肺水腫の症状や原因、治療方法とは?
肺水腫(はいすいしゅ)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
品川弥人 医師(しながわ内科・循環器クリニック 院長)
肺水腫とは
肺は酸素を取り入れ、体内で生じた二酸化炭素を排出するために、肺胞(はいほう)と呼ばれる小さな袋状の構造物に空気を取り入れています。この肺胞の周りには網目状の毛細血管が取り巻き、空気と血液との間で酸素と二酸化炭素が交換されています。肺水腫はこの毛細血管から血液の液体成分が肺胞内へ滲み出した状態です。肺胞の中に液体成分が貯まるため、肺で酸素の取り込みが障害されて重症化すると呼吸不全に陥ることがあります。
引用:一般社団法人日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=31
肺水腫の症状
肺水腫の主な症状は呼吸困難です。仰向けになると息苦しくなるため起き上がって座りたくなったり、夜中に突然息苦しくて目が覚めたりします。また、のどの奥でゼーゼーという音がしたり、ピンク色の泡のようなたんが出ることがあります。進行すると皮膚や口唇は紫色になり、冷や汗をかいて血圧が下がり意識状態が悪くなることもあります。
引用:一般社団法人日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=31
肺水腫の原因
肺水腫の原因には大きく分けて二種類があります。一つは心臓に原因がある場合で、何らかの原因で心臓の左心室から全身へ血液を送り出す力が低下し血液が肺に過剰に貯留する状態で、これを心原性肺水腫と呼びます。もう一つは心臓以外の原因で生じるため非心原性肺水腫と呼ばれます。このタイプは肺毛細血管の壁が病的変化により液体成分が滲み出しやすくなって生じるもので、中でも急性呼吸窮迫症候群といわれるものは死亡率も高い疾患です。非心原性肺水腫は重症肺炎、敗血症、重症外傷など様々な疾患に引き続いて生じます。
引用:一般社団法人日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=31
肺水腫の検査法
診断は胸部エックス線画像で典型的な画像であれば容易ですが、典型的でない場合には様々な検査を組み合わせる必要があります。
引用:一般社団法人日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=31
肺水腫の治療方法
治療は,酸素投与,硝酸薬の静注,利尿薬,ときにモルヒネおよび短期間の陽性変力薬の静注,気管挿管,ならびに機械的人工換気による。
引用:MSDマニュアル プロフェッショナル版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/04-心血管疾患/心不全/肺水腫