FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 病気の事典
  3. 過換気症候群の症状や原因、治療方法とは?

過換気症候群の症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

過換気症候群(読み方:かかんきしょうこうぐん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
品川弥人 医師(しながわ内科・循環器クリニック院長)

過換気症候群とは

過換気症候群は,不安に関連する呼吸困難および頻呼吸であり,しばしば全身症状を伴う。

過換気症候群は若年女性に最も多くみられるが,男女問わずあらゆる年齢に起こりうる。この疾患はときに精神的ストレスを伴う出来事によって引き起こされる。過換気症候群はパニック症( パニック発作およびパニック症)と重複する部分があるが,それぞれ別の疾患である;パニック症患者の約2分の1は過換気症候群を有し,過換気症候群患者の4分の1はパニック症を有する。急性でも慢性でも起こる。慢性過換気症候群の方がより頻度が高いが,急性の方がより認識しやすい。

引用:MSDマニュアル プロフェッショナル版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/05-肺疾患/肺疾患の症状/過換気症候群

過換気症候群の症状

発作時には、実際は過換気運動を繰り返しながら,患者さん自身は空気を吸い込めない吸気不全を感じ,胸部絞扼感(胸がしめつけられる),四肢または全身のしぴれ,けいれんを伴った極度の不安状態に陥り、失神する場合さえあります。そして神経筋症状(頭痛、めまい、しびれ、振戦、けいれん)など全身の多彩な状を呈して、「死ぬのではないか」という不安感を伴います。

引用:加古川医師会
http://www.kakogawa.hyogo.med.or.jp/memo/過換気症候群

品川弥人 医師 しながわ内科・循環器クリニック 院長ドクターの解説
過換気症候群は、急に息が上がってきてしまい、呼吸が苦しくなってくる疾患です。時間が長く続いたり、ひどくなってくると全身に酸素が行きわたらず、手足のしびれ、めまいなどの症状が現れる場合もあります。

過換気症候群の原因

一般には、不安・不満・葛藤などの心の問題がもとになって起こります。それに、自律神経系の異常、呼吸を司る呼吸中枢の異常、呼吸感覚の問題などが関係して、症状が起こると考えられています。また様々な症状の原因としては、速くて深い呼吸を繰り返すことにより、血液中の炭酸ガスが極端に減って、血液が強いアルカリ性となることが挙げられます。

引用:加古川医師会
http://www.kakogawa.hyogo.med.or.jp/memo/過換気症候群

品川弥人 医師 しながわ内科・循環器クリニック 院長ドクターの解説
過換気症候群は精神的な不安から発症するので、日頃から心理的ストレスを感じやすい人、何事にも不安を感じやすい人がかかりやすい疾患です。そのため、どの年代でもかかる可能性のある疾患ですが、特に若い女性に多い傾向にあります。

過換気症候群の検査法

呼吸がはやく、呼吸困難感を訴える患者さんで、上記の自覚症状や筋肉のけいれん、硬直などの所見があればこの病気を疑います。動脈血液ガスの検査では、炭酸ガス濃度が低く、アルカリ性になります。

引用:日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=41

過換気症候群の治療方法

治療ですが、意識的に呼吸を遅くするあるいは呼吸を止めることで症状は改善します。患者さんは不安が強くなかなか呼吸を遅くすることができませんので、まずは患者さんをできるだけ安心させゆっくり呼吸するように指示します。紙袋を口にあてていったん吐いた息を再度吸わせることで、血液中の炭酸ガス濃度を上昇させる方法(ペーパーバック法)がありますが、この方法では血液中の酸素濃度が低くなりすぎたり、炭酸ガス濃度が過度に上昇したりする可能性がありますので充分な注意が必要です。不安が強い患者さんでは、抗不安薬などの投与を行うことがあります。

引用:日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=41

品川弥人 医師 しながわ内科・循環器クリニック 院長ドクターの解説
過換気症候群は、精神的な不安やストレスなどから起こることが多いです。そのため、症状が表れた場合は、ゆっくりと呼吸をしてもらい、自然と呼吸が安定してくるのを待ちます。精神的に落ち着いて来ることで症状は治まってくることがほとんどです。ただし、何度も繰り返す場合は根本的な原因の治療が必要となりますので、精神科の受診をお勧めします。

この記事の監修ドクター

この記事の監修医師