舌苔の症状や原因、治療方法とは?
舌苔(読み方:ぜったい)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
杉本 圭介 歯科医師 杉本歯科クリニック 院長
舌苔とは
舌の表面に生じる汚れで、文字通り「苔(こけ)」のような性状です。舌苔は食べ物のカスや古くなった粘膜、細菌などの集まりです。付着した細菌は食べ物のカスを分解するときにガスを発生させ、これが口臭の原因となります。舌苔が付着している部分には、新たな食べ物のカスや細菌がますます付着しやすくなります。
舌苔の症状
舌苔は病気ではなく、治療の必要はありませんが、あまり放っておくと口臭の原因になります。舌苔の中には、「嫌気性菌(けんきせいきん)」と呼ばれる細菌が生息しており、硫黄を含んだ強烈なガスを産生しているのです。舌苔には、嫌気性菌が大好きなタンパク質が豊富に含まれていることから、口臭の元となる物質も多量に作り出されます。
また、舌苔はカンジタ症などの感染症を発症する原因になる場合もあります。
舌苔の原因
舌苔が発生する要因は以下の通りです。
口の中が不潔
歯磨きなどのオーラルケアを怠ると、プラークや歯石と同じように舌苔も形成されやすくなります。とくに、舌を磨く習慣がない人は、舌苔が生じやすいです。
口呼吸をしている
鼻呼吸ではなく口呼吸をしていると、口の中が乾燥しやすくなります。口腔乾燥は、舌表面の汚れの停滞や、細菌の繁殖も促すことから、舌苔が生じやすくなります。
唾液の分泌量が少ない
病気や加齢によって、唾液の分泌量が低下すると、舌苔が形成されやすくなります。
舌の運動機能の低下
食事や会話をしているときに、舌はとても複雑な運動を行っています。それによって舌全体の血流が良くなるだけではなく、食べカスや細菌なども停滞しにくくなるため、舌苔形成を抑える効果があります。そのため、病気や加齢によって舌の運動機能が低下すると舌苔が生じやすなります。
生まれつきの舌の形
生まれつき舌に溝がある場合(溝状舌(こうじょうぜつ))があります。病気ではありませんが、普通の舌よりもでこぼこしているので、舌苔が付着しやすくなっています。
舌苔の治療方法
舌の上を清掃する(舌清掃)
食後のブラッシングの際に、舌の清掃も行うようにします。市販の舌用ブラシやタングクリーナーを利用してみてもよいでしょう。
マウスウォッシュの使用
マウスウォッシュには、細菌を洗い流したり殺菌したりする成分が含まれているため、舌苔にも効果があります。
口呼吸をしない
口呼吸をしている自覚がある場合は、口を閉じるように心がけましょう。
保湿剤の使用
唾液が少なかったり、病気などでこまめにうがいができなかったりする状況では、保湿剤を使用することも効果を期待できます。