睡眠障害の症状や原因、治療方法とは?
睡眠障害(読み方:すいみんしょうがい)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
春名 令子 医師(はるなクリニック 副院長)
睡眠障害とは
睡眠障害には、不眠症だけでなく、睡眠時無呼吸症候群(睡眠中に呼吸が止まってしまう)、過眠症(夜間よく眠っているにも関わらず日中眠くてしかたがない)、睡眠時随伴 (ずいはん) 症(寝言や寝ぼけ行動)、睡眠関連運動障害(脚 (あし) がむずむずして眠れない、眠っているときに脚がぴくぴく動いてしまう)、概日 (がいじつ) リズム睡眠障害(睡眠リズムがずれてしまい戻せない)など多くの疾患があり、それぞれに原因や治療法が異なります。
引用:国立精神・神経医療研究センター病院 睡眠障害センター
https://www.ncnp.go.jp/hospital/sdc/index.html
睡眠障害の症状
睡眠障害のサインや症状は大きく分けて、1)不眠、2)日中の過剰な眠気、3)睡眠中に起こる異常行動や異常知覚・異常運動、4)睡眠・覚醒リズムの問題、の4つにまとめられます。また、いびきや寝ぼけなど、周囲の人から指摘される症状もあります。
引用:厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_sleep.html
不眠:寝つきが悪い、睡眠中に途中で目が覚めて眠れなくなる、早朝に目が覚めてしまう、ぐっすり眠れない
過眠:昼間に強い眠気に襲われる、仕事中に居眠りをしてしまう
睡眠中に起こる異常行動や異常知覚・異常運動:夜中に目覚めて意味不明な言葉を発するが、本人は覚えていない
睡眠や覚醒リズムの問題:適切な時刻に眠りにつくことができない、予定時刻に目覚めることができない
上記のような症状のために日常生活に支障が起き、学業や仕事ができなくなることもあります。また、睡眠障害から様々な病気が起こることもありますので、放置しないようにしましょう。
睡眠障害の原因
①心理的原因
何らかのストレスに関連して起こる不眠。
例)家族や親友の死、仕事上の問題など。
特に眠れなくなった前後の出来事を、詳しく検討することで、明らかになってくることがあります。②身体的原因
身体の病気や症状が原因で起こる不眠。
例)外傷や関節リウマチなどの痛みを伴う疾患。湿疹や蕁麻疹などの痒みを伴う疾患。 喘息発作や頻尿、花粉症など。
身体的な病気や症状を治療することで、改善されることがあります。③精神医学的原因
精神や神経の病には、不眠を伴うことが少なくありません。なかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつです。
憂うつな気分が続いたり、これまで楽しかったことが楽しめなかったりするのは、うつ病かもしれません。それが原因で眠れなくなったりします。慢性的な不眠症では、3分の1から半数は、何かしらの精神医学的な疾患を持っているとも言われています。落ち込んだり憂うつな気分が続く時は注意が必要です。
専門医師に相談して適切な治療が必要な場合があります。④薬理学的原因
服用している薬や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠があります。
代表的な薬には、抗がん剤、自律神経・中枢神経に働く薬、ステロイドなどがあります。
服用しているお薬、飲酒、喫煙、カフェイン摂取の習慣がないかを確認することが大切です。
ドリンク剤には意外とカフェインが多く含まれているので注意が必要です。⑤生理学的原因
睡眠を妨げる環境による不眠があります。
海外旅行や出張による時差ボケや、受験勉強や職場の勤務シフトなどによる生活リズムの昼夜逆転など、ライフスタイルが大きく変わると、眠ろうとする機能が低下し、眠る機会が妨げられることがあります。
先ずは少しでも眠りやすい住環境、例えば就寝前には照明を落とし、起床時には上げるなど、光のコントロールを考えたり、心と体がリラックスできるよう工夫してみましょう。引用:田辺三菱製薬 スイミンネット
http://www.suimin.net/step1/cause/
睡眠障害の治療方法
睡眠障害は疾患によって治療法が異なります。「眠れない」イコール「睡眠薬治療」ではありません。症状やサイン、診察や検査から、その原因となる疾患が適切に診断され、原因に応じた治療を受けることが重要です。
引用:厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_sleep.html