更年期障害の症状や原因、治療方法とは?
更年期障害(読み:こうねんきしょうがい)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
春名 令子 医師(はるなクリニック副院長)
更年期障害とは
閉経とは卵巣の活動性が次第に低下し、ついに月経が永久に停止することを言います。一般的には12ヵ月以上月経が来ないと閉経としています。
日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく早い人で40歳台前半、遅い人で50歳台後半に閉経を迎えます。
閉経前後の5年間を更年期と呼び、この期間に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを更年期症状と呼び、その中でも症状が重く日常生活に支障を来すものを更年期障害と呼びます。
更年期障害の主な原因は卵胞ホルモン(エストロゲン)の低下で、これに年齢に伴う体の変化と精神・心理的な要因、社会文化的な環境因子が複合的に影響することで症状が出ると考えられています。引用:日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/kounenki.html
更年期障害の症状
更年期障害の症状は大きく分けて3つに分類されます。
①自律神経失調症状:のぼせ、汗、寒気、冷え症、動悸、胸痛、息苦しさ、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまい
②精神症状:イライラや怒りっぽいなどの情緒不安定、抑うつ気分
③その他の症状:腰痛や関節痛、嘔気や食欲不振、皮膚の乾燥感やかゆみ、尿が近く外陰部の不快感
多彩な症状がみられますが、これらが他の病気の症状ではないことが条件になります。引用:日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/kounenki.html
更年期障害の原因
更年期を迎えると卵巣機能は低下する為、若い時と同様にエストロゲンを分泌できなくなります。
そのことによってホルモンバランスが保てなくなり、起きる体の症状が更年期症状です。
女性ホルモンは、脳の視床下部からの司令により卵巣から分泌されます。視床下部はさまざまなホルモンの分泌をコントロールするとともに、体温調節や呼吸、消化機能の調節、精神活動などを司る自律神経のコントロールセンター。ところが、卵巣の機能が衰えると、脳がいくら「ホルモンを出せ」と指令を出しても分泌されません。すると、脳がパニックを起こして通常の何倍もの指令を出すために、異常な発汗、イライラ、めまいなどの症状があらわれるのです。引用:大塚製薬 更年期ラボ
https://ko-nenkilab.jp/menopause/about05.html
更年期障害の検査法
医師は問診票の回答を参考にしながら、いろいろな質問をし、必要があれば内診(膣とお腹の上から子宮、卵巣の状態を触診する)や超音波検査(子宮や卵巣の状態を観察する)、骨量測定(骨粗鬆層の有無を確認する)、血液検査(女性ホルモンの血中濃度を検査する)、細胞検査(子宮がんの検査をする)、乳房検査(乳がんの検査をする)などを行います。
もし、人間ドックの結果や1か月分の基礎体温表があれば、参考になるので持参するとよいでしょう。診察及び検査後に診断がついた場合は、およそ1か月おきに通院し、経過を観察することが多いようです。必要があれば薬を処方し、生活指導を行います。引用:キッコーマンニュートリケアジャパン
http://www.kagayaki-project.jp/features/2014/02.html
更年期障害の治療方法
■ 薬物療法
◎ホルモン補充療法(HRT:Hormone Replacement Therapy)
卵巣機能の低下のために不足するエストロゲンを、お薬で補う治療法です。のぼせ、発汗などの症状の改善を目的として、エストロゲン製剤の単独療法や、黄体ホルモン(プロゲスチン)製剤の併用が用いられます。
◎漢方療法
漢方療法の基本的な考え方は、心身のバランスを整えることにより、さまざまな症状を改善することです。更年期障害は原因や症状が多様であり、いろいろな要因が複合しておこります。症状の緩和を目的として当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などが用いられます。
◎その他の薬物療法
症状に応じて抗うつ薬、向精神薬などが用いられます。
■ カウンセリング・心理療法
多くの場合、加齢にともなう身体的変化、精神・心理的因子、家庭や職場・地域などの社会的因子が複合的に影響することで症状があらわれます。このため、適切な薬物療法とともにカウンセリングや心理療法が必要になる場合があります。
■ 食事療法
バランスのとれた食事をとること、野菜・果物から必要な量のビタミン類をとることが大切です。また、大豆イソフラボンの含まれた食品も積極的にとりましょう。
■ 運動療法
定期的な運動も大切です。運動は、ストレス解消に効果的であり、気持ちを前向きにする効果があります。引用:持田製薬 ワタシのカラダ相談室
http://www.mochida.co.jp/woman/disease/menopause/