サルモネラ食中毒の症状や原因、治療方法とは?
サルモネラ食中毒(読み方:さるもねらしょくちゅうどく)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
春名令子 医師(はるなクリニック副院長)
サルモネラ食中毒とは
サルモネラ感染症は、サルモネラ属の細菌によって引き起こされる感染症で、主にサルモネラ・エンテリティディスという細菌が原因となっています。
国内の食中毒事例では、件数、患者数ともに毎年上位にランクされています。サルモネラ感染症は、原因食品として「鶏卵」がよく知られていますが、鶏卵以外にも食肉での感染や、人やペットからの接触感染によって発症することもあります。
潜伏期間は、5~72時間(平均12時間)です。引用:健栄製薬株式会社
https://www.tepika.net/infection/salmonella.html
サルモネラ食中毒の症状
感染して12時間から72時間の症状のない期間があった後に下痢、腹痛、発熱などが見られます。まれにサルモネラ菌が血液中に入り、他の臓器に病気を起こし、重症化することもあります。特に高齢者、小児や免疫に障害がある人は注意が必要です。
引用:厚生労働省検疫所FORTH
https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name06.html
サルモネラ食中毒の原因
汚染された食品が原因となる「食中毒」による感染経路と、感染者やペットのふん便が原因となる「感染症」の経路があります。
食中毒経路
汚染された食品の生食、あるいは不十分な加熱により食べた場合
【原因食品】鶏卵、生肉、生レバー、生ケーキなど
汚染された調理器具や手指を介して、二次的に汚染された食品を食べた場合
【原因となりやすい調理器具】まな板、包丁、布巾、スポンジなど感染症経路
患者のふん便処理後に、手洗い・手指消毒が不十分なことにより、汚染された手指を介して接触感染する場合
汚染された箇所(患者が用便後などに触れたドアノブやテーブルなど)に触れることで、手指が汚染されてしまう間接的な接触感染の場合
ペットに触れ合うことで手指が汚染され、感染する場合(ペットは症状を示していなくても、腸内に保菌していることがあります。)
【原因動物】ミドリガメ、イグアナなどの爬虫類、イヌ、ネコなど引用:健栄製薬株式会社
https://www.tepika.net/infection/salmonella.html
サルモネラ食中毒の検査法
その他の食中毒菌による急性胃腸炎でも共通することであるが、症状と患者背景により臨床診断をし、平行して確定診断を行う。38 ℃以上の発熱、1 日10 回以上の水様性下痢、血便、腹痛などを呈する重症例では、まず本症が疑われることが多い。検査所見では、炎症の程度に応じて白血球数、CRP 等の炎症反応の増加が見られる。菌血症や胃腸炎でもトランスアミラーゼが上昇することがある。確定診断は糞便、血液、穿刺液、リンパ液等より菌の検出を行う。
サルモネラの特異的な迅速診断法はない。引用:国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/409-salmonella.html
サルモネラ食中毒の治療方法
腸の感染には経口で水分を与え、重症の場合は静脈から輸液を行います。
抗菌薬では回復期間は短くならず、便中への細菌の排泄が長引く場合があります。そのため、通常は抗菌薬を使用しません。
引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/16-感染症/細菌感染症/サルモネラ感染症