前立腺肥大症の症状・原因・治療方法について

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前立腺肥大症とは
前立腺肥大症とは、前立腺が歳をとるにつれてだんだんと大きくなり、尿道を圧迫して尿が出にくくなる病気のことです。通常の前立腺の大きさはクルミ大くらいで、これが大きくなると鶏卵大以上になり、症状が進むと尿が全く出なくなることもあります。
ドクターの解説前立腺肥大症の症状
病状の進行(第1期から第3期)に応じて症状が異なります。
第1期:膀胱刺激期 ・トイレに行く回数が増えた ・尿の勢いが弱くなった ・トイレに行ってもまたすぐに行きたくなる これらの症状は、前立腺肥大の初期症状であり、肥大した前立腺が膀胱や尿道を刺激することにより起こります。 第2期:残尿発生期 ・おしっこをするときに力むようになった ・トイレに立ってからおしっこが出るまでに時間がかかる ・おしっこの切れが悪くなった ・おしっこの途中で尿が途切れてしまう これらの症状は、肥大した前立腺により尿道が圧迫され細かくなることが原因と考えられます。症状が進むとおしっこを全て出し切ることが出来なくなり、膀胱におしっこが残った状態(残尿)になります。 第3期:慢性閉塞期 ・トイレに行く回数が非常に多くなった ・一回にかかる時間も長く(数分)なった 更に症状が進むと、尿が出なくなります。
ドクターの解説前立腺肥大症の原因
前立腺が肥大する原因ははっきりとは解明されていません。しかし、「男性ホルモンの働き」が関与していることは間違いなく、中高年になって男性ホルモンを含む性ホルモン環境の変化が起こることにより、前立腺が肥大すると考えられています。
ドクターの解説前立腺肥大症の検査法
前立腺肥大症の検査には、以下のようなものがあります。
自覚症状の程度の評価 症状質問票を用いて、前立腺肥大症の症状レベルをスコアで評価します。 直腸内指診 肛門から直腸に直接指を入れて前立腺を触り、形状や硬度、痛みの発現有無などを確認します。 尿検査 尿を検査し、濁りや血尿の有無を検査します。 尿流測定 検査機器に排尿し、尿の勢いや量、かかった時間などを数値化して確認します。 残尿測定 排尿直後の残尿量を下腹部への超音波検査にて測定します。 血清PSA測定 前立腺から分泌されるタンパクであるPSAの濃度を、血液検査により測定します。 PSA濃度が上昇している場合、前立腺肥大や前立腺がんの疑いがあるのです。 前立腺超音波検査 超音波検査により、前立腺の大きさを正確に計測可能です。
ドクターの解説前立腺肥大症の治療方法
前立腺肥大症の初期には治療の必要はありませんが、軽症から中等症になると薬物療法を行います。 薬物療法 前立腺や尿道の筋肉の緊張を和らげて尿を出やすくする「α1遮断薬」が最も多く使われます。「α1遮断薬」は即効性があり、通常は飲み始めて1週間以内から効果が出てきます。そのほか、即効性はないものの男性ホルモンの作用をおさえて、肥大した前立腺を徐々に小さくする作用がある「5α還元酵素阻害薬」や、頻尿や残尿感などの症状を和らげる効果がある、植物製剤や漢方薬なども使われます。
手術 薬物療法を行っても排尿症状が改善せず、尿閉(にょうへい/尿が詰まって出なくなること)や血尿、膀胱炎を繰り返す場合や、膀胱結石ができたり腎機能が悪化したりすれば手術が勧められます。お腹を切らずに尿道から内視鏡を挿入して、肥大した前立腺を高周波電流で切除する「経尿道的前立腺切除術(TUR-P)」が標準的な手術法です。最近は、レーザーを用いて肥大した前立腺組織を摘出する「ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)」を行う病院が増えています。HoLEPは、TUR-Pでは切除が難しく、開腹手術が必要となるほど大きく肥大した前立腺でも、出血を少なくおさえて完全に摘出することができる安全な手術法です。
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