網膜静脈閉塞症の症状・原因・治療方法をご紹介
網膜静脈閉塞症(読み方:もうまくじょうみゃくへいそくしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
鈴木 美保 医師(トヨタ眼科クリニック 院長)
網膜静脈閉塞症とは
網膜静脈閉塞症は、網膜の静脈が詰まっている状態です。
網膜の静脈が詰まると静脈の圧力が上がり、網膜の血管が広がったり、蛇行したり、出血したりします。また、網膜に血液中の水分がたまったりして、むくみ(黄斑浮腫)を起こします。引用:バイエル薬品/参天製薬 網膜疾患サポートサイト ずっと見える情報局
https://www.moumakushikkan.com/ja/about/moumakujoumyaku/
網膜静脈閉塞症の症状
(1)急激な視力低下
出血やむくみ(浮腫)が、視力に最もかかわる網膜の黄斑に及ぶと視力が低下します。特徴的なのは突然生じるということで、*月*日に見えなくなったと症状の発症時期がはっきりしていることが少なくありません。
(2)突然の視野障害
黄斑が侵されていない場合は、病変の部位によって症状が異なります(例、上あるいは下の方が見えなくなった)。
(3)変視症
物がゆがんで見えたり、曲がって見えることがあります。
(4)まったく無症状のこともあります。引用:日本眼科学会
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_heisoku.jsp
網膜静脈閉塞症の原因
網膜静脈閉塞症は、年を重ねると発症しやすい病気で、高血圧や動脈硬化と深い関連があります。網膜静脈閉塞症の患者さんの多くは、高血圧のある方です。これは、高血圧により、血管がダメージを受けること、つまり動脈硬化が影響しています。
高血圧のほかにも、血管自体の炎症により発症したり、糖尿病などの血液の粘性が増す病気がある方でも発症しやすくなります。また、緑内障のある方も発症しやすいと言われています。引用:バイエル薬品/参天製薬 網膜疾患サポートサイト ずっと見える情報局
https://www.moumakushikkan.com/ja/about/moumakujoumyaku/
網膜静脈閉塞症の治療方法
(1)網膜光凝固
硝子体出血や血管新生緑内障などの合併症を予防あるいは治療するために行うことがあります。黄斑のむくみの治療として行うこともあります。
(2)硝子体内注射
黄斑のむくみの治療のために眼球内に種々の薬剤を注射することがあります。注射する薬剤は、副腎皮質ホルモンや血管内皮増殖因子というむくみや新生血管(本来の血管ではない新しく形成される異常な血管)を抑制する効果のある薬剤などです。
(3)手術(硝子体手術)
黄斑のむくみをとる目的で行う場合と硝子体出血などの合併症を治療する目的で行う場合があります。引用:日本眼科学会
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_heisoku.jsp
1.内服薬:網膜の血流が改善するお薬を服用する。
2.硝子体内注射:むくみをとる薬を注射する。
3.網膜レーザー光凝固術:むくみを減らしたり、血流の悪いところにレーザーを照射したりする。
4.硝子体手術:むくみが非常に強い場合や、なかなか改善しない場合に行う手術。
ただし、治療方法は閉塞部位や閉塞した状況によって異なりますので、様子を見ながら最適なものを選択していきます。治療中の生活は、予防と同じく高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の管理をしっかり行いましょう。