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膵胆管合流異常の症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

膵胆管合流異常(読み方:すいたんかんごうりゅういじょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
半田 理雄 医師 (医療法人晃生会 半田クリニック 副院長)

膵胆管合流異常とは

膵管胆道合流異常は、解剖学的に膵管と胆管が括約筋の作用が及ばない十二指腸壁外で合流する「先天性の形成異常」です。胆管拡張を伴うものは先天性胆道拡張症と呼ばれています。
 括約筋の作用が作用しないため、膵液と胆汁が相互に逆流し、特に膵液が胆道内に逆流(膵液胆道逆流現象)する場合、胆道がんの発生リスクになることが報告されています。逆に、胆汁が膵管内に逆流すると(胆汁膵管逆流現象)、膵炎の原因になることがあります。

引用:広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 応用生命科学部門 第一外科
http://surgery1.hiroshima-u.ac.jp/about/diagnosis/folder29/post-40.html

半田理雄 医師 医療法人晃生会 半田クリニック 副院長監修ドクターのコメント
膵液は膵管を、胆汁は胆管を通って十二指腸へ流れますが、それが本来合流する管と違うところで合流しておこる異常のことをいいます。先天的で、胎児の時の成長過程で起こります。とても珍しい病気です。

膵胆管合流異常の症状

膵胆管合流異常があるだけでは、症状はありません。 
 腹部CT検査や胆嚢ポリープの精密検査(内視鏡的逆行性膵管胆管造影検査や内視鏡超音波など)により偶然に発見されることが多いです。
 胆管炎や膵炎を起こした場合、腹痛、嘔吐、発熱などの急性炎症の症状を起こします。また、胆道がんが発生した場合は、黄疸、閉塞性黄疸に伴う灰白色便、腹部腫瘤などの症状を起こすことがあります。

引用:広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 応用生命科学部門 第一外科
http://surgery1.hiroshima-u.ac.jp/about/diagnosis/folder29/post-40.html

膵胆管合流異常の原因

膵管胆道合流異常は、解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の奇形で、合流部に括約筋の作用が及ばないため、膵液と胆汁が相互に逆流し、胆管炎、胆石形成、閉塞性黄疸、急性膵炎、などの様々な病態を引き起こします。胆管拡張を伴うものは先天性胆道拡張症と呼ばれています。

引用:日本膵・胆管合流異常研究会
http://www.jspbm.jp/about.html

膵胆管合流異常の検査法

血液検査では肝機能異常や高アミラーゼ血症がみられます。腹部超音波検査やCT検査により診断は比較的容易です。膵・胆管合流異常の詳細を知るためには術中胆道造影や内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)が行われます。

引用:獨協医科大学埼玉医療センター小児外科
http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-k/ped_surg/cbdpbmj.html

半田理雄 医師 医療法人晃生会 半田クリニック 副院長監修ドクターのコメント
膵胆管合流異常は、偶然発見されることが多く、造影剤を流し撮影することで判明します。
治療は、症状によって内科的な処置を行い、無理な時は手術となります。ですが、高熱等の特に大きな症状がなければ治療は行いません。合流の程度によります。そのため、症状によって治療方法も治療期間も異なってきます。

膵胆管合流異常の治療方法

肝外胆管切除を行い、消化管と胆管を吻合することにより膵液と胆汁の相互逆流を遮断する分流手術が必要です。胆管拡張例では診断がついた時点で分流手術を施行することが推奨されていますが、胆管非拡張例では胆嚢摘出術のみ施行して経過観察することもあり、胆管切除を施行するべきか一定の結論は得られていません。

引用:日本膵・胆管合流異常研究会
http://www.jspbm.jp/about.html

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