爪白癬の症状や原因、治療方法とは?
爪白癬(爪水虫)(読み:つめはくせん、別名:つめみずむし)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
高橋 典大 医師 飯田橋クリニック院長
爪白癬とは
爪水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種の感染によって引き起こされる爪の病気で、医師の間で爪白癬(つめはくせん)とよばれています。白癬菌の感染による病気は爪以外にも生じることが知られており、足であれば足白癬(水虫)、頭であれば頭部白癬(しらくも)とよばれています。
爪水虫にかかった爪は、白色や黄色に濁ったり、厚くなってぼろぼろと欠けたりします。水虫というとかゆくなるイメージが強いですが、爪水虫は、かゆみがないため見過ごされがちです。引用:科研製薬株式会社 つめ水虫.jp
http://www.tumemizumushi.jp/cause/index.html
皮膚の白癬を繰り返していると、そのうち白癬菌は爪に入ってしまいます。白癬菌は角質の成分であるケラチンを栄養としますが、爪にはケラチンを多く含んでおり、寄生してしまい症状が進行していきます。
痒みや、痛みがないため放置されがちですが、残念ながら、ほうっておいて治るものではありません。
爪白癬の症状
爪水虫の特徴としては、爪を白く濁らせてしまいます。
時に、白い筋が入ることもあるので、見た目的にも分かりやすいかもしれません。
治療せずに放置しているとどうなるかというと、
まず初期症状としては、爪の先などが白濁し始めます。
そして、白癬菌は指側に感染していき、爪の色も白・黄・黒色へと変色し、
爪の厚みが増え、盛り上がったようになります。
この厚くなった爪は、非常に脆く、ポロポロと剥がれ落ちるのですが、
これは新たな水虫の原因となるので注意が必要です。
ある程度症状が進行した方に関しては、白濁や肥厚も明らかでわかりやすいのですが、初期の場合は、見た目ではかなり微妙な場合もあります。
爪白癬の原因
主に白癬菌(はくせんきん)などのカビが原因で起こる感染症
引用:ふじた形成外科・皮膚科クリニック
https://fujita-keisei.jp/guide/254
爪白癬の検査法
診断は爪の濁った部分の角質を採取して、顕微鏡で調べて白癬菌を見付ければ良いのです。爪が濁る原因は爪白癬以外にもありますので、白癬菌を検出することが最も大事です。
引用:日本皮膚科学会
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa38/q05.html
検査方法としては、医療機関で爪を削り取ったりして、顕微鏡で中の菌を確認します。白癬菌を検出することが確定診断となります。
爪白癬の治療方法
爪水虫には抗真菌薬(原因となる白癬菌等を死滅させる薬)による薬物治療が主に行われます。抗真菌薬には、塗って治す外用薬と、飲んで治す内服薬があります。
内服薬は、体内に取り込まれ、体の内側から治すのに対して、外用薬は爪に直接塗り、有効成分が爪の中や爪の下に浸透して白癬菌が潜む場所まで届くことで、増殖した白癬菌を死滅させます。引用:科研製薬株式会社 つめ水虫.jp
http://www.tumemizumushi.jp/treatment/index.html
・エフィコナゾール外用液(クレナフィン爪外用液)
爪への浸透性を良くしたお薬
・ルリコナゾール外用液(ルコナック爪外用液)
軟膏やクリームは通常1%含有されていますが、このお薬は濃度を5%とし、爪への浸透性を高めています。
上記のものを使用します。
軽い症状の方や、真面目にお薬を使用し続けた方は、外用薬だけで治ることもありますが、症状の重い方などは、なかなか外用薬だけでは治りにくいかもしれません。但し、内服薬ではまれに肝機能に影響をきたす場合がありますので、注意が必要です。
基本的に健康的な人の場合、内服薬で早く治したほうが現実的です。
水虫が長年治らない方や爪に変化のある方は、まずは一度、専門医の診察を受けましょう。
あと、治療にはご本人の自覚が必要です。
日本は、40歳以上の4分の1が水虫だという調査結果があり、世界最大の水虫大国です。靴と靴下を常に履き、常に高温多湿の状態でいるので、白癬菌が増殖しやすい環境になっています。
そういったことを意識して、しっかりした対策を立てることが大切です。
●爪水虫の予防法
お風呂でしっかり足のゆびの間も石鹸で洗いましょう。ブラシでゴシゴシしなくても大丈夫です。そしてお風呂から上がったら、しっかり丁寧にゆびの間もタオルで拭きましょう。水分が残っているとじめじめし始めます。その後に抗菌リキッドや、クリームを塗って菌が広がるのを防いでおきましょう。
常に清潔にしてあげることが基本です。