょくひふえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
春名令子 医師(はるなクリニック副院長)
アレルギー性接触皮膚炎とは
アレルギー性接触皮膚炎は刺激性接触皮膚炎と異なり、主に微量の低分子の抗原であるウルシ、ニッケルなどのハプテンが皮膚について皮膚炎を起こします。アレルギー性接触皮膚炎の発症には抗原にかぶれてしまう感作相とかぶれた後に抗原が再度皮膚に接触して炎症を起こす惹起相の2相があるとされています。抗原に感作されたアレルギーのある方のみかぶれが起こります。
引用:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa4/q05.html
アレルギー性接触皮膚炎の症状
通常、ハプテンが接触した皮膚に限局して湿疹反応が引き起こされる。典型的な反応では、ハプテンが表皮に侵入後約12時間でかゆみが感じられ、つづいて紅斑、浮腫が出現し、24~72時間後に反応が強くなる。その後、炎症反応は消退し、10日程度で治癒するが、その程度は接触したハプテンの量、生体の遺伝的素因、角層のバリア機能の状態、感作状態などにより異なる。皮膚病理組織は、表皮の海綿状態、リンパ球の表皮内浸潤、真皮上層にリンパ球を主体とする浸潤と毛細血管拡張が認められる。
引用:日本化粧品技術者会
https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/78
アレルギー性接触皮膚炎の原因
原因となる物質は、日用品、装飾品、植物などに含まれている。代表的な物質としては、クロム、ニッケル、コバルトなどの金属アレルゲン、ゴム製品加工に用いられる化学物質、漆に含まれるウルシオールなどである。
引用:日本化粧品技術者会
https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/78
アレルギー性接触皮膚炎の検査法
くりかえす皮膚症状、長びくかゆみの原因に遅延型アレルギー反応が関連していることがあり、それを調べる方法に、「パッチテスト」という検査法があります。
遅延型アレルギー反応は、何度もアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)と接触をくりかえすうちに皮膚を通じてアレルギーが成立し、そのアレルゲンに触れると翌日~2日後くらいに最も激しい症状が出現するようになります。このようなアレルギー性接触皮膚炎の原因を確認できる手段として、「パッチテスト」がもっとも有用な検査法です。
検査の方法は、原因としてうたがわれるアレルゲンをのせた専用シートを上背部の皮膚に貼り、一定時間«通常48時間»アレルゲンを閉鎖貼布して皮膚から吸収されたアレルゲンが経時的に皮膚に及ぼす反応を調べます。検査初日にアレルゲンを背中に貼布、2日後に病院で剥して1〜2時間後に初回判定、翌日の判定、さらに翌週の判定をします。
またアレルゲンを皮膚に貼っておくことで、稀ではありますが新たにアレルギーを作ってしまうことがあるので、医師と相談しながら検査を進めます。引用:佐藤製薬 e-アレルギー.com
http://e-allergia.com/inspection/index.html
アレルギー性接触皮膚炎の治療方法
原因となる物質を突き止めて、その物質との接触を避け、短期的にステロイド外用薬を使用します。かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬を内服します。
引用:協和発酵キリン株式会社 かゆみナビ
http://www.kyowa-kirin.co.jp/kayumi/disease/case03.html