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高血圧の症状、原因・治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

高血圧(読み方:こうけつあつ)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
高橋 宏樹 医師(高橋医院 副院長)

高血圧とは

心臓から送り出された血液が、血管内で示す圧力、つまり、血管の壁を押す力が「血圧」で、これが一定の力以上に高い状態が「高血圧」です。
血圧は水銀柱を何ミリ・メートル(mm)押し上げる力があるか、つまり水銀柱の高さ(mmHg)であらわします(Hgは水銀のこと)。
健康な若い人では120/80mmHg(収縮期血圧/拡張期血圧)くらいです。正常血圧と高血圧の間には明らかな境界はありませんが、
「収縮期血圧が140mmHg以上」か
「拡張期血圧が90mmHg以上」の場合を
高血圧としています。どちらか一方が上回っていても高血圧です。

高橋宏樹医師 高橋医院副院長ドクターの解説
高血圧の患者さんは現在4300万人いると言われており、30代以上の男性の60%、女性の45%、50代以上の男性と60代以上の女性では60%以上と言われています。しかし、自覚症状がない場合も多く、治療率は60代で50%ほどしかいません。高血圧は食塩の過剰摂取が一番の原因ですが、最近は肥満に伴う高血圧がどんどん増えてきています。

高血圧の症状

高血圧そのものでは、自覚症状はないことが多いです。しかし、合併症の危険性が高まっている時には症状があらわれてくることがあります。
例えば、早朝の頭痛や夜の頻尿、呼吸困難、めまい、ふらつき、下肢冷感(足の冷えを感じる)、動悸や、息切れ、手足のむくみなどです。

高橋宏樹医師 高橋医院副院長ドクターの解説
高血圧の症状ですが、重症化してくると頭痛・手足のしびれ・目がチカチカする・肩こりなどの症状が現れますが、特に初期のうちは自覚症状がない場合がほとんどです。そのため、放置してしまう人も多い病気です。

高血圧の原因

高血圧症のおよそ90%は原因不明 (=本態性高血圧症) です。
本態性高血圧症の場合は明らかな原因がないので、減塩、(肥満があれば)減量、適度な運動、などの一般療法に加えて降圧薬が必要になります。

残りの約10%は何らかの原因 (例えば血圧を上昇させるホルモンを作る腫瘍の存在など) によっておこる二次性高血圧症です。
この場合は原疾患の治療 (例えば手術によって前記の腫瘍を取り除く) によって血圧は下がり、降圧薬が必要なくなる場合があります。

高橋宏樹医師 高橋医院副院長ドクターの解説
高血圧の原因は①塩分の取り過ぎ、②肥満です。①塩分の取り過ぎですが、現状日本人は1日平均10.4gの食塩を摂取しているのですが、WHOの目標値は5gとなっています。日本でも2022年までに8gにしようという目標が掲げられています。②肥満についてですが、最近はこちらの方が深刻な問題になっています。肥満の寄与割合は、男性では11%から27%、女性では19%から25%に増加しています。

高血圧の検査法

高血圧の検査としては、まずは血圧を測定します。血圧の測定は別の日にも行い、数回の測定結果をもとに高血圧であるかどうかを判定します。
血圧測定には診察室で測るものと家庭で測るものとがあります。高血圧の判定では、診察室血圧よりも家庭血圧にもとづくほうが優先されます。

家庭血圧は、朝(起床後1時間以内、排尿後、食前)と夜(就寝前)の1日2回測定します。朝・晩とも血圧は 2回測って、その平均の血圧値をとることになっています。
測った血圧値はすべて血圧手帳などに記録しておきましょう。家庭血圧の評価で大切なことは、診断でも治療時においても5~7日間の平均値で判断することです。

高橋宏樹医師 高橋医院副院長ドクターの解説
検査方法ですが、血圧を家庭でも測ることが重要です。なぜなら、「仮面高血圧」という診察室では正常な血圧なのに家庭で測ると高いという患者さんを発見したいからです。この仮面高血圧の患者さんは、正常血圧者の10~15%もいると言われています。家庭での血圧の測り方ですが、上腕カフ型の血圧計で、朝起きて、トイレに行った後に座って落ち着いた状態で、続けて2回測り、平均値を出します。可能であれば、寝る前にも測り、朝との違いをチェックしましょう。週3~4日でもいいので、継続して血圧をチェックしておくことがとても大切です。

高血圧の治療方法

基礎疾患のない方の高血圧では、減塩、運動、肥満是正などの生活習慣を修正する治療法が基本になります。とくに、食塩は血液量を増加させて血圧を上げたり、心臓に負担をあたえたりするので、減塩することが重要です。肥満者における減量は血圧を明らかに下げますし、毎食野菜を多く摂取することも大切です。はじめに薬を使わない治療で血圧のコントロールを試み、改善しなかった場合には薬による治療を開始します。
一方で、基礎疾患のある方(心血管病の危険性が高い、糖尿病、脳卒中、心臓病や腎臓病がある)は、すぐに薬による治療を開始する場合もあります。この場合、高血圧の原因となる病気の治療が基本となります

高橋宏樹医師 高橋医院副院長ドクターの解説
高血圧の治療ですが、一番は生活習慣の改善になります。具体的には減塩(6g以下)、野菜・果物を多く摂取する、コレステロール・飽和脂肪酸を控える、魚を積極的に食べる、減量(4kg)、有酸素運動(20~30分以上を週4~5日)、禁酒、禁煙、ストレスのコントロールなどです。生活習慣を改善した上で、降圧剤治療を行います。この時重要なことは、症状が良くなってきたからといって、自己判断で薬をやめたり、減らしたりしないことです。必ず主治医の先生の指示に従って、正しく服用するようにしてください。

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