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胆石症の症状・原因・治療方法とは

 更新日:2023/03/27

胆石症(読み方:たんせきしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
河島祥彦 医師(医療法人河島医院 理事長)

胆石症とは

胆石は胆のうや胆管内にできた結晶で、胆のうにあるときは胆のう結石(けっせき)症(胆石症)、胆管にあるときは総胆管結石症、肝臓内の胆管にあるときは肝内結石症といいます。我が国では胆のう結石が最も多く約80%を占めます。ほとんどの胆石は胆のうにでき、胆管に流れ出ます。この胆石により胆管が塞がれてしまうと、胆管や肝臓に細菌感染を起こしたり、膵炎、黄疸(おうだん)の危険性がでてきます。胆のう結石の60%はコレステロール胆石(コレステロールを70%以上含む結晶)ともいわれています。胆管結石ではカルシウム・ビリルビン結石(カルシウムとビリルビンの結晶)が主体です。

引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
http://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/biliary-tract/biliary-tract_02.html

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長ドクターの解説
胆石症で痛みを伴う症状がある方は、高脂肪食や生卵を控えるように心がけましょう。
食生活では、洋食よりも日本食を中心にしたほうが発作を起こしにくくなります。

また、胆石症で注意したいのは胆嚢がんのリスクです。胆石症が胆嚢がんを引き起こす直接的な原因となるのかどうかは、医学的にはまだはっきりわかっていません。
しかし、胆嚢がんの人に胆石症の合併例が多いことは事実です。

胆石症の方は、もし胆嚢がんになっても早期発見・早期治療ができるように、定期的に超音波検査を受けておくことをおすすめします。

胆石症の症状

胆石症では特徴的な腹痛のほか, 発熱, 黄疸, 悪心・嘔吐などの症状を認めることがあるが, 無症状であることも少なくない. 胆道痛を考えさせる腹痛については, 胆石の存在を念頭に置いて診療にあたることが適切と考えられる.

引用:日本消化器病学会ガイドライン「胆石症診療ガイドライン2016」
https://www.jsge.or.jp/guideline/guideline/pdf/GS2_re.pdf#page=52/

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長ドクターの解説
胆嚢結石の代表的な症状は食後の腹痛ですが、痛みの現れ方は人それぞれです。
キリキリという痛みを感じる方もいれば、我慢できないような激しい痛みを感じる方もいらっしゃいます。
また、背中や右肩のこり・痛みも食後に感じる場合が多くなっています。

症状にあった薬を飲むことで痛みは緩和できますので、まずはお近くの内科に相談してみてください。
また、胆嚢結石で自覚症状がない場合、そのまま様子を見るかどうかは医師によって判断が分かれるところです。

少なくとも、胆嚢の機能が破綻して機能していない場合、あるいは慢性の胆嚢炎を合併している場合は、手術を検討したほうが望ましいでしょう。

胆石症の原因

胆汁中に溶けているコレステロール、ビリルビンなどの物質が様々な原因(胆汁中に過剰に排泄、胆道感染など)により胆汁中に溶けきれなくなり、結晶になります。

引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
http://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/biliary-tract/biliary-tract_02.html

胆石症の検査法

胆石の位置や種類、胆道の機能の異常を発見する為に、主に腹部超音波検査、胆道造影X線検査、CT検査を行います。内視鏡検査では、精密検査で、内視鏡的逆行性胆膵管造影法(Endoscopic retrograde cholangiopancreatography:ERCP)や経皮(けいひ)経肝胆管造影法(Percutaneous transhepatic cholangiograpy:PTC)等を行います。

引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
http://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/biliary-tract/biliary-tract_02.html

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長ドクターの解説
ご本人に自覚症状がない場合、血液検査のみで石を見つけることは困難です。
特に胆嚢結石の場合は腹部超音波検査で見つかるケースが圧倒的に多くなっています。

私が診た患者さんの中には、腹部超音波検査で胆石症が見つかった方もいました。
胆石症かもしれないと感じた場合は、腹部超音波検査を実施している医療機関の受診をおすすめします。

また、腹部超音波検査は患者さんの体への侵襲がなく、何度も繰り返し実施できる、安全性の高さもメリットです。少なくとも年1回受けておくと安心です。

胆石症の治療方法

生活の改善:
症状のない胆のう胆石症には治療の必要はありません。また、脂肪の多い食事をひかえることで、痛みの予防ができます。

手術と薬物療法:
痛みの発作が繰り返しおこる胆のう胆石症には、石を溶かす薬や石を砕く方法(体外衝撃波結石破砕法)をとります。また、胆のう摘出(てきしゅつ)手術も検討されます。胆のう摘出は約90%が腹腔鏡(ふくくうきょう)下で行われるようになり、患者さんの身体の負担も少なくなりました。胆のう摘出術は大きく進歩しましたが、胆のうを残すことは代謝を維持するのに重要なことでもあり、摘出と温存の選択が今後の課題です。

内視鏡治療:
胆管結石症では、内視鏡を用いた治療が進歩し、主流になってきています。

引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
http://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/biliary-tract/biliary-tract_02.html

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長ドクターの解説
腹腔鏡下胆嚢摘出手術に伴う入院日数は、1週間前後となる場合が多いでしょう。
一方、開腹手術の場合は2週間前後が目安です。

手術において注意したいのは、ごくまれに胆嚢摘出後症候群を発症するケースがあることです。
これは胆嚢を摘出した場所に腸管が入り込んで癒着を起こし、食後の腹痛や不定愁訴が生じるものです。無症状だった方が、手術を受けたがために不定愁訴に悩まされる恐れもゼロではありません。

手術を受ける方は、リスクまでよく理解しておきましょう。

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